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映画・演劇のレビュー

『THE DAYS』

2023-06-15 12:34:35 | 映画

全8話。前半の4本は西浦正記、後半の4話は中田秀夫が監督した。企画・脚本・プロデュースは増本 淳。役所広司主演。

1話約1時間、合計8時間に及ぶ大作。3.11から1週間の福島第1原発を描く。とても丁寧にあの日からの7日間をドキュメントする。東日本大震災の映画ではなく、福島原発限定のドラマだ。

4話まで見て感想を書くつもりだったが、6話まで見てしまった。後半は中田秀夫監督にバトンタッチかと思ったら、6話はまた西浦監督だったから驚いた。5話で中田監督になり彼らしい不穏な感じがいいな、と思ったけど、6話になっても前半のタッチが変わらないまま続くから、不思議に思っていたから納得した。

5話になってようやく3日目に突入する。テンポのあまりの遅さに、大丈夫かと心配するくらい。もちろん後半より前半部分は尺が必要だとわかっているけど、この先どうなるのだろうか。

冒頭、すぐに地震が発生する。原発内での対応が描かれる。そして津波が襲う。事実を丹念に描く。パニック映画ではなく、事実の再現だ。出来る限りのリアルを追求して淡々と見せる。あの時何があってどんな対応をしたのか。再現して検証する。ドラマチックに描くわけではなく、抑えたタッチで静かにありのままを見せる事に終始する。だがそこには異様なまでもの緊張感がある。役所広司の所長を中心にして、この未曾有の事態に直面して彼らが何をしたかを丁寧に見せる。

ベントを開ける作業、給水作業、1号機の爆発から3号機の爆発まで。一連の流れを彼ら目線で見る。

総理大臣(小日向文世)は終始怒鳴りまくっている。彼の焦燥はわかるが、なんとかしなくてはならない責任感が空回りしていく。政府の対応、東電本店側もサイドから描きながら、あくまでも現場のドラマから目を離さない姿勢を貫いていく。

さて、ラスト2話である。明日はこの壮大なドラマの着地点を見守りたい。


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