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映画・演劇のレビュー

『仮面ライダー3号』

2015-03-23 21:25:35 | 映画
今年の「スーパーヒーロー大戦 GP」は、なんと『仮面ライダー3号』という驚き企画。昨年の『平成ライダー対昭和ライダー 』も驚いた(特に藤岡弘を担ぎ出してきたこと)けど、今回はそれ以上だ。もちろん、映画は本格的なものではなく、子供向けでしかないけど、アイデアの面白さは群を抜いている。『仮面ライダー』がアメリカ映画の『スパイダーマン』のように大人向けの大作映画として作られたなら、と今まで何度も思ったけど、もう今は思わない。こういう企画の中でも、十分楽しませてくれるからだ。

1973年に始まる。1号と2号がショッカーを倒して平和がやってくる。しかし、それは正しくない。その時、ショッカーは最強の仮面ライダー3号を完成させていたのだ。そして、3号は1,2号を倒して、世界はショッカーが統治する。映画はそこから始まる。なんだか、ワクワクするではないか。

本編が始まると『仮面ライダー ドライブ』の世界で展開するのは仕方ない。そういう枠組みの中で作るというのがこの企画のお約束だ。その中で、出来る限りの冒険をする。ショッカーと戦うレジスタンス戦士が仮面ライダー・ブラックだ。さらには、3号が登場し、彼はショッカーと戦うための基地ライダータウン(だったっけ)を目指す。だが、そこは・・・(もう、すぐにわかりますね)

次から次へと、てんこ盛り。いろんなアイデアをストレートに織り込んで、思いつきだけで話を進めていく。こういういいかげんもこの企画でなら許される。お約束に縛られている安易な企画なのは、もちろん、「なんだかなぁ、」なのだが、そこはそこ、仕方ない。

毎回毎回のことだが、オールライダー総出演は、もうそれすらお約束になっていて新鮮味はゼロだが、ロードムービー・スタイルは悪くない。書きかえられた歴史、というのも、もう何度もしていることだからそれほどの新鮮味はない。ただ、仮面ライダー3号というアイデアとそのオリジナルを踏襲したデザインがいい。仮面ライダー・ブラックを大々的にフィーチャーしたのも、いい。出来るなら、『仮面ライダー』の原点に返って欲しいのだが、それは不可能だろう。

だから、こういう悪あがきをする。何だか痛々しい。でも、嫌いじゃない。この映画の作り手たちは『仮面ライダー』の世界観が大好きなのだ。だから、この枠内でやれるだけのことをしている。いいじゃないか。だが、さすがに終盤でニンニンジャーとか(そんな感じ 「戦隊もの」の新作のようだ)が、登場するのは、それもお約束とはいえ、それは確かにあんまりだ、とは思うけど。

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