スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

サイエンス考

2014年06月06日 | 雑感
大宮 理(オサム)著 『ベクレルさんが放射能を発見していなければ』という本 を読んでみた。

人類の発展と悲劇につながる科学者の苦闘・奇跡にまつわる元素発見サイエンスファンタジー本。

元素のはなしは以前当ブログ 宇宙のはなし(2)クリックで記したことがありましたが、ビッグバンが起きて数十年後に水素やヘリウムなどの原子核ができたという。我々の体内の水の水素原子はこの時できたものだそうです。 

137億年にもさかのぼる まさに神の領域ですね。

大震災から早いもので三年が過ぎました。

忘れてはいけないこととは思いつつ、人間の記憶も時が過ぎれば薄らいでいくのは紛れもない現実です。

この本にも書かれてありましたが、放射線元素の寿命(半減期)が原子ごとに異なるのですが、ウラン238から生じるプルトニウム239の半減期となるには2万4000年もの月日がかかるとのこと。

ということは今日生じた放射性廃棄物が安全レベルにまで下がるのは なんと30世紀頃とか!!

その廃棄物の処理サイクルも未定。 これがいまのニッポンなのですね。

原子番号15(原子核の中の陽子の個数)のリンなども、原子の繋がり方の違いでいくつか種類があるという。

カルシウムとの化合物として肥料になったり、殺虫剤にもなり人間にとって重宝されている一方、
サリンやVXなどの化学兵器にも。黄リンなどは東京空襲で使われた焼夷弾で10万にもの命を奪っている。

白リンというのは空気に触れるだけで自然発火する性質のものだそうです。
これに似た物質(性質に)にナトリウム・カリウムなどがある。

もんじゅなど高速増殖炉は液体ナトリウムを冷却材として循環させ、海水で冷やしているが もしパイプに亀裂が入ったら、水に触れると爆発を起こすといわれるしろものだそうです。

すべての元素(120位もあるのかな)の内、原子番号92のウランから後の元素は全て人工的に作られたもの。 

LHCで地下に一周27キロもの円形トンネルを造り、超電動磁石で陽子を加速正面衝突させて作るという。
(LHC~2008年9月に本格始動したスイス・欧州合同原子核研究機関(CERN)の世界最大級加速器)

        

その元素ができた瞬間 人間の手に負えない元素が出現し、一瞬のうちに地球が吹っ飛ぶ。

そんなことが起きなければよいがと思うのだが、、、。 


実際、人為的極微ブラックホール生成研究による危険性(極微ブラックホールが予想されるとおりに蒸発しないとなると一瞬で地球が呑みこまれる可能性)も論議されているという。

日本はLHCの建設協力国、実験参画者派遣国であるにもかかわらず、欧米メディアとは異なり日本メディアはなんら論評もせず、相変わらず見るに堪えない番組放映ばかりに注力している。

粒子加速器リスク問題を全く取り上げようともせず、それゆえ、国民の過半は[粒子加速器をめぐるブラックホールの暴走懸念]も[CERNの名]さえも知らないのが実情です。 もちろん私もそのひとりですが。

確かにそれにより「ヒッグス粒子」などが発見され、宇宙の解明や医学など人間生活に寄与貢献もされている。

ビッグバーンで地球が生れブラックホールで地球が消滅、、、まあ これも 宇宙の摂理か。

先日(2日)NHKクローズアップ現代≪いま福島を描くこと~漫画家たちの模索≫が放映されておりました。
まんが(いちえふなどにもあるように、福島の現実・放射線の恐ろしさも含め、今一度思い起こしてみたい。

じゃ どうするんだ。 原発無くして 経済が立ち行かなくなるんじゃないか。  と推進論者はいう。
無くたってできるよ。 少しは生活レベルは下がるけど 覚悟が必要なんだ。  と反対論者はいう。


放射能は 人間には管理しきれない 神の領域。  どう考えても そんな気がするのだが、、、。