懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

くるみ割り人形の王子

2012-11-13 01:36:18 | バレエ
バレエ『くるみ割り人形』の、どこかの公演のポスターを見かけた。
12月の風物詩。

くるみ割り人形の王子は、思春期の少女の観念の存在で、「理想的男性像」と言う、恐ろしいキャラ。

生々しくなく、雑にいうと天使系の個性のダニール・シムキンは、とても役に合ってるんじゃないか、と単純に考えていたのだけど。

でも、もう少し、「男」を感じさせる部分があった方が、より作品の真意に近いのではないか、と思い直した。

ようは、少女が、「王子様」と思って、憧れてくれるような男性であることが、望ましい。

そうはいっても、今のバレエ界って、昔に比べてそういう存在が薄いのだけど。
(その中にあっては、シムキンなんて贅沢な位、良い部類に入るけど。天才なのに、努力型優等生のようにバレエを学んで吸収してる所とか、ピュアなハッピーオーラの感性とか、天才らしからぬ所、見るたび発展してく豊かさとかには、感心してる。)

思春期の少女が、クリスマスプレゼントの人形を見て夢想する王子様。
一緒に夢の国へ行ったり、ねずみの王様たちと闘ったり。
それは、少女期に男性に対する憧れとか夢とかを育てて、やがて来る現実の青年との恋愛に向けて、心の準備をしていくプロセスを物語っているのだけど。

夢が壊れるようなことを書くと、私の実人生上では、少女期における「くるみ割り人形の王子」的存在って、例えば学校の先生とかだった。上級生とかもあるけど。

だから、みかけは普通の中年とか、もやし系やせ男とかだった。
ありふれた学校風景だけど、クラスの傍若無人な男子生徒に、授業中、なにかで囃し立てられた時、その先生2名が、それぞれ庇ってくれた。ただ、それだけのことなんだけど。

私は気が強かったので、フォローを必要とはしてなかったけど、でも、大人の男性たちの態度には、女性を尊重するマナーがあるように感じてた。

そういうちょっとした経験が、男性に対する尊敬心を養う、という意味で、その後、もう少し大人になって現実の恋人が出来る時のメンタリティの下準備には、なってたんだと思う。ずっと後になって、「くるみ割り人形」を見て、そういう実人生の経験を振り返ってた。

くるみ割り人形は、軽いバレエに扱われたりしてる感があるけど、本当は意味もあるし、音楽も優れた作品。

友人は、チャイコ古典バレエはもう見ない、といっている。
(いい舞台に出会わないと、どの作品も凡庸に見えるのは確かだから、くるみ嫌い、って人の気持ちも分るけど。)

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