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映画・演劇のレビュー

劇団いちびり一家『ゴロニャーゴ』

2019-10-17 20:21:19 | 演劇
安部公房の『密会』がこんなにもかわいいファンタジーになってしまった。阪上さんの手にかかると、すべてがいちびり一家の世界に染まってしまう。それってなんだか素敵なことだ。テキストをおろそかにしたわけではない。入り口は同じだけど、出口が違うのだ。 『密会』の描く怖さを手掛かりにして、病院という迷宮へと迷い込んでしまった妻と夫の魂の旅を描く。救急車でここに運び込まれたはずなのに、妻がいない。いくら探して . . . 本文を読む
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超人予備校『ラクダイス』

2019-10-17 19:50:23 | 演劇
ブラック企業の新入社員ふたり。彼女たちは、そこで何を見るのか。よく働く女性たちと全く無能な男性社員たち。この図式がまず、おもしろい。バリバリ働く女たちは疲れている。ストレスが溜まって、イライラしたり、無気力になったり。そんなこんなで、彼女たちがラクダになって砂漠をサバイバルするお話が始まる。 今回ミツルギさんは「仕事と生きていくこと」をテーマにした。そんなスケールの大きなお話なのだけど、いつも通 . . . 本文を読む
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エイチエムピーシアターカンパニー『忠臣蔵・破 エートス/死』

2019-10-17 19:12:33 | 演劇
昨年の『序 ビッグバン/抜刀』に続く2作目だ。今回は討ち入りまでを描く3部作の第2章。2時間20分の大作である。だが、ここで描かれるのは吉良対大石の戦いではない。主君の仇討、血沸き肉躍る活劇でもない。なんとテーマはお金と政治。忠臣蔵という美談をこういう視点から切り取るのか、という驚きがある。そして、そこでは派手は立ち回りなんていらない、会話劇でスリリングな舞台が立ち上がる。だから、討ち入りのシーン . . . 本文を読む
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キノG-7『今は昔、栄養映画館』『眠レ、巴里』

2019-10-17 18:22:39 | 演劇
中編作品の2本立て。竹内銃一郎が自らの代表作をセレクトして放つ贅沢なプログラム。しかも『今は昔、栄養映画館』は自らが主演した。松本修との2人芝居だ。ファン垂涎の一作だろう。チラシにあるが「あと3年、あと5本」を旗印にして、これから竹内氏の最後の戦いが始まる。 これに先駆け2017年から18年にかけてリーディングによる公演「竹内銃一郎集成」が連続上演されたが、そこからは竹内さんが自らの演劇人生の幕 . . . 本文を読む
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