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映画・演劇のレビュー

『ドラゴンボールZ 神と神』

2013-04-04 22:40:34 | 映画
 入場者プレゼントでドラゴンボールをもらった。7つとも貰えたら凄いのだが、ひとつだけだ。でも、そのほうがいい。願いがそう簡単に叶ったりしたら、つまらない。

 17年ぶりの『ドラゴンボールZ』のアニメ版。あの忘れるしかないアメリカ映画の実写版のことは、置いといて、今回の映画に期待したのは、最初の興奮だ。天下一武道会で続々と現れる敵たちと楽しそうに戦う悟空。あの素朴さを僕たちは忘れない。

 今回の映画化は、お話がちゃんとそんな初心に帰っているのがうれしい。悟空が破壊の神・ビルスと出会い、とても楽しそうにする。最初の戦いで完璧にやられて、それが恐怖となるのではなく、おもしれぇ、と思うところが悟空なのだ。あの感覚が、ドラゴンボールの面白さ。

 そして、破壊神・ビルスも、ただの悪役ではない。(だって神だし。)彼は、ただ、強い奴と戦いたいだけなのだ。(それって、どこが神なんだか。ただのわがままじゃないか!) そこも、悟空と同じだ。そんなシンプルさがこの映画の魅力だ。

 しかも、それを延々と続くバトルで見せるのではなく、対決のシーンは短いのもいい。でも、最後のバトルなんて、とても迫力がある。3D映画ではないけど、3D以上に奥行きがあるし、激しい。見ていて興奮する。大人から子供まで、誰が見ても面白い映画になっているのがいい。鳥山明にも参加してもらったから、ドラゴンボールの本来の魅力が損なわれることなく、ちゃんとそこによみがえったのだろう。強いやつと戦うのはおもしろい、という単純なコンセプト。これは悟空の姿勢がちゃんと貫かれた正しいドラゴンボール映画になっているのだ。





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