少林寺拳法 橋本西道院・橋本西スポーツ少年団 道場通信
ドリーム №776
発行日 2014年8月24日(日) 文責・発行 長坂徳久
※月曜日⇒子どもたちへ。木曜日⇒保護者へ。土曜日⇒一般へ。日曜日⇒指導者へ。
【指導研究会「A to Z」】
「A to Z」は、1998年に発足した「橋本西指導研究会」の名称です。
今の橋本西の指導者は長坂と土橋だけですが、中高生も指導の手伝いをしてくれますし、
機会があるごとに子どもたちとも接する機会も多くあります。そこで、「指導研究会」
を一般部稽古の中で、月一程度で取り入れていくことにしました。昨日がその1回目でした。書いてみます。
長坂『子どもたちや後輩を教えていて、難しいなぁと思うことやこんなことに困っている、
ということを近くの人と話しあいなさい。指導をしていない人は、部活で後輩に教え
るときや他人に何かを教えるときのことを考えなさい。』
長坂『出た意見を板書しなさい。』
次の点があげられた。
・言葉が難しい(小さい子にもわかるような言葉を使うことなど)
・説明がうまくできない。
・まとめられない。(子どもたちをまとめるという意)
まず長坂が次のように説明した。
『指導、特に子どもたちの指導には次の二つが必要です。
・指導技術
・統率力
指導技術とは、技を教える方法を知っているかどうかです。指導する技術。
たとえば、受身なら、どのような教え方をすれば受身を教えることができるか、
どうすればうまく教えることができるか、などです。
しかし、子どもたちに教える場合は、「統率力」が必要です。
低学年のやんちゃ坊主でも1人だけを教えるなら、そんなに難しいことはありません。
しかし、人数が多くなると、なかなか言うことを聞かなくなります。
それを「統率」する力がないと指導はうまくいきません。
子どもたちの指導がうまくできないという人たちは、この「統率」ができないのです。
決して恐怖で統率するのではありません。』
「説明」というキーワードが出たので、次のことも教えた。
『説明で教えようとしてはいけない。説明は短いほどいい、極端にいえば説明がなくても出来
るようになっていくのが一番いい。』
※この意味がわかるようになるにはまだ少し時間がかかるかもしれない。
言葉で教えるのではなく、作業(行動)をさせて、ほめるを繰り返していく。
そして、評価、評定をしていく。そのことで出来るようになっていく。
次に、裕司(20歳)、夏帆(18歳)に「天地拳第一系」を使って模擬指導をさせた。
他の拳士たちは「小学校3年生」という設定の子ども役。
時間は3分間。
二人とも模擬指導は初めての経験なので緊張し、戸惑っていた。
たった3分間がとっても長く感じられたことだろう。
指導が終わった後、子ども役の拳士たちに評定をさせる。
『今の指導を5点満点で評定しなさい。ただし、3点はなしです。』
(これで、まあまあというのがなくなる。よかったか、わるかったかになる。)
拳士たちの採点は甘く5点や4点という。先輩への気兼ねもあるのだろう。
長坂の評定は、裕司は1点。夏帆は2点だ。ただし、野夏帆は初めてにしてはセンスがある。
長坂の日頃の指導をよく見ているという感じだ。
二人の一番の課題は次のこと。
裕司⇒指導中に空白の時間が生じることが多い。子どもは2秒の空白でざわつきはじめ、
4秒で騒がしくなる。よって、3秒以上の空白を生じさせてはいけない。
(思考させている等の場合は空白ではない。)
夏帆⇒声が通っていない。まず声を通す。これが指導する者が大切にしなくてはいけない技術である。
声で統率する。怒鳴るのではない、大声を出すのでもない。声を通すのだ。
(来週の日曜日へ続く。)