少林寺拳法 橋本西支部道場通信
発行日 2008年5月26日(月) 発行・文責 長坂 徳久
①感心したこと
高学年A、Bチーム。
前日の稽古終了後。いつものとおりミーティングをはじめた。ミーティングは最初に「形」を教えてあるので、いつも子どもたちだけで自主的にやっている。
明日は、紀北大会。そのため、いつも以上にしっかりミーティングをしていた。(稽古前のミーティングは舞台上で、稽古後のミーティングは、体育館のフロアーで行っている。)
まずBチームのミーティングが終わった。普段はそれで帰宅する。しかし、なんとBチームがそこから稽古をはじめた。長坂は何も指示していない。自主的にはじめたのだ。すると、Aチームもミーティングが終了後稽古をはじめた。自分たちで、今日の反省点と明日へつなげる確認を行ったようだ。立派になったものだ。その意識の高さと人としての成長に、指導者として手ごたえを感じた。
(さらに裏話) 大会数日前。Aチーム拳士たちから「大会が終わったら、Aチームで打ち上げで食事会をするので、先生も来てください。」と。しかし、長坂は言った。「いまの先生は、Aチームだけの先生ではないから、いけない。Bもあれば、C、Dもある。低学年もある。君たちがファイナリスト(全国大会出場)になって、橋本西支部で唯一のチームとなった場合、そのときは、打ち上げにも参加することができる。だから、今回はまだ行けない。」と。
②一番うれしかったこと。
「部活のほうにいくことはかまわない。でも、一つだけ間違っているやろ?」
紀北大会前の木曜日に二人の中学女子にそう言った。
部活の関係で紀北大会に出られなくなったのだ。保護者の方からそのメールをもらったが「自分の口で直接言いにくるように。」と指示した。
そのときの話。
「順番が違うんよ。まず最初に少林寺拳法のほうに出ると言っていたのだから、どうしても部活のほうにでるようになったとしても、まず、少林寺拳法のほうに「出られなくなりました。部活のほうに行かせてください。」と連絡、許可を得てから、部活のほうに話をする。これが「筋」なんよ。それが今回は逆にやったやろ?」
ただし、「学校の都合や時間の都合もあっただろうから、仕方なかったかもしれないが・・こういうことも知っておきなさい。」とつけたし、フォローはしておいた。
叱ったのではなく、こういうときは、このようにするのだということを教えたのだ。
さて紀北大会当日の日曜日。
「まんまや」で打ち上げをしているときその二人が現れた。部活の試合で京都へ行っていたはずだ。いま帰ってきたところらしい。正直「なにをしに来たのかな?」と長坂は思った。
すると、二人は長坂の前に来て次のように言った。
「先生、今日は大会に出られずにすみませんでした。」
そのことを直接、自分たちの口で長坂に言いに来たのだ。そして、翌週からテスト発表があり、稽古を休むということも直接伝えていった。
すごくうれしいことだった。紀北大会の結果以上にうれしかった。
なにがうれしいか? 二人がそのような気持ちになったこと? いや、違う。それは、二人が行動に表せたことだ。
思っていても、行動に表さないと人の気持ちは伝わらない。行動が伴っているかどうか、人間の真価はそこで問われる。
二人が確実に成長してきたこと(人として)を感じて、ものすごくうれしくなった。
長坂は目の前のコーラを一気に飲み干した。炭酸のきつさが妙に心地よく感じた。