少林寺拳法 橋本西支部 道場通信
発行日 2004年10月18日(月) 発行・文責 長坂 徳久
【やらされる努力は無意味!】
(少年部法話より)
『イチローは練習が好きでしょうか? 嫌いでしょうか?』
好きだという子どもたちがほとんど。理由を数人に聞きました。
『イチローは、あるときのニュースステーションという番組で、久米宏という人から次のように聞かれました。「イチローさん、練習好きでしょう?」イチローは答えました。「嫌いです。練習が好きな人って、あんまりいないですよ。」』
子どもたちは困惑顔・・・・・
『でも、イチローは、今でもものすごく練習をしています。これはチームメートもみんないいます。また、イチローは、小学校3年~6年まで、お父さんと一緒に毎日練習をしました。3時半~夕方まで行います。そのあと、夜にはイチローは、小学校3年生から中学3年生まで毎日バッティングセンターにお父さんと通いました。1年365日のうちで何日ぐらい通ったと思いますか?』
「363日。」(友也君正解。)
『なぜ、あとの二日は休んだのでしょう?』
「お店が休みだった」(亮君が正解。)
『正解です。正確には、お正月休みだったのです。イチローは1ゲーム25球を7、8ゲーム打ちました。多いときは10ゲームです。つまり、200球以上です。お金も一ヶ月四万円~五万円かかりました。イチロー専用の速い球が出るマシーンもお店が特別に作ってくれました。それでもイチローには物足りず、バッターボックスの2、3メートル前に出て打っていたそうです。また、高校の頃は、野球部に入り寮に入っていました。1年生や2年生は3年生のお世話をしなくてはいけなかったそうです。午後9時から11時までが唯一の自由時間になるので、他の人たちは、その時間に先輩の洗濯や自分の洗濯などをしていたそうです。しかし、イチローは違いました。その時間にも一人で素振りをしたり、ランニングをしていたそうです。そして、みんなが寝ている間に洗濯するため午前3時に起きていたそうです。3時から5時まで洗濯して、5時からはみんなの朝食の準備をしていたのです。でも、イチローには、それが苦痛ではなかったそうです。「練習できない」という苦痛に比べたらまったく苦にはならなかったと・・・・・。』
『イチローは、練習が好きでしょうか? 嫌いでしょうか?』
少し意見などを聞いていく。
『先生は思います。イチローは、「やらされる練習は嫌いだ」ということなのですね。でも、自分から進んでする練習は大好きなのです。本当の努力とは、自分から進んでするものです。やせされていやいやする努力は、本当の努力とはいえません。君たちはどうですか? 自分から進んで少林寺拳法に来ている人? いやだけどお家の人に行きなさいといわれてきている人?』
数人だけが「行けといわれてきている」と答えました。
『では、最後に、次の言葉をノートに書きなさい。書いた人から次の稽古の用意をしなさい。』
◎やらされてする努力は無意味。
◎やる気のある努力は天才をつくる。