どの指導がいいか。
それは、その拳士による。
全中女子単独演武で4位に入賞したかほちゃん。去年までは2年連続予選敗退だった。
誰がみても、気合と動きが合っていないのがわかる。声というよりも、「心・気・力」が一致していない感じ。
今年、長坂は、それが「丹田」の意識にあると考えた。
そして、その意識を持たせるために、いくつかの方法を試みた。
一番うまくいったのが、錫杖を使った稽古だった。
彼女は、それで一気にブレイクした。
本人いわく、「突きや蹴りが遠くまで伸びる感覚がある」といった。
どの稽古方法がいいかを見極めるのは指導者の大切な役目。
それは、一人一人違う。道場全体の指導をするときは、一人一人違うメニューは組めないが、それでも個々に応じた指導は大切。それを可能にするのは個別評定だろう。
秋に高校大会に挑戦するKくん。これも先日の稽古から一気に変わった。
ポイントは、岸田先生のブロクで学んだ「カンペルライン」だった。
彼は、動くときに目線がぶれる。顔もぶれる。
そこにポイントを置いて指導しただけで、一気に変わった。
冗談で、
「K、やっと橋本西らしい動きになってきたな(笑)」
と。
おそるべし、カンペルライン。
自分が選択する指導方法があたるのは指導者としてはうれしい。