ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2015J1リーグ第4節FC東京vsヴァンフォーレ甲府@味スタ20150404

2015-04-05 13:23:24 | サッカー

花の色は移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに。

小金井公園に今年も桜まつりが戻ってきました。今年は桜がちゃんと残っていて、安心しました。

味スタ周辺の旧関東村の桜並木も、まだ綺麗です。

周囲が桜色に染まった味スタは、内側は青赤に染まります。本日は中央線ダービー青赤バージョンでございます。俺たちの中央線は渡さない(^o^)/。

今日のYou'll Never Walk Alone♪

長い闘病に勝ち、昨年プロになった畑尾が、今年はレギュラーナンバーの背番号3で甲府のレギュラーとして、稲垣とともに東京に凱旋です。

編成が大きく変わってまだ不安定な甲府に対し、東京が終始オーガナイズしってナオのゴールを守り切りました。

東京は、代表組が戻ってきましたけど、好調慶悟が足の不調で不在です。シフトはいつも通り。GKは権田。CBはモリゲのカニーニ。SBは徳永と宏介。3CHは今日は右からたま、梶山、ヨネ。トップ下は河野。2トップは今日はよっちとナオです。

甲府は大きく編成が変わりました。一番影響があるのは監督です。J2制覇と2年連続J1残留を成し遂げた城福さんから、マリノスを出た樋口さんに代わりました。戦力的な限界も含め完成しきった感のある城福甲府を、樋口さんがどう壊してリビルドするか、楽しみです。まず樋口さんがチャレンジして見せたのはシフトです。5-3-2。布陣は、GKは荻。3CBは右から畑尾、英臣、野田。WBは右に稲垣左に翔平。3CHは右から石原、新井、北斗。2トップは拓馬とアドリアーノです。

甲府の編成は、コツコツと集めてきたJ1残留に資する選手を一気に失った感があります。堅守甲府の核3CBの両サイド青山と翔が移籍。攻守の要マルキーニョス・パラナは一旦離脱しました。再契約の模様です。攻撃面でも、城福甲府独特の連動性を高めたアタックのフィニッシャーたる、ジウシーニョとクリスチアーノも移籍。不可抗力とはいえ、ちょっとドラスティックに変わり過ぎています。さらに新たな核として期待されるアドリアーノとブルーノ・ジバウはまだフィットしきれていないようです。ゆえに布陣は、コンサバティブな選択となります。てか、選択のしようがないのかなと思います。

試合はほぼ最後まで、東京がオーガナイズします。そして、今日はいきなりイニシアチブを握りにかかります。東京が一気にペースを掴みます。これには攻守双方に理由があります。サッカーの相対性がよく見えた試合になりました。

まずは東京の攻撃プランから。今日の東京の狙いは、ナオをスターターで使ったことで極めて明解です。よっちとナオという新旧スピードスターを並べたジェットストリームアタックです。その威力を成立させるためには、アタッカーが3人必要です。なので、今日は河野の使い方を工夫しました。今日の河野はバイタルエリアを浮遊せず、よっちとナオに続いて積極的に最終ラインの裏を狙います。この3人が変わるがわる裏を狙い続けるので、甲府の最終ラインは、人数を揃えていますけど意識が後ろ加重になります。さりとて甲府はラインの位置が低いわけではないので、前に出つつ後ろに意識がいくという、中途半端な守り方を強いられます。

さらに、東京の3人のアタッカーは走りかたを工夫していました。基本的にはサイドの奥に向かって縦に流れますけど、ここぞというタイミングとスペースを感じた時は、よっちは畑尾の背後、ナオは野田の背後を狙ってダイアゴナルに走ります。河野もこれに追随します。甲府は5枚並びますけど、WBがよっちとナオをフォローしきれず、てか、フォローできない位置から飛び込んでくるので、CBとの間にギャップができます。そこを執拗に東京が狙い続けます。

この攻撃はタイミングが命です。今日は、バイタルエリアを省略しました。そもそもポストプレイヤーがいないので合理的な選択です。前線が動き出すと、3CHから積極的なロングスルーが次々と出てきます。ただ、これを成し得るためには起点となるパサーをフリーにする必要がありますし、できるだけ高い位置でボールを持ったほうが精度が高まります。そこで、河野、たま、ヨネがバイタルエリアに顔を出し、甲府の中盤を引っ掻き回します。この東京の狙いが早々結実します。

15分。甲府陣からの新井の拓馬へのフィードを宏介がカット。このボールをヨネがハーフウェイ付近で拾い、ターン。ルックアップします。ヨネがボールを持った瞬間、アタッカー3人が続けていたダイアゴナルランを、この時はナオが見せます。右サイド、翔平の前方から野田の背後を狙って走り出します。これをヨネが見逃しません。ナオの走る先、ペナルティエリア真ん中を目掛けてロングスルー。ナオが野田を振り切って追い付きます。右足トラップで落としてからバウンドを合わせて左足を振り抜きました。ゴラッソ。東京1-0甲府。

ただでさえ東京がプラン通りにしかも良い時間帯で先制したので嬉しかっただけでなく、ナオがゴールすると味スタの雰囲気が変わりますから、少なくともこの試合は、今年の東京ゴール裏にあるモヤモヤが吹き飛んで一体化したのではないかと思います。やっぱりナオは俺たちの天使です。

このゴールに至った原因は、甲府の守備にもあります。甲府と言えば城福さんの3-4-3です。樋口さんと言えば、代名詞とも言える4-2-3-1。今年の甲府は、そのいずれでもない5-3-2を採用しています。それ自体は、近年のステレオタイプ化したシフトとは違う独自路線が見れて、個人的には嬉しいです。でも、残念ながら今の甲府はまだまだ整理できているとは言いがたい出来です。

5バックにしているのは城福甲府時代も実質同じですのでそれほど影響はないと思います。守備面での影響は、先にも言いましたけど3CBの布陣が大きく変わってしまったこと。甲府を甲府たらしめる英臣が残っているのは、まだ今後のフィットに向けた可能性を感じさせるので心強くはありますけど、ナオのゴールの結果に見るまでもなく、素人目にも3人の距離感と役割分担が十分に整理されていないように見えます。畑尾はパワー系のタレントを見せ、よっちと対峙しても自由に前を向かせませんでした。むしろ野田のプレー選択をアジャストすべきかなと思います。野田は比較的前に出てきます。サイズが無いので構えるより相手の体勢が整う前に勝負したいのでしょう。結果的にはこれを東京に狙われました。

それでも3CBについては、長年チームとして積み重ねた経験がありますからいずれフィットすると思います。問題は3CHです。少なくとも今日を見た限りでは、甲府の3CHは動きがバラバラです。北斗と石原は頻繁に前に出ます。攻撃で2トップをフォローするのは北斗と石原しかいませんから、致し方ないとは思いますけど、二人とも前に出ているシーンが頻繁に見られました。もちろん新井が丸裸になります。ですから、東京は新井を引き出せはバイタルエリアを自由に使えるわけです。というよりも、甲府が新井をターゲットにされるような状況を自ら作ってしまった、厳しいけどいわば自滅でしょう。

攻撃も中途半端です。攻撃の方法はこのシフトだと二つしか選択肢がありません。ロングボールを裏に送るか、バイタルエリアで預けて独力突破をするか。アドリアーノと拓馬は互いに連動するわけでもなく、それぞれがどちらかを選択していました。どちらかというと拓馬が裏に抜けようとし、アドリアーノが基点を選択する回数が多かったような気がします。可能性としては、少なくともアタッキングサードに入れるという意味で、裏へのロングフィードのほうがまだ高かったと思います。それでも東京の守備網の敵にはまったく成りえません。

このシフトのままでコレクティブな攻撃を成功させるには、とりもなおさずポストプレイヤーのキープ力が不可欠でしょう。さらに攻撃をシュートで終えるためには、WHとWBのフォローランが有効になる程度には距離感を縮められるようにならないといけないと思います。

先制されてから、甲府が攻撃を少しアジャストします。アドリアーノと拓馬をサイドに流し始めます。おそらくプレッシャーの少ないサイドで基点を作って、WHとWBの攻撃参加を促そうという意図だと思います。

東京はさっそく対処します。イニシアチブをあえて甲府に渡し、守備網を維持するディフェンシブモードに変わります。WHがSBと連携してサイドをケアします。これで甲府に攻めさせつつフィニッシュには持ってこさせないことに成功します。

前半終了直前に、業を煮やした樋口さんが動きます。下田に代えて盛田を投入します。同時にシフトを5-2-1-2に変更します。トップ下には拓馬が入ります。後半頭から変えても良かったと思いますけど、前半を少しでもポジティブなイメージで終えたかったのでしょう。

今日の樋口さんを見ていると、どこに対してかはわかりませんけど、怒ってるボディアクションが多かったような気がします。もともと割とアグレッシブなかたですけど、思うようにいかないのかな。前半はこのまま終了。

ドロンパのバニシングスプレーパフォーマンス

後半も前半と流れは変わらず始まります。ところが開始早々、東京にアクシデントが起こります。前半のコンタクトで腰と首を痛めたよっちがピッチに座り込んでしまいます。心配ですね。

代わって遼一がそのままトップに入ります。既にジェットストリートアタックのモードは終わっていたので、よっちの交代は想定外だったとしても、むしろ遼一投入は好都合だと思いました。同様に裏を狙いますけど、今度は前線に基点を作って、その脇をナオと河野が抜けるプランに移行できます。守備モードを維持するために、攻撃は人数をかけずショートカウンターを狙うという形が作れました。

モリゲがPKを外した直後、ミステルがさらに磐石な態勢を作ります。河野に代えて羽生を投入。同時にシフトを4-4-2に変更します。たまが左メイヤ。羽生が右です。これでサイドの守備陣形がいっそう整った上、攻撃を実質トップ二人で完結するというやり方の整理ができました。今年は、この辺りの、シフトや布陣変更をきっかけとしたプラン変更時のコンセンサスがとてもしっかりしてきてるなという印象を受けます。いつの間にか3CHの不安も感じなくなりましたし、ミステル東京の成長を感じます。

直後に樋口さんも動きます。新井に代えて保坂をそのままボランチに投入します。保坂は守備力は少し落ちますけど、パス精度が上がるうえ、フリーキッカーとしても期待できます。でも、流れを変える作戦にはなりませんでした。ダブルボランチにしてもやっぱり石原が前に出ようとしていて、新井が孤立する場面が目につきました。これは保坂が入っても同じです。ミスター甲府の石原ですから、これは意図してやっていたのでしょう。なので石原個人の問題ではなく、やっぱり甲府の中盤のシステムをしっかりと整理するべきだと思います。

盛田が入ってからは、盛田が積極的に動いてポストを呼び込み、基点になります。盛田に限っては投入はプラン通りだったと思います。一方問題はアドリアーノと拓馬です。アドリアーノは真ん中から動きません。盛田を動かす分、アドリアーノを軸にしようとしたのかもしれません。結果的には盛田とアドリアーノ距離感が安定しませんでしたので、盛田を基点にするならアドリアーノはシャドウ的に使うべきだったような気がします。

それにも増して気になるのは拓馬です。拓馬はトップ下に下がりましたけど、ほとんど有効な動きを見せません。真ん中に入ればまだ使い道があったかもしれませんけど、中途半端にサイドに寄っていて、さりとてボールサイドに寄せるわけでもなく、ほとんど甲府の流れ作りに寄与できてませんでした。

樋口さんがさらに動きます。アドリアーノに代えて伊東を同じくトップに投入します。アドリアーノのコンディションを考慮しつつ、それ以上に盛田と連動できる選手を前線に置きたいという意図だと思います。これも東京の堅守を脅かすには至りません。

この後、宏介の右CKをモリゲがクロスバーに当てます。PKの失敗とこのシュートのどちらかでも決めていれば、今日の勝利は完勝と言えたでしょう。今日はモリゲの日ではなかったということでしょうけど、安心して観られるためにも、次はぜひ決めて欲しいと思います。

ミステルが〆にかかります。たまに代えて秀人を投入。シフトはそのまま。ヨネが左メイヤに移ります。

先制後は甲府にあえてイニシアチブを渡しつつ、最後までミステル東京がオーガナイズし続け、安定していました。このまま試合終了。東京1-0甲府。

なおのシュワッチ

他サポの勝手な意見かもしれませんけど、甲府が心配です。去年までの甲府は、走力と献身に裏打ちされたコレクティブを武器に残留を勝ち得てきました。今年は、これまでのところ全ての試合で、走量、スプリントとも相手チームを下回っています。走ればいいというわけではないけれど、失礼かもしれませんけどJ1とJ2の狭間にいるチームの戦いかたは、他ならぬ甲府自身が確立したスタイルが今や標準になっていると思います。先週山雅を見たばかりなのでいっそうそう思います。甲府が甲府らしくいられるシフトと布陣を、少しでもはやく見つけられることを願います。とはいえ甲府は例年暑くなってきてから力を発揮するチームなので、パラナ復帰もありますし、まだまだこれからですね。

公式戦5戦無敗。今年も負けないミステル東京が戻ってきました。でも、去年と違って危うさをほとんど感じません。観ていて攻め込まれるシーンが多いので心配されるかたもいらっしゃると思いますけど、去年とは守備の連動性も最終局面の役割分担も個々の集中力も全然違って、安定しています。だから心配しなくていいと思います。むしろ、守備モードの時はロングカウンターのワクワク感が引き立ちますから、よっち、ナオ、慶悟、河野、遼一の躍動感を楽しめると思います。

次は、1stステージ序盤の最重要ポイントだと勝手に思っているアウェイ湘南戦です。前回湘南が昇格していた時は平塚で負けていますから。しかもあの時と違って湘南は好調です。てか、湘南スタイルがJ1で十分に通用しているようです。迷いの無い相手が怖いのは山雅で経験済み。安定感が出てきた東京ですから、次は絶対的な強さを身につけられるよう、頑張ってほしいと思います。


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