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小説としてはちょっと甘すぎて、出来はよくない。でも、僕は三浦しをんのこういう軽さは好きなのだ、と思った。『風が強く吹いている』の時もそうだった。あのオンボロ寮の人たちって、今回の主人公たちとよく似ている。あの小説は箱根駅伝に出場するチームの話としてはちょっとリアルとは言い難い。でも、あんな人たちはいると思うし、あんな奴らが全力を出して箱根に挑戦するという「お話」としてのおもしろさがあそこにはある。箱根を甘く見るな、とお叱りの御仁もいるようだが、甘く見ているのではなく、ひとつのファンタジーとしてのリアルをあの小説は求めているのだ。
そういう意味では、この作品も基本姿勢は同じだ。ここには、こんなんあかんやろ、というような話もある。リアルではない。だいたい覗きを日常にしているサラリーマンなんて、ありえない。しかも、それを知っていて許してしまう女子大生とか。昔の彼が帰ってきて、今の彼と3人で川の字になって寝る、とか。なのに、彼らの関係性は決して嘘くさくはない。これもまた、ファンタジーとしてのリアルが、きちんと踏まえられてあるからである。話自体は、ちょっと、と思うけど、彼らの来道には嘘はない。そこが大事なのである。7人の主人公たちによる7話のエピソードが絡み合い小暮荘を中心にしたひとつのメルヘンを形作る。ただ、それを楽しめばいい。
そういう意味では、この作品も基本姿勢は同じだ。ここには、こんなんあかんやろ、というような話もある。リアルではない。だいたい覗きを日常にしているサラリーマンなんて、ありえない。しかも、それを知っていて許してしまう女子大生とか。昔の彼が帰ってきて、今の彼と3人で川の字になって寝る、とか。なのに、彼らの関係性は決して嘘くさくはない。これもまた、ファンタジーとしてのリアルが、きちんと踏まえられてあるからである。話自体は、ちょっと、と思うけど、彼らの来道には嘘はない。そこが大事なのである。7人の主人公たちによる7話のエピソードが絡み合い小暮荘を中心にしたひとつのメルヘンを形作る。ただ、それを楽しめばいい。