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映画・演劇のレビュー

あみゅーず・とらいあんぐる『文月の宵に』

2013-07-20 07:24:54 | 演劇
 あみゅーずが今年もリーディング・スタイルの新作を上演してくれた。昨年20周年記念として初めてこの試みをしたが、とても素晴らしいものだった。今までのリーディングの常識を覆す傑作で、リーディングというスタイルはただ単なる輪読でも、芝居の模擬演習でもないことを証明した。これは一種の独立した演劇のスタイルなのだ。とは言え、条あけみさんは特別なことは何もしていない。いつもと変わりない。違いはテキストを持つ . . . 本文を読む
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『アンコール!!』

2013-07-20 06:47:41 | 映画
 こういう映画が盛んに作られるような時代がやってきた。新藤兼人監督が『午後の遺言状』を作った頃は、こんな時代が来るとは思いもしなかった。高齢化社会が進行し、映画産業も変わった。ターゲットは老人である。彼らが求めるような映画が盛んに作られる。だが、安直な映画が量産されるわけではない。ここで描かれる問題は切実だ。でも、それをちゃんと笑いと涙に包み込んできちんと見せてくれる。高齢者を楽しませるための映画 . . . 本文を読む
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『華麗なるギャツビー』

2013-07-20 06:46:57 | 映画
 なんて悲しい映画だろうか。もうお金なんかいらないし、愛もいらないや、と思った。ギャツビーが可哀そう過ぎて、トビーと一緒に泣いた。えげつないこともしているのだろうけど、彼は彼女に対してあんなにもピュアで、すべてを彼女のために尽くして、彼女を手にするために必死になってここまで生きたのだ。それなのに、あれはないよ、この世の中には神も仏もない。  まぁ、半分冗談だが、そんな感想を抱かせてくれるくらいに . . . 本文を読む
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『恋に至る病』

2013-07-20 06:46:06 | 映画
 現代版『転校生』ではないか。でも、ちょっと生々しいか。高校生と先生という、少し大人の話であるだけではなく、セックスが描かれるのもその理由だが。主人公のキャラクターが、異常で、あんなへんな女普通じゃない。彼女があこがれるシャイな先生も、あれはシャイなんていう可愛いものではない。ただの変人だ。うまく人と接することができない。対人恐怖症気味な男で、あれじゃぁ先生なんて仕事はできない。でも、彼女はそんな . . . 本文を読む
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『ハハハ』

2013-07-20 06:44:58 | 映画
『ハハハ』である。なんとも安直。このタイトルはどうなのか、と思った。まぁ、原題がこうなっているのかもしれないが、不思議なタイトルだ。映画自体はいつものホン・サンスなのだが、今回はいつもにもまして、笑える。(だから、ハハハか? というか、別に笑えるものを作っているわけではないけど。)  男2人が飲み屋でしゃべっている現在の時間はモノクロのスチール写真で見せて、話の中で描かれるこの二人が語るそれぞれ . . . 本文を読む
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百田尚樹『海賊とよばれた男』上

2013-07-20 06:43:01 | その他
今まで避けてきたわけではない。でも、なんか本屋大賞を取っちゃったから、今頃読むのが、気恥ずかしい。しかも、それってなんだか時流に迎合しているみたいだし。だいたい百田尚樹自体、食わず嫌いで読んでなかったからよけいだ。毎回作品によってタッチを変えるカメレオン作家なんていう噂にもひるんだし。  僕は不器用だから、何をしてもいつも同じだ。僕が好きになる作家もいつも同じ作品ばかり書くし。そんなこんなで、 . . . 本文を読む
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