とてもよくできている。このバカバカしい設定を、安直に見せるのではなく、とことん徹底してやり尽くしているから、素直に楽しめる。あきれることなく、青春のキラキラを、これでもか、これでもか、とやりすぎるまで、やる。そんなふうにして、ちゃんとみせつけてくれるのが潔い。(この人たちは確信犯なのだ!)だから、見ていて腹が立たない。現実ではこんなこと、ありえない、と誰もが知っているし、突っ込みど . . . 本文を読む
これはかなり不思議な作品になった。3人芝居だけど、1人芝居のような感触。1人の人間を3人が演じるわけではない。だが、ここにいるのは、ひとりでそれが2人になり、再び1人になり、いなくなる。この場所が現実なのに現実ではないような。そしてこの悪夢のような現実の中で、死んでいく。
幻想的な空間で(舞台美術が凄い。衣装で作った空間なのだ)極限状態のサバイバルが展開する。食べ . . . 本文を読む
最近見て、ここには書いていない10本の映画
『美女と野獣』
公開から2ヶ月近く経つのに、まだ大ヒット中のディズニー映画をようやく見た。オリジナルのアニメ映画はあまり好きではない。数年前にはフランス映画でも見た。(これは、なかなか、よかった)そんなこんなで、今回、満を持してのディズニーによる実写映画化だ。2時間10分の大作になった。さすがディズニーだ。夢のある楽しい映画になった。 . . . 本文を読む
7人が7人とも、とてもいい。(僕が見たのはAチーム。Bチームとは3人のキャストが違う)この作品は台本がまず素晴らしいのだけど、それを生かすためには、役者のアンサンブルが命だ。この会話劇の成否はそこで決まる。Iakuのオリジナル版は絶妙のキャスティングだったが、劇団大阪も見事だった。個々の役者の力量が遺憾なく発揮され緊密な空版を作り上げた。演出の小原延之さんは彼らの関係性を上手く絡ま . . . 本文を読む
今日見た2本はどちらも老人問題を扱っていて、これらを続けて見たのはハードだった。自分も認知症気味の母を抱えて、彼女の現在と寄り添っているから、これは他人事ではない。
前者は喜劇というパッケージングで、ソフトに高齢化社会の諸問題を扱う。老齢に達した山田洋次が自分たちの問題として取り扱う。かなりきついことを描く。笑わせるのんきな映画のように見せながら、見ていられないく . . . 本文を読む