習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ザ・スピリット』

2009-06-18 20:29:32 | 映画
 劇場には観客が5人だ。公開からまだ9日目。ブルク7での上映は1日に3回。しかも夜の回はレイトショーしかない。しかたないから9時40分なんていう回で見ることとなる。『シン・シティー』のフランク・ミラー監督が初めて単独で監督した作品だ。これはぜひ見ておきたい。

 『バットマン』の新シリーズ第2弾『ダークナイト』があれだけ評判になった後、この企画で彼があれを超える作品を目指したのは当然のことだろう。だが、単純な追随にはなるまい。このジャンルの第一人者である(たぶん)彼にだって意地がある。僕はアメコミには全然興味ないが、彼が提示するただのヒーローものではない独自の世界観が楽しみだったのだ。僕はあの歪な映画『シン・シティー』が大好きだ。あんな世界をまた見せてくれるのなら、ぜひ見たい。そう思ったから劇場に来たのだから。

 巻頭、いきなりである。黒いマスクをつけた不死身の男が、オクトパスと名乗る同じく不死身の男と戦う。不死身同士なので、絶対に死なない。それって緊張感ないし。でも、その延々続く戦いには笑える。映画は序盤からかなり飛ばしてくれるのだ。だが、その後がいけない。全然話ないし。この映画は一体なんだったのだろうか。

 正直言って、つまらないのである。ここまで話に魅力がない映画をどうして作るのか。不思議だ。単純な話でもいい。もともとこういうヒーローものに複雑なお話はいらない。だが、それにしてもこれは酷い。ばかばかしい話を気取ってみせるのは悪くない。だが、それにも限界ってものがある。たらたら続く主人公の気取ったモノローグもだんだん鼻に付いてくる。なぜ、こんなことになったのか、釈明して欲しい。

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