24日に引き続きテミルカーノフ指揮、フィルハーモニア・オーケストラのチャイコフスキー&プロコフィエフシリーズ。
前半はチャイコフスキー「ロメオとジュリエット」、庄司紗矢香のヴァイオリンで、プロコフィエフのVn協奏曲第2番。庄司のヴァイオリンを生で聴くのは初めて。庄司はとても華奢で、体格的にはまるで子供のよう。以前、バービカンで彼女を見かけた時の印象より更に細く、小さい。ヴィジュアルのイメージは昔の五嶋みどりとサラ・チャンを足して2で割った印象。和物の染め(少し緑がかったアクアマリン色)のようなドレスを着ていたことも、そんな風に感じた理由かもしれない。
演奏は、まずヴァイオリンが大きすぎるのではないか、と思ったこと。分数(7/8くらい)の良いものがあれば、そのほうが体に合っているのではないか、と。また遥か昔、神奈川県立音楽堂でキーシンがショパンのpfソナタ第3番を弾いたときのことが脳裏に蘇った-テクニックではない何かがもう少しあると良い、と。プロコでは難しいのか、あるいはこちらがそこを聴き取りきれないのか?
後半はチャイコの交響曲第4番。ひどく大雑把に言ってしまえば、24日のコピーのような演奏-最初のテンポは通常よりゆっくりで、最後は極限まで速く弾く、という意味で。29日は交響曲第6番を弾くらしい。これは最後「じゃじゃじゃじゃん」とは終われないので、どういう風に創ってくるのか興味がある(が、ドミンゴ初日なので聴けない、残念)。
帰り掛け、24日に声を掛けられなかったので、クラリネット奏者に「素晴らしい演奏をありがとうございます」と声を掛けた。最初訝しげだったが「24日のチャイコフスキーの5番が特に素晴らしかった」と言ったら、思うところがあったのか、嬉しそうに微笑んでいた。