スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

イラク空爆に思うこと

2014年08月14日 | 雑感
今朝の道新朝刊に「イラク空爆に米国民の6割が支持」とあった。 しかも命の危険のない無人機でと。
犠牲が強いられる「地上戦には6割反対」とも。


4500人もの犠牲があったイラク戦争の二の舞はもうごめんとの表れか。

アメリカは今や地球のみならず宇宙をも支配しようと、Master of space(宇宙のあるじ)と称して、
宇宙空間から地上の敵軍事施設を狙い撃ちするスペース・コマンド計画をも推進している。

日本はそのアメリカにぴったり寄り添うコバンザメだ。

侵略戦争は良くないが自衛戦争はやむをえない、、、これが多くの人の考えではある。

座視すれば 人類のモラルも 経済も 他から脅かされる だから軍事介入も やむなしとする。
行きつく先は 国境を越えての 先制攻撃だ。 これが人間の 正義 というものだと主張する。

こうやって人間は 何千年もの間 殺戮を繰り返してきた。 

一方、あらゆる戦争は人殺しであるからして全ての戦争は認められない。
武力に訴えること自体不正であり、自衛戦争も認めないとの考えも確かにある。
しかしこれは、ナチスのような全ての交戦法を無視する戦争に対しては無力との批判も当然ある。

自衛=正義 とはなんぞや。 実際 正しい侵略戦争・不正な自衛戦争なんてことも ありゃしない。

だいたい今回のイラク戦争でも、市民が犠牲になったら許せない! と世間はいう。

じゃ 戦闘員同士なら犠牲はやむなし でいいのか その犠牲は認めていることになる。

世間の議論は この辺でこんがらがってくるのが 常だ。 

『 常備軍は時とともに全廃されなければならない 』 とは かの哲学者・カントの言葉である。

 その全廃の理由としては、次の様なことからだという。

『常備軍はいつでも武装して出撃する準備を整えていることにより、他の諸国をたえず戦争の脅威に
 さらしているからである』

『互いに無制限に軍事費の増大で、平和の方が短期の戦争より重荷となり、この重荷を逃れるために
 常備軍そのものが、先制攻撃の原因となるのである』


今のイラク情勢を見ると まったく その通りになっているじゃないですか。

『兵士は殺されるために作られる』 と言ったのは あの ナポレオンだ。

我が国を攻撃したら多大な損をする。 どこからも攻められない状況をつくるためにアメリカ一国だけに
媚を売らず、国境を越えた平和への連携を深め 経済的にも自立可能な国づくりを目ざすことが肝心だ。 

 われは傷にして刀!
  われは打つ 掌(たなごころ)にして打たるる頬(ほほ) !
   われは四肢にして引き裂く車、
    死刑囚にして死刑執行人!

                   
ボードレールの詩にあるように  死刑囚にして死刑執行人 にならないために!