ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2015ヤマザキナビスコカップ予選リーグ第1節FC東京vsアルビレックス新潟@味スタ20150318

2015-03-19 17:13:44 | サッカー

もうすぐ春ですね。今週は春を一気に飛び越えて、にわかに初夏の陽気です。

今日からミッドウィーク開催が始まります。今年は2ステージ制の影響でスケジュールがタイトで、ミッドウィークが多めです。職場から味スタは近くないのでギリギリです。

ヤマザキナビスコカップの初戦の相手は、雪国新潟。先週もまだ大雪があって、練習環境が必ずしも良くないなかでのシーズンインです。

本日のYou'll Never Walk Alone♪

ターンオーバーで臨んだカップ戦初戦は、ナオの2013年11月30日以来1年4ヶ月ぶりゴールに感動です。フル出場は、2012年11月17日以来。ナオ復活に勇気付けられ、逆転で今年初勝利です。

東京はターンオーバーです。カップ戦仕様というよりも、いまはチームのベースとなるシフトと布陣を模索している段階なので、テスト的な意図が強いかもしれません。シフトは4-3-3。GKは権田。CBは今日のモリゲの相棒はカズ。SBは徳永と今日はまるが左に入ります。今日の3CHは右からたま、秀人、慶悟。WGは右にナオ左によっち。1トップは容平です。

新潟もターンオーバーです。新潟のシーズンインも必ずしも順調ではなく1敗1分。直前の試合はスコアレスでしたから、こちらも模索中でしょう。シフトはおなじみスクエアな4-4-2。GKは守田。CBは大井と大野。SBは今日は右に川口左に前野。ボランチは今日のレオ・シルバの相棒は成岡。メイヤは今日は右に加藤左に康裕。今日の2トップは指宿と亮平です。

試合はいきなり動きます。東京はシフトと布陣が変わり、試合の入りはバランスを整えられませんでした。トレーニングでフィッティングしてても、いざ実戦となるとやはり勝手が違うようです。新潟はその間隙をつきます。

前半2分。センターライン右寄りで成岡の戻しを受けたレオ・シルバが、右前方の加藤にパス。加藤はよっちの外、ライン際を上がってくる川口の前方にヒールで流します。まるは加藤に寄せていて裏を取られました。パスに追いついた川口は大きくトラップしてスピードアップ。アタッキングサードに入ります。この時ゴール前は、ニアの指宿をカズ、ファアの亮平を徳永が見ています。ニアにモリゲがいますけど、指宿がスライドしたため守備に加われません。2on2。指宿と亮平はクロスオーバーします。瞬間、カズと徳永のマークの受け渡しが遅れて、亮平がカズの前に出ます。ルックアップした川口はこれを確認して、亮平に合わせる低空クロスを送ります。これは戻ったモリゲ、亮平、カズ、徳永にはいずれも届きません。ゴール前を超えたクロスは、大外から上がってきてた康裕に渡ります。康裕は左足ダイレクトで合わせました。東京0-1新潟。

今年の新潟はサイドアタックの威力を増しています。攻守の要が大エースレオ・シルバであることは変わらないのですけど、攻撃のポイントは両サイドにあるようです。まず、新潟のプリンシパルは基本的に変わりません。シンプル&クイック。これだけだと、近年のJ2で流行し昇格のマストプランになっているムービングフットボールと変わらないように思えるかもしれませんけど、けしてそうではなく、サッカーの深みを持っています。クイックは、選択肢があるなかでの判断のはやさです。ボールを持った選手は、近くにパスを出せる選手がいれば優先しますけど、いなければロングフィードを指宿につけるかサイドチェンジするかの選択をします。中盤の選手がフリーになるためのスペースメイクをしているのはもちろんのこと、前線の指宿と亮平も、自分がビルドアップの選択肢と成り得るように準備しています。新潟は、出し手のプレーチョイスに呼応して、チーム全体が1プレーごとにモードを変えることができます。昨年から感じていたことですけど、チームとしての完成度が非常に高い。

その要にいるのがレオ・シルバです。新潟は攻撃時には実質1ボランチになります。前線に選手を集めることで相手の重心を下げ、レオ・シルバをフリーにします。レオ・シルバが前を向くと長短左右自在なパスが出てきます。アタッカーは信頼してスペースメイクに専念できます。これがコレクティブな攻撃を形作るために、ポジティブなスパイラルを生む原動力となっているのでしょう。

レオ・シルバがコントロールする思考の方向は、いかにサイドを機能させるか、にあります。具体的には、いかにSBにアタッキングサードで効果的なパスを出すか、です。そのためのポイントはメイヤです。メイヤが基点となり、SBを押し上げます。メイヤを基点にする工夫は三つ。まずメイヤ自身がスペースメイクします。とくにインサイド、東京のWHの背後を狙います。この動きをフォローするため、指宿がCBを引っ張ります。最後は頻繁なポジションチェンジです。加藤は右と中央、亮平が中央と左、康裕は左右幅いっぱいが担当エリアで、連動します。とくに康裕は自由を与えられているようで、意図的に加藤もしくは亮平と被る場合があります。康裕の判断で数的優位を作る意図だと思います。そして中盤で基点を作る間にSBがオーバーラップします。

さらに、中盤の優位性では成岡の果たす役割がアクセントになります。成岡はレオ・シルバからサイドにいい形で展開されることを予感すると、積極的に前線に飛び出します。しかもダイアゴナルに走るため、守備側は捕まえ辛いと思います。裕紀が入るとレオ・シルバと二枚オーガナイザーのような形ですけど、成岡はまた違ったテイストをチームに与えることができ、とても面白いです。

新潟の攻撃の有効性は、アタッキングサードに入ってからの仕組みに依拠します。極力ペナルティエリアに3人のアタッカーが入ります。サイドからの仕掛けパターンは、深い位置からの折り返し、アーリークロス、カットインがありますけど、新潟はフィニッシャーそれぞれが出し手のパターンの選択に合わせられるよう、有効なスペースを探して動き続けます。なので、アタッキングサードでボールホルダーがルックアップすると、危険な香りが常に漂います。なによりも、それを実現できる若く魅力的なタレントが攻撃陣に揃っています。康裕、加藤、亮平は、ゴールの雰囲気を十分に持っています。先制点は、これぞ新潟という形が結実したゴールでした。

十分に時間がありますから焦る必要はありません。東京は少しずつリズムを作り始めます。まずは新潟の基点を消して守備を安定させます。たまと慶悟がタイトに康裕と加藤をマークします。これは副次的な効果があります。中盤でターンオーバーできるようになります。今日はとくに慶悟がトランジションの起点になっていました。慶悟のアグレッシブなプレーが起因になり、東京にリズムが生まれ始めます。

それでも新潟のシンプルなサイドアタックは強力で、なかなか止められません。25分くらいまで、ほぼ一方的に新潟が優勢でした。東京が盛り返し始めるきっかけは、攻撃のやり方の変更です。それまで前線でポストを担おうとしていた容平ですけど、大井にことごとく潰され思うようなプレーができていませんでした。そこで、容平に少し低めの位置でポストをさせるようになります。これがはまります。容平が基点となり、シンプルに左右にパスをさばきはじめます。これでWHとSBが積極的に上がれるようになって、東京の攻撃が一気にリズミカルになり、東京らしいハイスピードアタックができるようになりました。

試合中の微調整で、たぶんチームに好感触が生まれたと思います。ビハインドとはいえ、いいムードでターン。前半はこのまま終了。

オレオの袋が開かないドロンパ

後半に入り、東京がもう一段調整を加えます。シフトを4-3-1-2に変更します。ナオがトップ下に入ります。ナオのトップ下は、基本的に真ん中に位置し、稼動範囲は上下です。これが今日の新潟にはまります。実質レオ・シルバの1ボランチ状態ですから、バイタルエリアにスペースができます。ナオがここに居続けることで、預け先ができます。中盤の守備に加え、攻撃も安定感が出はじめます。

そして、攻守バランスをイーブンにした上で、いよいよミステルが動きます。たまに代えて羽生を投入。同時にシフトを4-4-2に変更します。秀人と羽生のダブルボランチ。メイヤは右にナオ左に慶悟です。このミステルの仕上げ調整が試合を決定付けました。

後半20分。徳永の自陣からのロンググラウンダーパスをナオが受け、アタッキングサードに入ります。フリーでボールを持ったナオはターン。対峙する前野と距離を保ちつつカットイン。寄せてきた成岡をかいくぐってゴール正面に出ます。この時ゴール前はよっち、容平、慶悟がいて大野、大井、川口がついています。加藤が戻ってナオに寄せようとしたタイミングで、ナオは成岡を抜き去り、そのまま左足を振り抜きました。スーペルゴラッソ!。東京1-1新潟。

4-4-2が機能しはじめるのは、追いついてからです。なので、同点ゴールは絶好のタイミングで生まれました。その意味でもナオはチームを救いました。4-4-2にして、よく言われることですけどサイドの守備力が上がります。二枚でサイドをカバーしますから、少なくともサイドのマッチアップはイーブンになります。さらに羽生が新潟の起点に対して積極的にアプローチします。これで守備が安定します。以降、新潟のサイドアタックは沈黙します。

新潟の課題は、ポスト亜土夢です。けして亜土夢に依存していたわけではありませんけど、新潟では少ないドリブラーでしたから、攻撃のアクセントになっていました。今日のスコッドでは康裕が重要な役割を担いました。康裕は亜土夢とは違うアプローチで、ポジショニングによってアクセントを作ろうとします。現時点では、このアプローチはサイドのスペースを消されると打開策が無いようです。このあたりが新潟の伸び代だと思います。

サイドアタックを封じられたヤンツーさんは、パワーで状況を打開しようとします。指宿に代えてラファエル・シルバを投入します。指宿はサイズを活かしたポストが昨年より安定していました。惜しいシュートもありました。新潟のアタッカンチは競争が激しいですから、成長のチャンスも多いのかもしれませんね。ラファエル・シルバはタイトな状況でのパワフルなドリブルが魅力ですけど、残念ながらモリゲと全消しカズの許容範囲でした。

前半とはうって変わって、東京が完全にオーガナイズする展開は、流れ通りのシナリオで進みます。そして逆転ゴールが生まれます。

後半33分。ペナルティエリア内でポストを受けたときに大井に倒された容平が得たPKを、モリゲに促された容平が自ら決めました。東京2-1新潟。

ヤンツーさんが動きます。加藤に代えて小泉を投入します。小泉をボランチに据え、成岡を一枚上げます。小泉はレオ・シルバと横並びになります。中盤を安定させるとともに、バイタルエリアにボールを持てる成岡を置き、基点を作ろうとしたのでしょう。残念ながらこれも機能するには至りません。

終盤、容平が足を痛めて下ります。代わりに遼一が入ります。容平は細かい動き直しでポストを受け、ダイナミックな攻撃展開の基点になることを得意とする選手です。今日は、序盤はパワー系のプレーでしたけど、時間を追うごとに本来の動きを見せられるようになりました。遼一と争うに足る働きだったと思います。楽しみです。

終了直前にヤンツーさんが動きます。成岡に代えて平松を投入します。成岡のコンディションを考慮した選択だと思います。

このまま試合終了。東京2-1新潟。

眠らない街♪

ナオのチャントをバックにゴール裏に向かう選手達

躍動感あふれるナオが戻ってきました。競り合いでも勝負を挑めるようになっていて、キャンプから好調だったようですけどそれを裏付けるに余りある大活躍です。ナオが復活すると、世代を超えた芯のある競争が生まれるような気がします。それにも増して、ナオがゴールするとサポーターも躍動します。これができるのは今年の編成ではナオと相太だけ。チームにとって頼もしい男の復活は、今年が素晴らしいシーズンとなる、プロローグの予感がします。おかえりなさいナオ!。

ナオだけじゃなく、秀人も慶悟もまるも容平も躍動していました。少したまだけ、やっぱりプレーエリアはもっと前のような気がしますけど、ポジティブな競争が生まれそうで楽しみです。

3試合めでようやくシーズンが真にスタートしました。土曜日からのリーグ戦に良い循環を生んでくれそうな気がします。


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