三池崇史監督の最新作。デビューからずっと彼の作品は見ている。過激な描写だけではなく、そこには思いもしない驚きが隠されている。だから好きだった。でも、多作ゆえそこにはとんでもない作品も多い。今も相変わらず量産しているけど、最近はシリーズ物や、なんだかセルフリメイクのような作品ばかりで、新機軸はない。さすがに飽きてきた。
今回もシリーズの第3作で完結編ということだ。生田斗真主演、宮藤官九郎脚本、三池監督というトリオによる新作。ヒットシリーズとはいえ、前作からは5年も間は空いている。今更、またあれをやるのか、といささか食傷気味だ。過激さやバカバカしさをどれだけエスカレートさせても、そこに残るのはマンネリしかない。では、それをどうして突き抜けるのか、少し期待した。きっと彼ならなんらかの新機軸を用意しているのだろう、きっと勝算はあるのだろう、と。で、どうすることでそれは可能か、気になるではないか。
だけど、ここにあるのは相変わらずのバカ騒ぎで、それをどんどんエスカレートさせていただけ。それだけなのだ。これだけのエネルギーを注ぎ込んでのバカ騒ぎである。あっぱれ、と言えないこともないけど、やはりこれではがっかりだ。今回も生田斗真が体を張った(裸一貫で勝負だ!)熱演を展開して、共演の豪華キャスト陣も彼に負けないようにバカに徹する。あの人もこの人もここまでやってしまうのか、と思うような熱演で、もう何をやっても怖くないというレベルなのだ。おふざけではない。真剣勝負の大バカ。しかもたわいない。くだらない、と一笑されてもおかしくないレベルのことに精魂傾けるとんでもなさ。そこまでやるか、と思うけど、さすがに見ていてつらい。醒めてしまう。残念だった。