Rechtsphilosophie des als ob

かのようにの法哲学

基礎演習Ⅰ(01)

2020-05-11 | 日記
 基礎演習Ⅰ(第20クラス)                    2020年05月13日
 憲法と政治をめぐる諸問題(基礎演習Ⅰテキスト44頁)
 テーマ1 集団的自衛権行使容認の是非を問う
 日本の歴代政府 憲法前文と9条→集団的自衛権の行使を認めていない(個別的自衛権は可) 現在の安倍政権 米国などの国と共同して集団的に防衛権を発動することは可
         もちろん、それには条件があるので、限定的に可能なだけ。
         ただし、集団的に自衛権を行使するとはいっても、
         直接的には敵国から攻撃を受けている米国を防衛(他国防衛)であって、
         日本はまだ直接的な攻撃を受けていない段階。
         しかし、米国を助けなければ、日本の存立が危機にさらされる。
         その状況において、米国と集団的に対応することが自衛(自国防衛)になる。

(1)基本的事項の確認
1安倍首相が述べた「集団的自衛権の行使を容認する」とは、どのようなことなのか。
 誰が  どのような事柄を  何を基準に  容認する・容認しないと判断するのか

2阿部政権は、なぜ集団的自衛権の行使容認へと方向転換したのか
 歴代の政権の基本的立場
 裁判例・判例など
 安倍政権の方向転換のきっかけ

3安倍政権が主張する集団的自衛権の合憲論
 憲法前文
 憲法9条1項 国際紛争を解決するために戦争と武力による威嚇をすることを放棄
     2項 1項の目的達成のために、戦力を保持することはしない。交戦権を認めない
 いわゆる「砂川判決」(最高裁大法廷昭和34年12月16日判決)
 最高裁ホームページ参照
 判例時報や判例タイムズなどにも判決文が掲載されている

(2)論点
1憲法とのかねあい
 個別的自衛権の行使と集団的自衛権の限定的行使の関係(その違いは? 共通性はあるのか?)

2国際情勢
 日本を取り巻く安全保障環境が、かつてないほど厳しくなっている?
 北東アジアにおいて核開発・ミサイル事件が繰り返され、緊張関係が高まっている?
 世界の国々は一方で独立国として存立し、固有の国家制度・社会制度を持ちながら、
 他方で政治的・経済的・文化的に相互に影響しあい、相互前提・相互依存の関係にある?
 友好関係・同盟関係にある或る国に対する武力攻撃が他の国の存立に対する危機に転化する?

3「安全保障のジレンマ」をどう考えるか
 集団的自衛権の限定的行使の容認→日米同盟とその連携の強化・深化
 日本の安全保障環境は不安定から安定へ? 厳しさが緩和される?
 アジアと世界における米国の位置関係は?
 アジアにおける米国との敵対関係・緊張関係は?
 その敵対関係・緊張関係のなかへ日本が構造的に組み込まれていくことの意味は?

(3)課題
 「砂川判決」を調べてみよう! それを読んで、内容を整理しよう!