ドリーム 2(セカンド)

長坂徳久が語る夢教育(ときどき日常)

A to Z 2

2014年09月12日 01時36分37秒 | 教育・指導法







少林寺拳法 橋本西道院・橋本西スポーツ少年団 道場通信


ドリーム №780


発行日 2014年8月31日(日) 文責・発行 長坂徳久


※月曜日⇒子どもたちへ。木曜日⇒保護者へ。土曜日⇒一般へ。日曜日⇒指導者へ。


【指導研究会「A to Z」 2 】


「A to Z」は、1998年に発足した「橋本西指導研究会」の名称です。
 
今の橋本西の指導者は長坂と土橋だけですが、中高生も指導の手伝いをしてくれますし、機会があるごとに子どもたちとも接する機会が多く

あります。そこで、「A to Z 橋本西指導研究会」を一般部稽古の中で、月一程度で取り入れていくことにしました。



(776号からの続き)

夏帆の模擬指導の中で次の場面があった。

「こっちから半分の人は自分たちで天地拳第一系を練習していてください。」

そう言って、残りの半分を個別指導しようとした。これは40点ぐらい。

ただし、高校生が行う指導としてはだいぶいい方だ。

それは、半分に「自分たちで練習しておくように」と指示したからだ。

足らない部分は「どれぐらいやるのか」「終わったら何をするのか」を指示しておくこと。


この場合、一番ダメなのは、全体に何も指示をせずに個別指導をしてしまうこと。

そうなれば、個別指導を受けていない子どもたちは必ず遊び始める。

これは指導者が悪い。一般なら大人しく待っている場面でも子どもたちは「待てない」。

3秒の空白を空けるとダメなのである。

このあとで長坂が「個別指導」の原則を示した。それは、



全体に大きな課題を与えたのちに、個別指導をするということ。



理由は二つある。

1つは、先述したように、子どもたちに空白の時間を与えないためである。

何をしていいのかわからないという状態は、「何をしてもよい!」という状態を作り出してしまう。

結果、最悪の場合騒乱状態となる。

たとえまずい指示であっても、「指示をしていない」よりはよっぽどいい。

もう1つは、個別指導されている子が目立たないようにするためである。

全員を公平に指導していく個別指導ならこの配慮は必要ないが、できていない子を個別指導する場合は、この配慮が必要だ。

たとえば、学校の教室。算数の時間。

つきっきりで教師に教えられている子がいるとしよう。

周囲の子たちは、きっと思うだろう。

「あの子、勉強が出来ないんだなぁ。」と。

それはまさに、周囲へ「この子は勉強のできない馬鹿な子ですよ。」と言っているような行為だ。

教育とはそんなことをしてはいけない。

だから、個別指導はさりげなく行うのだ。


たとえば、このようにする。



全員天地拳第1系を20回稽古しなさい。できたら股割をやっておきなさい。



全体への大きな課題を与えおいてから、個別指導をしたい子の指導を行う。

ただし、一人の拳士に長くの時間をかけすぎてはいけない。それは先に述べた理由だ。

親切のつもりが、ありがた迷惑になる。

だから、順に個別指導していく中で、さりげなく出来ていない子にうまくアプローチする。

学校の勉強ではわかるまでゆっくり教えてあげる場面も必要かもしれないが、体育系の少林寺拳法では、根気よく、繰り返し、繰り返し、指

導してゆけば、どの子でもそのうちに必ずできるようになるものだ。

そして、まず指導者が「そう思わなくてはいけない。」

「個別指導」と「個別評定」は違う。機会があれば個別評定について書く。


(次回へ続く)

教育格言
「決まりきった質問をして、決まった子だけが答えるという授業とは違って、一見あたりまえに見えることを否定し<優等生>の答えの底の浅さを見せつけるところから出発するこうした授業を、子ども達は喜んだ。」
(向山洋一著・「教師修業十年」より


コメント

2014年09月12日 01時21分00秒 | 教育・指導法
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くだらないことをコメントしてくる輩もいるからです。

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加茂先生へ

以前に個人メールさせていただいた通りです。

しばらくこれで様子を見ます。

いつもコメントくださっていたのに申し訳ありません。