ピュイ&キュイの徒然

ポーセリン・ペインティングや美術館・お寺巡り・バードウォッチングのことなどの覚書です

犬塚勉展 -純粋なる静寂 京都展

2012-01-07 13:34:33 | 美術館・博物館
京都タカシマヤで開催中の「犬塚勉展 -純粋なる静寂」を見てきました



犬塚勉(1949-88年)は、東京の多摩で育ち、美術教師として働きながら、
山の風景を描き続けた画家です。
自然を愛した犬塚は、何度も山へ足を運び、精緻な筆遣いで自然そのものを
描こうとしました。
1988年、制作のため登った谷川岳で遭難し、38歳で夭逝しました。

この画家の存在は全く知りませんでしたが2009年、NHK日曜美術館で
紹介され、いつかは、本物を見てみたい!!と思っていたのです。
やっと、念願かなって、今年初めて京都に出かけました。

面相筆を使った精緻な筆使い。
驚くほどのスーパーリアリズム。
絵を描き始めた頃はどんな画風だったのか・・・?

初期の作品は幻想的で多色使い、シャガールのような絵もありました
病気を境に身近な自然をテーマに描くようになったのですね
自然、といっても美しい花や景色を描くのではなく、切り株、木の幹、
石ころの道、草むらなど、彼でなければ描けない対象です

“水が描けない、もういちど水を見てくる”と言って、
谷川岳に向かう姿に写生への執念を感じます
(そこで遭難して帰らぬ人となります)
未完の絶筆となった絵も展示してありました。

せせらぎの里美術館で作品を見ることができるそうです。





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