≪ 2018・3・9 掲載記事≫
いつのまにか、童顔にもかかわらず、この1月で36歳にもなっていた櫻井翔(さくらい しょう)。
芸能人としては、当初から興味・関心が無かった。歌う曲名も、出てた番組名すら、知らないほど。
おっ!と気付き始めたのは、彼が、「嵐」の一員としてではなく、日本テレビの深夜11時からのニュースワイド番組「NEWS ZERO」の、月曜日に出演し始めて、おそらく、しばらくして何の気なしに、観てから。
その彼が、赴く地方への現地取材。
とりわけ、3・11の、間違いなく「関東」ではなく、「三陸沖」ないし「東北太平洋沿岸」地域の大震災。
関東というなら、東京も大震災受けているはずなのに、あっても微災害。
このデタラメ命名は、総務省の官僚の奴らが付けて、しばらく酒場などで、悦にいっていたと聞き、殴ったろか!と、当時想った。
酒飲んだ後、総務省に戻って、時間つぶして、タクシーにふんぞり返って乗って帰宅。
その料金、働いていない「残業代」。
我々が、税金で払っているんです・・・・・・。、殴ったろか?という気持ち、わかりますよねえ・・・・。
さて、その後、櫻井翔はその地域で起こった「超津波大地震」で計り知れない被害を受けて、やむなく仮設住宅に住まざるを得なくなった家族や、老夫婦や、独り暮らしの老人に対する聞き出し方、接し方、心情を話させる持ってき方の自然さ、上手さ。
なにより、警戒させない雰囲気、持ってき方。
おお~っ。この櫻井って・・・・・・。
なもんで、以前、1回、記事化したことがある。スポーツ取材現場への常習遅刻&さぼり魔の鈴木崇司(たかし)ら、ほかのキャスターの、ひどいありさまも交えて、比較して。
櫻井が、芸能人だから、被災民が話してくれているわけではない。
目の前の櫻井を、そもそも芸能人と知らない老人世代が大半だったし、せいぜい、そこいら辺の2枚目のアナウンサーが取材に来たという認識であったに違いない。
セッティングや交渉は、同行したディレクターが、事前、ないし直前に行なう。
だが、聞き出し方や、答えが返ってきた後、次に聞き出す間、質問の言い回しなどは、当人の性格がモロに出る。
ディレクターからの指示は大体、こんなカンジのことを聞いていただければ、という、当初、タレント扱いの見方であったであろう。ましてや、天下のジャニーズ事務所のタレントだ。
そんな背景が何の関係も無いほど、上手い。天性の、もの。そう、何本も観て、とらえた。
一方でまた、五輪開催近くなると、日本代表選手の「練習場所」を訪れ、練習風景をその目でじっくり見ただけでなく、きつい負荷をかけたフィットネス基本練習を自分でも、すぐにやってみる。
見た目と違い、体力と筋力は、30過ぎてるのに、かなりある櫻井。
最近では、スピード・スケート競技に出た髙木美帆と菜那姉妹であったろうか。腰とひざを深く深く、おろし、負荷を充分に掛けて、左右に蹴り出す練習に、櫻井もチャレンジ!
見た目は、華麗。しかし、実は苦しい。
そ~ゆ~練習を、すぐ自分でもやってみるのが、櫻井の取材の特徴。練習の辛さ、厳しさを、常に体現。
ソコからつなげて、フランクに、且つ、ホンネをさりげなく、笑顔を浮かべつつ、したたかに計算付くで、聞きだそうとする。
さらに、五輪会場にも、キチンと観に行っている。鈴木崇司のように、スマホ、いじらない。身を乗り出して、真剣に観ている。
同じ「嵐」の相葉雅紀も、スポーツ選手をスタジオに招いてやってはいるが、くだらないばかり。ただのヨイショ、太鼓持ちに過ぎない。録画こそしとくが、観る価値、無い。
ソレに較べ、櫻井は「記者」として見ても、ホントに優秀だ。
その彼が、この3月5日の夜。
鬼畜の如き、東京電力と言う、事実上、この7年間、国の、我々の税金を喰いものにして、肥え太っている国策企業。
そこが、引き起こした、いつか起こるであろうことを危惧していた「未必の故意」福島第一原発、水素爆発「事件」。
その被害を大地が浴びて、今も凄惨な状況に置かれている、福島県の飯館(いいたて)村にいた。
雨が降りしきるなか、彼が傘をさして立っていたのは
巨大な、緑色のシートで覆われたなかに隠された、「汚染度」高い、「汚染土」の大袋の山、また山。
彼は、端的に、悲惨な「厳状」を、クチにする。
飯館村内の、84か所に、なんと「汚染土が、詰め込まれた」228万袋が、このように置かれているというより、敷き詰められていること。
汚染を遮断出来るというフレコミの黒い袋を、懐疑的に見ている言葉が、櫻井の言葉の端々に、にじむ。
見て分かる、観ただけで分からせる、衝撃的、効果映像。
なんと単純計算しただけでも、1か所に、2万7142もの袋が、事実上、野ざらしのまま、捨て去られているという、コトになる。
少しは、取り除かれているという、オカミ、環境省は言うが、まったく、その兆しすらない。
そのことを、櫻井は、体感してきているようだ。言えない、言いにくいことも、増えてきている表情。良い記者だ。
安い借り賃で置きっ放し。捨てっ放し。
福島は、原発のごみ溜め場と、化した。
コメは作れず。
もし、汚染土が取り除かれても、再び、米が作れる可能性は、無いに等しい。
飯館村に、3・11前の人口の、10パーセントは戻ってきたという、オカミの発表。実態、実感には程遠い数字だ。それも、滲ます櫻井。
3・11の時で、村の人口、5864人もいたのに、昨年の10月1日で、41人しかいなかった。
それが、580人戻ってきたという数字に・・・・・・。人が、まったく見えないのに・・・・・。
櫻井が中学2年生の教室に行き、歓声を受け、初めて芸能人的対応をされるが、その後の、男子学生と共に、3・11まで通っていた校舎に入って、7年もの日々を痛感させられる取材振りも良い。
今日、3・11特番には櫻井は出ない。
先の、おっ!と感じ始めてから、櫻井の出る月曜日の視聴率を調べてみた。
意外や、全然上がっていない。起用前と、ほぼおんなじ。他の曜日と、変わらず。
んん・・・・・。
大きな宣伝はしていないとはいえ、日本テレビが期待した「嵐」は起こらなかった。
アイドルグループ「嵐」のファン層である、30~40代の女性は、子育てに追われ、シングルマザーは生活に追われ、心の余裕なく、キャリア・ウーマンは、飲み会、慰安、趣味に、午後11時台を過ごしていた。
そもそも、報道やニュースに、櫻井のファンは、関心や興味は無いということが、少なくとも、こんにちまでの、まぎれも無い「厳実」。
であっても、まるで、お祭り騒ぎ記念日のテレビ特番など垂れ流さずに、この櫻井の7年の取材ルポを、たんたんと、つないで流してくれたら、はるかに被災の現実が、視聴者の心に届くはず。
視聴率は望めない。
だが、真の3・11を、まぎれもなく、伝えてくれるのに・・・・・。
(2)では、櫻井が知り始めていること、知ってること、知らないこと、汚染土のひどい事実と、食いものにされまくっている実態を書く。 飯舘村の、バカな菅野典雄・村長の素顔も。