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映画・演劇のレビュー

『ミッション・インポッシブル デッドレコニング  PART ONE』

2023-07-23 07:42:00 | 映画

監督・脚本は『ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション』以降の全シリーズを手がけているクリストファー・マッカリーが今回も担当。彼はトム・クルーズから全服の信頼を得ている。さらにはこれはシリーズ初の2部作。もちろん主演はトム・クルーズである。安易な2部作ではないことは確実だ。なんと2時間43分の大作である。アクション映画でこの尺は普通じゃない。

もちろん映画自体も普通じゃない作品だ。前作『トップガン マーヴェリック』で常識外れの続編を作り上げたトムだから、今回もとんでもない映画になるとは思ったけど、想像の斜め上を行く仕上がりだ。ただ凄いのではなく、非常識な映画になっている。

前半部分はなんだかごちゃごちゃしていて乗り切れない。大丈夫か、と不安になるくらいだ。僕は前夜あまり寝てないから、少しうつらうつらする。これはやばいな、と思う。この映画は失敗したか、とも。いや、僕のコンディションが悪いから、ちゃんと見れないのか、それが不安。人間関係もごちゃごちゃしていてなんだか錯綜しているし、こんなタイプの映画なのに、何が何だかよくわからないし。

だが、アクションが凄まじく、だんだんといろんなことがどうでもよくなってくる。あり得ないようなカーチェイスは『ワイルドスピード』の新作を見ているから、もういいよ、と思っていたが、これはあの映画とは少し違う。CG丸出しの映画ではなく、リアル。トム・クルーズは体を張っている。ローマからベネツィアを経て、クライマックスのオリエント急行へ。加速していくド派手なアクションに圧倒される。列車の上でのアクションはバカバカしくてあり得ないけど、見入ってしまう。『インディジョーンズ』の新作のほのぼのしたタッチとはまるで違う。嘘なのにホンモノ。

過剰なアクションなのに、それが映画ならではの興奮に繋がっていくのだ。なんなんだろう、これは。

しかもこれはちゃんとした1本の映画として完結している。最近わけのわからない2部作が多いけど、それらとは一線を画す。いや、まるで違うのだ。この違いは何なのだろうか。トムは映画を作っている。映画で商売している『東京リベンジャーズ2』とは違うから、ね。

トムはアクション映画を極める挑戦に挑んでいる。お話は単純だけど、それだけで2時間43分を走り抜けるのは異常だ。ほかの誰もが出来ないようなことを彼はする。限界に挑む。来年公開のPART2も楽しみだ。安易な2部作ではないホンモノの2部作を見せてくれる。


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