スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

Ag(e)ing Process パートⅡ

2015年02月08日 | 雑感
Ag(e)ing Process は英語で老化現象というらしい。

先般症状名を聞き忘れ、自症で狭窄症と診断したが、案の定当たっていた。
正式名は、混合性腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)という症状名だそうだ。


MRI 撮影では、軟骨と神経のすき間が老化で狭まっているという。自然に治る方もいらっしゃるようだが、
悪化する方は歩けなくなるなど重症の方もおられるようだ。

明日から10日間ほどの入院手術。 4年前の舌癌から端を発し、手術はこれで4度目になる。

 ”腰部ですから少しきつめの全身麻酔になりますよ”って看護師さんから入院時の説明を受けた。

  なにか心配なことはないですか? とのことでしたので、
 ”麻酔から覚めないこともありますか?” と質問してみた。

 ”今まではなかったですねぇ” とにこやかに答えていただきました。

完治させ、また山登り(ハイキング?)もしたいのですが、、、 さて。

岩下さん

2015年02月08日 | 雑感
『 芸 者 論 』 という本を読んでみました。

書いた人は、HBCテレビ朝の番組「いっぷく!」のレギュラーコメンテイター・岩下尚史氏だ。
おねえ的というか、言葉が典雅で人のよさそうな感じを受けたので気になっておりました。

         

1961年生れ。新橋演舞場企画室長などを経て一念退職し、幕末から平成にいたる新橋花柳界の調査研究
の成果をこの『芸者論』に著したとのこと。


私など芸者とは縁の無いものとしては、読むのもためらいましたが第20回・和辻哲郎文化賞受賞作品との
ことでもあり手にとってみました。


                              冒巻にあった挿絵・喜多川歌麿作 『深川の雪』

古代から(特に幕末から)現代までの花柳界の歴史・文化・風俗を描いた作品で、その時世を繊細に
顕す検証力と巧みな品格というか筆力には恐れ入りました。

 
 『花柳界というものは、男が遊びに行くというよりも、戦いに行くところです。』

 『上等のスーツに包まれた胸の内は、お互いに血まみれでしょうし、余裕ある微笑を浮かべながらも、
  狡知を駆使して、舌鋒に毒を込めたり、あるいは蜜を絡めたりもします。』

 『古代以来の天子が、多くの有能な巫女を後宮に集め、国を平らかに治めた伝統・・・その時々の
   状況を融通無碍な見方で計り、入り組んだ諸問題を美しく見事に取り捌く能力を大和魂と呼び、
   この能力を備えた者でなければ、有能な巫女を引き寄せることはできず・・・』


などと、浮き草稼業の芸者の源を古代の白拍子、あそびめ、そして巫女とまでと話しは古代にまで及び、
柳田國男や折口信夫など日本民俗学、能や歌舞伎なども論じる。


初めて聞いた話ですが、明治30頃一流から二流までを花柳界と呼び、三流以下は三業(さんぎょう)地
と呼んだ時節もあったようです。
(料理屋、芸者屋、待合の三つの業態を管理監督しようとしたが実現せず、名称のみが残ったという)

昭和はじめでの東京府内の芸者屋と待合の許可地は以下の通り。

 一等地は、新橋・柳橋。
 二等地は、赤坂・新橋烏橋・芳町・日本橋・下谷、新富町・浅草公園。
 三等地は、牛込・深川他など47ヶ所もあったそうです。


(ちなみに震災後の東京府における芸者数は1万人で全国で最も多く、これに愛知・大阪府が
 それぞれ5千人前後とのこと)

この『芸者論』の副題は、ー神々に扮することを忘れた日本人ーとあった。

末尾にこんな言葉で締めくくっている。

  『 ひとというものは先ず何かに扮して、外側から作っていかないと、中身を充実させることは、
    なかなか難しいのではないでしょうか』
、、、と。


あぁこういった世界もあるんだなぁと。 花柳界へ読書で旅するというのも、寂しい気はしますがね。


それにしても居酒屋めぐりばかりの我ら仲間たちとは世界が違うようでした。