スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

がん治療前線

2015年11月14日 | 雑感
がんの話 ばかりですみません。 最近どうも近隣や知人に、二人に一人が がんになるという時代。

私も4年前舌がんを宣告をされていまだに定期健診を、どうも人ごとには思えないものでして。

昨日のニュースで、国立がん研究センターが、患者さんのがん細胞の遺伝子約100種類を網羅的に調べ、
治療薬などの選択に役立てるという臨床研究を来年1月から行う、と発表したようです。 


患者一人一人に合わせた個別化治療の実用化を目指すとのこと。 吉報ですが、とにかく遅い! 

そういえば前回のブログでの物理学者・戸塚氏にこんな指摘がありました。

 『 もう少し医学は個体差(抗がん剤の投与量を各個人に合わせ最適化とする)を研究してほしい。
   物理学では観察・経過は実験毎の【ログブック】があるが、医学でも患者ごとのデータベース化が急務。』


戸塚氏は5つの抗がん剤を使用したそうです。(オキサリプラチン・イリノテカン・アバスチン・セツキシマブ・TS-1)
陽子治療などの先進医療もあるが、がんが分散していて無理だったようです。

        

それぞれある時点で効かなくなるので、投薬を変えるタイミングを主治医と相談して決めてたそう
なのですが、腫瘍マーカーや腫瘍サイズを自らグラフ化し、その決断のタイミングを見つけていったとの事。

アバスチン・セツキシマブの二つ(どちらも分子標的薬)が自分には数値的には効果があったと記していた。

早速以前私も使っていた薬を調べてみました。 残っていた【くすり手帳】では、使用していたのは
上記に列挙した 【TSー1】 という抗がん剤(私の場合は錠剤)でした。 

そういえば先日(当月7日)に他界した時代小説家・宇江佐真理真理さんもその闘病記で、医者に
抗がん剤【TSー1】を勧められたがそれを拒否したとの記述がありました。


私の場合と異なり手術の有無、ステージ(進行度合い)や腫瘍の箇所、大きさ、いわゆる固形がんか
否かとか、お酒にも酔う人と酔わない人がいるが如く、それぞれ患者さんの体質によって違う。
吐き気や発熱などの後遺症もその体質によって、薬の吸収度合いによるとか 千差万別だ。


私の場合は、抗がん剤の飲後結構吐き気の後遺症がひどく、これ以上飲めないとの思いで内緒で
飲んだふりして捨てたことも 有ったような 無いような そんなことも しばしばだった。

主治医に相談したら ・・・ 「じゃやめてみますか」 と。 それからは抗がん剤は飲んでいない。
今は飲まずになんとか生きている。 「じゃそれまでなんだったのか」 とも思いますよね。 

治療しない方が良しとする論客もいるようだ。 まだまだがんは分かっていないことが多すぎる。

戸塚洋二著『 がんと闘った科学者の記録 』では、<がん闘病記 > と並行して、自宅や近隣で
観察した花や木々の写真 <植物観察記録> をも並行して載せていた。
きっと、よほど花々を愛していらしたのでしょう。 物理学者も哲学はするようだ。


同じ種類の木々でも葉っぱはそれぞれ異なるという。 なぜと ある植物学者に尋ねたことがあり、

その返答は ≪植物ってのは いい加減なんだよ≫ で終わり。 なぜか救われた気がしたという。

がんも それぞれ違うのに みんな同じ扱いをするのは おかしい。 これが結論なのかも知れませんね。

がんも多分生きるのが必死、人間も勿論必死だ。 がんとの闘いは まだまだ長く続くようだ。