スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

墓標には水仙がよく似合う

2017年05月17日 | 雑感
母の一人住む実家・七飯町に行ってきました。  今回は神奈川に住む三つ違いの弟と合流です。

近くの桜並木は既に葉桜となっていたが、夜は久しぶりの三人での晩さん、昔話に花が咲いた。 
老いると直近のことは忘れるが、昔のことを持ちだすと随分と鮮明に語るものですね。 不思議です。


   
   散る桜 残る桜も 散る桜 か。   往路途中にある森町オニウシ公園の桜も散り始めておりました。
                                          
弟を空港に送って実家に戻る途中、フラッと一人父の墓へ立ち寄りました。
だいたい普段墓参りなどろくにせずにいる不肖の息子なのですが、母のこともあり、こんな時だけご先祖頼み!

弟は父の墓参りをと言っていたが、今回何かと忙しく二人そろっては行けず仕舞い。 
私も ” 行けなくても父ならわかってくれるよ ” などと勝手な理屈でうそぶいていた始末でした。

手を合わせ、お水を入れようと台下の湯のみを取り出すと、なんとその茶碗 割れているではないか。 
きっと冬の寒さで湯のみ茶碗が凍ってしまい、割れて底が抜け落ちたようです。 

” 花も線香も持たず 墓参に来るとは何事ぞ 出なおして来い! ”  そんな声が聞こえて来た。

ご先祖さまのお叱りをいただき、かなり後ろめたい気持ちにもなり、翌朝早く再度の墓参りと合いなった。

        
                                            (写真ネットより)
実家にあった うぐいす文様の湯飲み茶わん、母に聞くと生前父が飲んでいた湯のみと言う。
それに線香一式、庭に咲いていた黄色い水仙・ピンク色のチューリップ・青いムスカリを抱え再び車を走らせた。


父には温かいお茶、祖父には好きだったお酒、祖母には甘味カステラ、ご先祖様には南アルプスのお水を持参。 

太宰治の ” 富士には月見草がよく似合う ” じゃないが  ” 墓標には水仙がよく似合う ”

菊の花やらのパターン化された花々よりもずーっといい。 
この三花の色の組み合わせ、墓には実によく映える。  しばしのあいだ見とれていた。


普段は無宗教無神論をきどっているスノーマンだが、DNAって凄いものですね。 
                                亡き父に母の無事を祈っている自分がいた。