あんな話こんな話

会津生まれの会津育ち…三匹の猫と柴ワンコや家族に囲まれ、家庭菜園に勤しみ都会には住めそうにないローカルな私の日常。

地裁が泣いた(もし生まれ変われるものであれば…)

2006-07-22 22:09:07 | 介護
認知症の母殺害、被告に執行猶予つき判決 京都地裁 (朝日新聞) - goo ニュース


今日は夫と娘の誕生日の話を書こうと思ったが
テレビで、認知症の母親を殺した男性の判決が下ったニュースを見て
同じく介護をする身で胸が痛くなるほどの事に、この話の事を書こうと思った。

認知症の母を一人で介護をしていた、54歳の男性だが
どうしてこんな事態になるまでに追い詰められてしまったのだろうかと
臍をかむ思いでニュースに見入ってしまった。

もちろん、母親を手にかけてしまった男性が一番悪いのかもしれないが
そこまで追い詰められる前に、何とか出来なかったのだろうか?

働きながら認知症の母を看る事は並大抵ではないと思う。

仕事に支障を来たすことが多くなり
勤めを辞めて、失業保険で生活していたが
どうしても行き詰まり、生活保護の申請をするが断わられること三度。

お金がなくて、男性は二日に一回の食事で我慢して
母親には一日二回の食事を絶やす事はなく
そうやって急場を凌いでいたそうだ。

話によれば、生活に困らない手立ては幾つかあったようで
それを、相談を受けた市職員がもう少し詳しく
一歩踏み込んで話をしてくれたなら…そう思うのは私だけではないはず!

いつもそうなのだ。

我が家でも、ばぁちゃんが寝たきりになり、同じくしてじいちゃんの認知症発症。
徘徊、行方不明と…、この時も二人一緒は看る事が出来ないので
老人ホームにお願いしようとして、役所を訪ねた事があった。

ちょうど、介護保険制度が始まる年で
老人ホームの入居の件は、役所ではなく各施設に申し込むようになるという事で
それも介護保険が始まらないと、どんな風になるか皆目検討もつかないので
もう少し待ってみたらどうかと言われた。

だが実際は、早くから施設に申し込みが殺到していて
介護保険制度が始まってから申し込みをした我が家は
二年待ち三年待ちの状態で、老人保健施設で二年ほど過ごしたが
入居の順番が来ましたと連絡が入ったのは、亡くなってから半年以上も過ぎてからの事だった。

せめて、こういう施設があるので話してみたらどうかと
そんなふうに一歩踏み込んだ情報を提供してくれたらと思わずにはいられなかった。

介護保険制度が始まって、何度も見直され
年々良くなって来るはずの介護保険制度。
それなのに何故! こういう悲しい事件が後を絶たないのだろうか!

テレビで流す再現のフィルムに、思わず胸が詰まって
どうして一生懸命に介護している者が
こんなに辛い事件を起こさなければならないのだろうと
介護保険制度を司る役所は、こういう底の部分の人たちの事は知っているのだろうか?

確かに介護される人をなくそう!そういう考えは正しいと思う。
だけど、すでに介護を受けなければないらない人たちの事はどうなのだろう?
それを介護している家族はどうなのだろうか?
一人きりで介護している人や老々介護を余儀なくされている人
底辺の人たちの事を忘れてはいやしないだろうか…。

今日もテレビで舛添 要一さんが話していた。
舛添 要一さん自身も介護を7年ほどされていて
「介護は プロに任せ、家族は愛情を注ぐ」と謳っている。
だけど、プロに任せるにはお金がかかるのだ…。

だけど…それでも、今一人で介護を頑張っている人がいたら
一人だけで頑張らないでほしい、ケアマネージャーさんや民生委員さんなど
たくさんの人から、情報をもらったり愚痴を聞いてもらったり
いろんな関わりを持って欲しいと思う。


男性の判決としては懲役2年6ヶ月執行猶予3年付き。

もう一度、生まれ変われるものであれば、また母の子でいたいと…。
介護は疲れるけど、決して嫌ではなかったと…。

朝と夕、母を思いだし、自分をあやめず、母のためにも幸せに生きてください
と、裁判官の言葉だったが、この男性に幸せは来るのだろうか?
眩しい朝日を、安らかな気持ちで眺める事が出来る日は来るのだろうか?



久々に夜明けの風景をUP






コメント (26)
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