懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

ファン・ジニ、愛より芸

2009-01-11 15:56:17 | Weblog
年末年始に放映が無かった、NHK土曜深夜韓国ドラマ「ファン・ジニ」。

年末年始にこれがないのは、寂しいものがあった。

さて、再開してみると、ますます増長し、「手のつけられない女」になっているヒロインのチニ。芸妓名ミョンウォル。

超賢く、機知に富み、豪胆な性格。超美しいという設定。そしていいよる男をそでにする時、大変性格が悪いのに、それでも是非にというお誘いが引きも切らないというのだから、かなり男好きのする美貌の女性、セクシーな人だったのだろうと(?)想像。

やってることは、見てる方がひやひやするほど大胆。朝鮮より大国の、中国の大使から献呈された詩の書かれた布を、破って火にくべるとか。怒る大使と恐れる周囲に憚らず平然と、「形あるものに頼ることは愚かだ」という趣旨のお説教をかまして、その詩を暗唱して大使の心を掴むとか。

あるいは、芸妓たちが喜んでチマの紐をほどくという(なんだそりゃ~と思うけど)モテ男で権力者の当代きっての風流人とかいう偉いさんの上から目線のお誘いを、平然と袖にしたり。

一応、台本上、チニ(ミョンウォル)は言葉の上でも筋の通ったことを言ってはいる。けど、ここまでのことをして、打たれずにモテモテなのは、やっぱり超のつくいい女だったんだろうと、考えざるをえない。

もちろん、演じてる女優さんが、さすがにそこまで魅力があるわけではないけれど。ドラマと史実はイコールなわけないけど、伝説的な名妓は、きっと気が強くて手に負えないけど、それでも男性たちが欲しいと思うようなとんでもないいい女だったのだろうと、楽しみながら見てる。

でも、一番面白いのは、スポ根的要素。

今度はペンムをはなれてライバルの怖い美人のおばさん(メヒャンとか言う人。凄く役に合ってる。)に、剣の舞を習うヒロイン。このヒロインと迫力のおばさんの、芸術家魂のぶつかりあいが、面白そうで、ついまた土曜夜夜更かしをするのでしょう。

このおばさんが、芸に何が必要かしゃべってるのが、今回は一番面白かった。自分にとっては、これは韓流じゃなくて、舞踊芸術スポ根ドラマなのだと思う。舞楽にとって芸にとって何が大切か。「それが官能でも意表をつくでもいいから、人々を魅了する力、夢中にさせる力」とか言っていた。

私も昨日のブログに「主役はる人は、実力とともに、ミーハーファンがつくようでなければ」とか書いたけど、このメヒャンの言葉は、それとだいたい同義だけど言いえて妙だ。
こういう、「芸術、舞踊芸術にとって肝要なもの」を髄所に凝らしてあるので、自分には興味深い。

愛についてのチニは大したことない女だと思う。本質的に愛より芸の人。

死んだ恋人の件は、ペンムより悪いのは、愛を試すなどという不遜なことをしたヒロインの自惚れやエゴ、未熟、傲慢さのせい。だが、それに気づかず、ずるずると師匠のペンムを振り回すヒロインは、私には女性として好きになれない面もある。

欠点のある人だから、「それでも魅力的」な人だったのだろうと、自分の中のつじつまを合わせながら見ている。

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マラーホフ、ヴィシニョーワ「眠り」東京バレエ団公演を少々

2009-01-10 17:59:42 | Weblog
見てきた友達の話を聞く、という役回りになってしまった。

この「眠り」は、洗練された衣装、ファンタジックな装置など独創的な眠りで、とっても見がいがあるらしいです。

薔薇ワールドかあ。

私は、「女装バレエなら、フィーリンよりマラーホフよね」と思っていたけれど。

初日は王子のマラーホフが、さぞや怪しくやりたい放題のカラボスを演じるんじゃないかと予想してたけど、そ~~~んんなに極端に禍々しく派手不気味系ではないようです。

マラーホフなりに、込めた意味がきっと色々あるのでしょう。

マラーホフといえば、王子役と思われてるけど、過去にはドゥミ・キャラでも王子より生き生きしてたりしてたけど、そういう狂言回しの道化系の役作りとも違うようらしい。

芸術監督、振付、美術、衣装デザインもやり、40代なのに3日連続出演。

体力的には、かなり凄いとは思うけど、そのせいか、踊りは初日はそ~~んなに超良くもなかったらしい。

8日初日のヴィシニョーワのオーロラ、マラーホフのデジーレ王子の出来は、友人はまあまあだったと言ってましたが、ま~主観もあるので。上野水香さんもまあまあだとか。バレエ団の人は、スケジュールに合わせていろんな役を踊るから、大変よね。

ただ、この年まで八面六臂の大活躍を続けてきたマラーホフも、全幕の王子をガンガン踊るって年ではなくなってきたのかな(?)

友人は中島周さんを誉めていた。かっこいいと一部で言われているみたいだけど。こっちの方がもっと主観に左右される事項。

でも、いまどきのバレエは、かっこいいとかいわれて一部で騒がれる、ってのは無視できないのも事実。それだけになってほしくもないし、かっこいいとか言われる人が、実力が足りないとも限らないけど。

もっと言えば、ほんとは主役を張れる人は、実力、芸術性はもちろん、ミーハーファンがつくようでなければいけない、ってこともあるけど。

マラーホフ版の薔薇がふんだんに出てくる特異な世界は、「眠り」という定番の世界に、新風を吹き込んだ気はします。

プロ的に見て振付そのものがどうかは、私にはわからないけれど。ちなみに以前上演したマラーホフ版バヤデールは、素人が見る分にはその気になれば面白く見れるけど、やや冗長な気がした。

ヴィシニョーワはルジマートフと付き合ってた時期と、雰囲気が変わってきたと思う。これからどうなるのかな。

彼女の「白鳥の湖」解釈は、ジークフリート王子はオデットを裏切ったのだから、それは許されないという意味のことを強く言っていた。ちょっと怖かった。その後、いい人に巡り合えたのかしら?

ルジマートフといえば、レニングラード国立は、ルジマトフ監督になってから、雰囲気が変わった。女性の舞台メークが濃くなり、つけまつ毛くっきり。派手ケバ系なのが、すごく気になってる。

前はアットホームな雰囲気のバレエ団だったけど。スターがトップになって、ステイタスはあがるのかもしれないけど、あの独特な「レニ国」カラーが変ってしまい、芸術監督が変わるってこういうことなのか、と思ってる。

アカデミックじゃないけどアットホームだった頃のを、もう一回見たかったかな。
あそこのバレリーナはバレエの基礎が甘いので、あんまり好みじゃないんだけど。

ボリショイも、若く無名のプルラーカが来て、どうなるのかな。
大家でノウハウのストックが潤沢にあるグリゴローヴィチはまだまだ元気そうだから、頑張ってボリショイの「いまどきの若いもん」コールドにカツ入れ活性化してくれそうだけど。新作はプルラーカなのが、今から期待より不安・・。

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NHKニューイヤーコンサート

2009-01-08 00:26:21 | Weblog
去年も聴いたんだけど。TVで。
でも、なんか、今年の方が感動した。

内心「今年の方がよかったんじゃないか」と思うけど、オペラ聴く、大した耳は持ってないので、定かでない。 

今年はカルメンの歌に、舞踊を場面にからませて、工夫を凝らしていた。
「トスカ」の男声の絶唱に、涙が出てきた。

そして、私的には、最後の「蝶々夫人」~ある晴れた日に~で、感動してぼろ泣き。

オペラやバレエは、同じ演目に、以前に感動したことがあると、そのフラッシュバックで泣けるのか、今聞いている歌が良いのか、自分でも区別がつかない時がある。この曲は、恋の幻想の伽藍を歌い上げた、本当に泣ける歌だと思う。

思えば、最初に泣けたのは、マリア・カラスのCDの歌唱だった。
もちろん、今回の新年の歌手も、素晴らしかった。

今年は他の年末のオペラ等の番組も、ウィーンフィルのも、凝っていたけれど。
国内の演奏家もなかなかでした。
バレエとオペラ併用のお客様が増えているのか、或いは業界の戦略なのか、組ませる企画が増えた。

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新国立劇場シンデレラのアグリーシスターズを・・

2009-01-08 00:14:25 | Weblog
年末のバレエ公演「シンデレラ」楽しみ所が色々で良かった。

脇役の話をするのもなんだけど、「アグリーシスターズ」、シンデレラの姉を女装男性が演じていて、ごつい女たちだった。

でも、上の姉の方が、何かと目立つ。上が派手。下がやや地味。

ウオッカって戴冠の恰好が似合いそうだと思ったら、なんとなくこの姉たちのことを思い出した。

実力はさておき、ウオッカとダイワスカーレットはどちらも素晴らしい牝馬だけど、2頭ともいると、なんとなくウオッカがより派手、勝ち方も含めて目立つ所があって、その分ダスカが損したような感じもしなくもない。

そんな所が、アグリーシスターズの二人の姉のうち、姉が何かと妹より目立つのに似ていた。



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ウオッカ戴冠

2009-01-07 00:02:40 | Weblog
ふ~ん、そうなのか。

ダイワスカーレットが戴冠かと思ったけど、レースの格が天皇賞の方がいいしで・・。
ってよく知らないけど、判断基準。

運命の写真判定だったのね。
集客率、人気もあるか。

どのみち、この2頭牝馬が牡馬より抜けてたと如実に立証。
同期に目立つのがいると、損する者があることは、競馬に限らないけれど・・・。
ダイワスカーレットも史上稀有な名牝で、難しいものがある判定。

この頃お出かけ日和。

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日本映画「メゾン・ド・ヒミコ」

2009-01-06 00:04:04 | Weblog
新年、TVでは深夜は、日本映画特集なのか、連夜放映していた。
中で、これが良かった。

犬童一心監督作品。ってこの人、ど~ゆ~名よ。こんな名の人だから、これは「撮りたいものをやりたいように撮った」って感じなのかと、想像。

私のテリトリーの映画じゃないけど。
いやはや、良く出来てます。

引退したゲイバーのママが作ったゲイの老人ホーム。で死にかけてる末期がんの老いたゲイ(この役の人上手で、ほんとっぽいと思ったけど、美輪明宏とかピーターとかが見たらどうかな?)には、昔捨てた娘(柴咲コウ)が一人。死にかけたゲイの愛人(オダギリジジョー)が、彼氏のために、コウちゃんを老人ホームに連れてきて・・・。といったストーリーで、・・。

つまり、これだけ読むと、別に見たい気にならない説明になってしまうため、私も公開当初は見なかった。

筋を書くと凄く変なのに、映画は、ちゃんと見れる。
良く出来てます。(別にお勧め、とまでは言わないけど、見たら見た時間は無駄にはならないと思う)

オダジョーの柔の持ち味と、柴咲の剛、のブレンドも絶妙。

オダギリジョーって、一時期やたら日本映画によく起用される役者さんだなって思ってたけど、これ見て、ちょっと納得。

この人、出始めのころ、そ~んなに天才的に演技が上手いわけでも、かといって大根なわけでもなかった。

それで、こんな風な「結果としての映像」を見ていると・・・。
私たちは、スクリーンという「結果」しか見てないのだけど、たぶん、この人はこの結果に至りつくまでに、かなりのエネルギー支払ってると思った。

台本渡されて、監督からの要求やサジェストがあって、それから、それから・・・ってとこで、プロセスのとこで、苦しんで、こういう演技になった、というものが、きっとあるのだろうと思う。

なんとな~く、全体に「それらしく」見える。
ゲイの青年を演じて、違和感がない。余計な不快感もなく、映画が表現すべきことが浮き彫りになる。

一方、柴咲コウの「呵責ない少女のような」突き放したもの言いは、半分は資質とか、地なんだろうけど、この人はこういう「呵責ない少女のような」容赦ない突き放した言い方をして、そこに逆に「女」を感じさせる、面白い個性があるのが、この映画ではかなりはっきり出ていると思う。

ここに集った人たちは、映画が好きなキャストスタッフなのかも~と思いながら見た。

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ウィーンフィル新年コンサートとバレンボイムの平和祈念

2009-01-05 23:41:28 | Weblog
巨匠バレンボイム指揮、というので一応見たら、アラ、今年もバレエはマラーホフ&ウィーン国立歌劇場バレエ&ウィーンフォルクスオーパーなのね、なんて呑気に見ていたけれど。

このバレンボイムって、…凄い人なのね。
オペラ指揮者の割に、バレエ指揮もうまいひと、と思っていたけれど。
それだけじゃ、なかった。

私は知らなかったけど、イスラエルの人とバレスチナの人だかの混成メンバーのオケを組織してるとか。NHKの新年恒例ウィーンフィルニューイヤーコンサートの番組内で、解説していた。

凄いこと思いつくのね。
こういうひとが、ニューイヤーコンサートの指揮台に立つって、画期的だと思った。

華やかな新年の祝いの座。その中にこういう殊勝な主張のある人が入ることで、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートも、(イスラエルとパレスチナの問題って、一筋縄ではいかない難しいものだけど)ああいう解決が見えにくい紛争地域への平和祈念の意味合いも加味され、芸術の場の意義が深まったというか。

あれを見て、逆にボリショイ日本公演「明るい小川」に何が欠けていたのか、思い出した。旧ソ連の話なわけだけど、「それをなぜ、今、この日本でやるのか」という「現在性」の視点。(そこまで求めてないのだと、判り切っているから、それを判ってる人は口にしなかったのでしょうけど)

バレンボイムって、音楽の天才だけじゃなく、随分と志の高いことする人なんだな~と、驚き感心していたけれど。

その翌日、ガザ地区をイスラエルが空爆の話。
そして今日も、そのエリアの紛争の話。

バレンボイムの話をしってすぐだったし、今日はニュース見ながら泣き入ったによって。(って、おめ~が泣いても何の解決にもならんわ、と心の中の自分が言った)

指揮者氏の願いが、届くと良いな。

あ、なんかコンサートの内容の話からずれたな。

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