ドリーム 2(セカンド)

長坂徳久が語る夢教育(ときどき日常)

ブリッジの考察

2015年01月23日 02時36分21秒 | 教育・指導法
橋本西では昔からブリッジを重視してきた。


一つは、少林寺拳法に役立つかどうかよりも、子供のうちにやっておくことがその子のためになると考えるから。


二つ目に、それはブリッジには「運動の基礎感覚」がたくさん入っているから。


(ブリッジに必要とされる基礎感覚→立ったところから体を反らせてブリッジする形。橋本西では立位ブリッジと呼ぶ)


・高さ感覚

・逆さ感覚

・後倒感覚

・腕支持感覚

・柔軟性

・そして、これらをトータルに使う協応感覚


橋本西の小学生38人中、立位ブリッジができないのは4名。


考えられる原因の一番目は、


後倒感覚がない


後ろには目がないので、誰もがこわい。
マット運動でも前転よりも後転ができない子供が多いのは「見えない」から。


次に、後倒感覚と同じく、逆さ感覚がない(弱い)


最後に腕支持感覚



できない原因様々だが、共通しているのは、(全員ではないが)発達障害、または、学校で手がかかると言われる子にブリッジができない子が多い。

エビデンスはわからない。

しかし、そのような子供たちは、「体幹」が弱いと言われている。
それは、低緊張であるからだ。
だから、良い姿勢を保持することが難しく、すぐにがさがさしたり、または、ぐにゃぐにゃしているように見える。


逆に言えば、体幹を強くしていくことで、発達障害が改善されたり、少なくとも健常児となんらかわらないと思われるぐらいに成長した拳士が橋本西にはたくさんいる。


そして、ブリッジも体幹を鍛えるには最適な運動である。



さて、今日あるこを指導していて分析してみた。

A児→立位ブリッジができない。


カエル倒立は20秒できる→ということは、腕支持感覚は満たしている。


頭倒立(三点壁倒立)は余裕でできる→ということは「逆さ感覚」は満たしている。


二重跳びはできる→ということは協応感覚もあると言える。


また割りはできる→柔軟性はある。


普通の腹筋は苦手、演武中構えていても動く、座禅中もじっと座れない→体幹が弱いと言える


マット運動は前回り、側方倒立回転(大車輪とほぼ同)はできる(と言ってよいレベル)。しかし、後転はできない。
→ということは、後倒感覚がないと言える。


結論→彼が立位ブリッジができないのは、後倒感覚がないため。後ろに倒れていく感覚がこわいのだ。
さらに、体幹が弱い、及び、低緊張(同じ力を出し続けられない。)


対策→後倒感覚を養うために、補助をしつつ、繰り返し、繰り返し、指導者があきらめずに根気よくやること。
体幹は逆にこの立位ブリッジの練習を通じて養えると考える。



同じようにできない子供が、いても、原因は一人一人違う。

ただし、共通点もある場合が多い。


よって、何かできない子供が、いた場合は、


1 できなくてもよい(いまは)と認めてやる


2 必ずできるようにしてやると指導者が自分に誓う


3 できるまで指導者があきらめない


4 できない子供たちの共通点に学ぶ


5 その子供特有のできない原因を探る


6 繰り返し、繰り返し、粘りづよく指導する。


ブリッジ一つからでも、このようなアセスメントが可能であり、かつ、必要である。