ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2015J1リーグ第2節FC東京vs横浜F・マリノス@味スタ20150314

2015-03-15 12:55:50 | サッカー

毎週仕事で名古屋に行っているのですけど、火曜日に吹雪いてました。さすがに珍しいこととか。寒暖の差が激しく、おまけに先週の雨天試合の影響で風邪をぶり返してしまいました。みなさまもお気をつけください。

とは言え、春はもうすぐ。開花予想が出まして東京は3月31日だそうです。ひと足お先に、小桜と河津桜が咲いています。

行く冬を惜しみ来る春を想う小金井公園の梅は、今が盛です。

わがFC東京2015は、今日がホーム開幕でございます。きょうこさんから、2014シーズン皆勤賞をいただきましたヽ(´▽`)/。ありがとうございます!

ホーム開幕に迎えますは、海外資本が入ってJクラブの未来像を先取りしてるマリノスです。個人的には、Jがアジアに出ようとすると不可避なことだとは思いますけど、ノスタルジックな村意識も捨てがたく。もともと超ドメスティックな出自のクラブである東京では想像もできないことですけど十分に有り得ることで、これからマリノスがどう舵取りしていき、サポーターがどう受け入れるのか、とても興味深いです。

今年の開幕戦のゲストは、大原櫻子さんです。瞳♪

民放地上波というウルトラライトな層に向けてファン獲得のチャンスであった開幕戦は、両チームが意図したわけではないでしょうけど、メディア価値の薄いスコアレスドローに終わりました。

東京は前節と同じスタートスコッドです。シフトは4-3-1-2。GKは権田。CBは今日は普段通りの並びで、右にカニーニ左にモリゲ。SBは徳永と宏介。3CHは右から羽生、梶山、ヨネ。トップ下は河野。2トップはよっちと遼一。

マリノスは今週のはじめにサンパウロからアデミウソンが新加入し、今日がJリーグデビューです。シフトは前節と変わらず4-2-3-1。GKは哲也。CBは栗原とボンバー。SBは右に祐三左に下平。ボランチは今日はファビオと中町。メイヤは今日は右に淳吾左に兵藤。トップ下にアデミウソン。1トップは学。

結果から見ますととスコアレスドロー、しかも東京はシュート2本で、とてもパッシブなサッカーをしたように思えますけど、けしてそうではありません。今年の東京はむしろアグレッシブなサッカーでシーズンインしたと思います。その現れは、WHです。昨年も小平の練習試合では見られたんですけど、WHが非常にアグレッシブに動きます。アンカーを軸にして、扇が左右に二枚あるイメージで、バイタルエリアを攻守にスウィープします。今年はそれに加え、ポジションがとても流動的です。とくにヨネは、ポジションレスかと思えるくらいです。昨年はWHを左右の位置に基本的には固定していて、相手の布陣によってヨネと羽生のポジションを入れ替えていました。今年はヨネが自由です。羽生とポジションチェンジするというよりは、羽生は基本的に右固定で、ヨネと羽生が同サイドで頻繁に被ります。おそらくサイドでの数的優位を作ろうという意図だと思います。

ただこれには危うさも内在します。たぶんヨネにしかできないスタイルだと思います。言い換えるとヨネのキャラクターを最大限に活かすプランでしょう。もしこのプランをゲームメイクの基本とするならば、ヨネ依存が進みそうな気がします。ヨネは一年通じてプレーできる信頼性をまだ持っていませんから、ヨネにとってもチームにとってもチャレンジです。もう一つは、ヨネが開けた左サイドを当然狙われるであろうことです。自分は、ヨネが羽生サイドに流れる合理的な判断基準をまだ見つけられてはいないのですけど、ボールサイドに寄せているのは間違いないです。数的優位によるネガティブトランジションの予防が前提だろうとは思いますけど、もしもボールを奪われサイドチェンジされると、宏介が丸裸です。

そこで重要になるのが梶山のリスクマネジメントです。今日の梶山は前節より可動域を狭めていた印象です。ヨネを動かす分、梶山がバイタルエリアのフォローに務めていたのでしょう。

WHの積極的な攻撃参加でバイタルエリアに人数をかけられます。ただ、そこからアタッキングサードへの繋ぎが、今日は封じられていました。今日のビルドアップのパターンは基本的に前節と同じです。右は河野を基点にした人数をかけた組み立てで、羽生、ヨネ、徳永がアタッキングサードに仕掛けます。左は宏介の単独アタックです。ヨネ、よっちが基点になって宏介と祐三のマッチアップを作ります。

ゲームのスタートプランは、宏介からのアタックでした。宏介はこれもやはり前節と同じくアーリークロスをゴール前に送ります。これに合わせるのは遼一です。遼一がボンバーをひっぱり栗原との間にギャップを作ります。やや遅れながら、このギャップによっちが飛び込みます。遼一に合わせるというよりは、よっちにこぼれ球を狙わせる形だと思います。嘉人の得意技をイメージするといいかもしれません。

ただこれも、宏介にプレーバリエーションがあればもっと有効だったと思います。やはり今の宏介のコンディションでは、祐三に1on1を仕掛けることができないようです。これではそもそも堅固で経験豊富なマリノスの最終ラインに読まれてしまいます。左のアタックは3本ほど出すと沈黙してしまいます。

右も有効に機能しません。今日は河野が狙われていた印象です。河野がバイタルエリアで基点を担います。アイデアを着想できる時間と視野を持てたときは、河野からアタッキングサードに効果的な縦パスが入ります。今日は、兵藤と中町が河野をタイトに抑えました。河野から効果的なパスが出ないため、アタッキングサードに入れません。パスコースを塞がれた河野はドリブルで状況の打開を図りますけど、バイタルエリアの守備網をかいくぐるまでには至りません。左右のアタックを封じられ、中盤でボールを持てる割にはトップふたりに有効なパスを出せず、結果的にシュート2本に終わってしまいました。

問題の明快さという意味では、マリノスのほうが打ち手が容易かもしれません。マリノスの攻撃はシンプルです。マリノスは序盤、アデミウソンにパスを集めました。アデミウソンのオリジナルポジションとスタイルを知らないのですけど、もしかするとゲームメイカーなのかもしれません。戦前はゴレアドール的な紹介をされていたのですけど、実際にプレーを観るとゴレアドールの雰囲気は感じませんでした。アデミウソンのプレー志向はとてもシンプルです。バイタルエリアで基点になり、ワンタッチでアタッキングサードにパスを出す。基本はこれです。アデミウソンのストロングポイントは、どんな体勢でも、受けたパスを有効なスルーパスに変換できることです。まずアデミウソンは懐が深くボールの置き方が巧みです。さらに空中でのボディバランスの保ち方が上手く、上背はそれほど高くないのにボールを自分の体に引き寄せます。このプレーを、力強くではなく流れのなかでスマートにこなしていて、これぞブラジルの選手という印象です。アデミウソンはお尻がとてもしっかりしてて大きく見えます。ボールキープも空中姿勢も、お尻を軸にするイメージでプレーしているのでしょう。1試合見ただけでは計れませんけど、少なくともゲームメイクでは威力を発揮しそうです。

ただ、さすがに合流したばかりで、まだ周囲がアデミウソンのプレーの選択とタイミングを把握できていないんだと思います。アデミウソンにパスが収まりますけど、そこから先の展開でスタックします。まず、アデミウソンのパスの受け手である学が、アデミウソンの出すタイミングで必要な場所にいません。加えて、WGの使い方も整理できていないようです。兵藤と淳吾は、アデミウソンにパスが収まるならばもっと前線に飛び出し、二人目三人目のアタッカーとなるべきですけど、とくに淳吾は右サイドで所在無げでした。

30分を経過する頃、マリノスが微調整します。中町とファビオを縦配列にします。中町を攻撃に絡ませ、中盤の基点を増やします。でもこれは、アデミウソンのパスの受け手がいないという問題に対し、有効な打ち手にはなりませんでした。前半はスコアレスのまま終了。

後半に入り、エリクさんがさらにアジャストします。アデミウソンをトップに張らせ、シフトを4-4-2に変更します。淳吾と兵藤の可動域が広がり、インサイドに顔を出せるようになります。ボランチの縦関係は継続して、バイタルエリアには3つの基点ができるようになります。とくに淳吾と中町が後方からのパスを受けられるようになります。兵藤はより前方で、第三の動きを仕掛けられるようになります。アデミウソンは消え加減になりますけど、ゴールから逆算すると、むしろこのほうが有効だと思いました。

ただそれも長続きはしません。ディフェンシブサードでの東京の守備、とくにカニーニとモリゲが頑強で、マリノスの攻撃陣に有効なシュートすら打たせません。さらに淳吾と中町に対し、3CHがタイトにケアして、有効な縦パスを出させないうえ、時間を止めます。アデミウソンが、あまりシュートアテンプトを積極的に試みなかったことも要因のひとつだと思います。アデミウソン自身が周囲とのフィッティングを心がけているのかもしれません。その意味では、まだ隠している牙がありそうな気がします。

今日のマリノスは、中盤の基点を消されるとそれ以上のオプションを持っていないように思えました。なので、権田が兵藤の連続シュートを神セーブしてからは、東京は実質マリノスの攻撃を沈黙させることに成功しました。そこで、ミステルが動きます。河野に代えて慶悟を同じトップ下に入れます。これが機能します。慶悟は中盤の組み立てには加わらず、アタッキングサードで2トップに絡むことをイメージしていたのだと思います。積極的にゴールに向かいます。慶悟は下がり目だとパスミスやボールロストが目立ちますけど、ペナルティエリアでのリスクテイクでは強みを発揮するような気がします。

さらにミステルが動きます。前節の打撲の影響がある羽生に代えて秀人を投入します。同時にシフトを4-4-2に変えます。慶悟を左メイヤに下げ、ヨネを右に持ってきます。このアジャストはむしろ東京に傾いていた流れを自ら放棄する改悪になります。前線で慶悟が攻撃に絡むことでよっちと遼一がゴールに向かう動きができるようになっていました。その基点となっていた慶悟を前線から消したことで、攻撃がスタックします。

直後にエリクさんも動きます。中町に代えて三門を投入します。ボランチを横配列に戻します。エリクさんの意図は、中盤のリスクヘッジだと思いますけど、直前の東京のシフト変更を考えたら、むしろアタッカーを入れるべきだったと思います。

ミステルがふたたび流れをたぐり寄せるアジャストをします。まずシフトをそのままに配置を変えます。ダブルボランチを梶山とヨネにし、秀人を左メイヤに出します。慶悟を右に持っていきます。これはおそらく過程でしょう。次にシフトを4-3-3に変更します。流れのなかでの偶然ですけど、自分が見たかったシフトと布陣が初めて姿を現しました。3CHは右からヨネ、梶山、秀人。3トップは右から慶悟、遼一、よっち。中盤では、梶山と秀人を両立させます。ミステルのイメージするWHは、可動域が広く、バイタルエリアで基点になれ、かつシュートを打てる選手だと思います。その基準で考えると秀人は枠外なのですけど、本来の秀人の特質は一般的にイメージされているスタイルよりももっとアグレッシブで、WHに向いていると思います。自身を使う側ではなく使われる側の選手としてイメージすることができるならば、秀人はもっと伸びると思います。秀人の守備力と戦術眼とセットプレーでの得点力を考えたら、秀人をベンチに置く理由がわかりません。

このアジャストは、今日に限っては機能したとは言い切れません。結果的にシュートすらできませんでしたから。でも、チームとしての可能性という意味では、チャレンジすべきやり方だと思います。前線も3トップがいいのかトップ下を置くべきなのかは、相手によって変えてもいいし、タレントが豊富ですからコンディションによって組み合わせを変えてみてもいいと思います。とくに3トップにするのであれば、右WGは競争の場として使ってみても面白いと思います。

エリクさんはアデミウソンを予想以上にひっぱりました。終盤に来てようやく翔に代えます。マリノスは、俊輔が戻ることを想定したほうがいいと思いますけど、まずはアデミウソンを軸にチームを作っていく方向性が見えてきたと思います。アデミウソンをトップ下に置くなら、サイドはウイングタイプのほうがいいと思います。トップにアデミウソンとコンビネーションを作れる選手が出てくると、もしかするとマルキーニョスがいた頃の強さを取り戻すかもしれません。

最終盤、ミステルは宏介に代えてまるを投入します。これは正直疑問でした。シフトを変えてリズムをつかみ、マリノスを押し込めていた時間帯での守備の交代は残念でした。勝ち点1の確保を優先したと思っていいと思います。もし最初から宏介の交代が視野にあったのだとしたら、今日の宏介の攻撃での効果を考えると、スタートからまるのほうが良かったんじゃないかと思います。少なくともミッドウィークは、宏介を休ませてまるにチャレンジさせてみて欲しいと思います。

試合はこのまま、スコアレスドローで終了。東京0-0マリノス。

民放地上派で中継された試合でのスコアレスは、非常に残念です。このメディアのユーザはウルトラライトだと思います。サッカーの内容よりも、もっと言うと東京だろうがマリノスだろうが関係なく、いっぱいゴールが入ることを期待していると思います。しかも、今話題のよっちのゴール。「へー武藤ってやっぱすげーじゃん」と思わせることに価値がありますし、メディアもそのように番組を作るでしょう。自分は大嫌いなメディアですけど、今こそそれに乗っかるべき絶好の時です。極論すると、今日は負けても良くて、ガチのインファイトを見せるべき試合だったと思います。負けてもよっちがゴールしたら、おそらくメディアは東京を官軍扱いしてくれるでしょう。その意味では、ちょっと残念でした。

とは言え、開幕からの不敗は続きます。今年のテーマは、よっちを隠すことだと思います。よっちに点を取らせるために、逆算するとよっちにパスを出す手前のプレーが大切です。もちろんよっちのドリブルでの独力突破は魅力的だし、ストロングポイントではあるのですけど、それを有効にするためにも、基本はよっちを隠したほうが良いと思います。前節はよっちを左に隠すことができるようになって2ゴールが生まれました。今日は、よっちを隠せたのは序盤の宏介のアーリークロスと慶悟が入った直後だけです。よっちを上手に隠す攻撃のプランとそのバリエーションが、当面の東京の課題だと思います。

ミッドウィークからナビスコカップが始まり、いよいよ地獄の連戦スケジュールのスタートです。開幕からの緊張感で疲労がで始める時期だと思いますけど、コンディションを整えて臨んで欲しいと思います。


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