ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2016Jリーグ・スカパー!ニューイヤーカップFC東京vsFC琉球@国頭陸上競技場20160124

2016-01-24 17:58:14 | FC東京

年明け以降、おだやかな天候が続いていた東京ですけど、先週月曜日に大雪に見舞われ、今年も冬将軍のちからを覚えました。

シーズン始動日をおだやかなうちに迎えた、わが軍東京は、大雪の月曜日の早朝、空路沖縄に経ちました。今年のキャンプインは、沖縄でございます。

とは言え、どうやら沖縄も天候が不順なようで、雨模様が続き、寒いようです。選手個々のコンディションも心配ですし、シーズン初戦まで二週間強となったチームのコンディションが、計画通りに上げられるのか、心配です。

キャンプインから一週間で、今シーズンのファースト・テストマッチでございます。ニューイヤーカップの初戦で対するは、FC琉球です。テストマッチですので、通常の試合記録方法ではなく、ニューヒロシ東京のチェックだけにフォーカスを当ててみたいと思います。

布陣については、今日は主力をほぼ完全に抜いていたので、主旨はBグループのチェックだったと思います。その意味ではチームの強度のチェックに資さないのですけど、逆にチームとしての闘いかたを観る機会としては、ベターなのかなと思いました。

観たかぎりでもっとも特長的なのは、シフトです。今日はシフトと布陣の組み合わせを4セット用意しました。現時点でシフトは、4-1-4-1と4-4-2の2パターンを用意しているようです。スタートは、前後半とも4-1-4-1でしたので、今のところヒロシのファーストチョイスは4-1-4-1なのではないかと思います。

第一セットは、ですので4-1-4-1。布陣はGKは圍。CBは右にカズ左に秀人。SBは右に志有人左に諒也。アンカーはヒデ。IHは右に拳人左に草民。WGは右に宏太左にバーンズ。1トップはサンダサです。選手のキャラから見る選択の特長は、アンカーとIHでしょう。アンカーにパスを散らせる選手を置いています。IHはフィッカデンティさん時代と同じく犬ポジです。WGは、入る選手によって役割が変わるようです。このセットですと宏太が主に前線の基点を担っていました。

第二セットは、25分あたりに移行した4-4-2です。バーンズがトップに並びます。宏太が右メイヤ。ですので中盤が左にスライドします。このセットは、シフトをチェックしたというよりかは今日の流れを意識したものでしょう。中盤バイタルエリアの守備がルーズになっていたので、守備のバランスを重視したのだと思います。案の定というか、このセットの時は、良くない時のフィッカデンティ東京を見ているようでした。攻撃の際、ビルドアップの重心が低く、ゆえに中盤の基点と前線が間延びし、ポストが安定しません。ただ見方を変えれば、今年も守備を安定させるモードとしての4-4-2は、有効であると言えると思います。

第三セットは、後半頭からの4-1-4-1です。1トップは拓馬。意図の特長は、前線にキャラクターの区分けがはっきりした選手を並べたことです。とくにWG。右に翼左に広貴を置きます。右は純粋なドリブラーアタッカーで、左はつなぎ。つまり左で作って右で仕掛ける、やや左加重のシフトです。このセットでは少し守備の役割を工夫して、機能していました。翼を琉球の左WBにほぼマンマークで付けます。これで琉球のフィニッシュパターンを消すことに成功していました。同時に志有人が守備でのフリーマンになるので、バイタルエリアのケアに入ることができていました。後半の守備の安定は、このプラン変更も一因だと思います。

第四セットは、70分あたりに移行し、今日一番はまった形です。シフトは4-4-2。志有人とヒデのポジションを入れ替えます。拓馬とトップに並べたのは草民です。はまって要因の第一は、志有人です。志有人が中盤でアクティブな守備を見せるようになって、中盤の支配力が増します。志有人と拳人のフォアチェックで、琉球の中盤のパス基点を消し、ポゼッションを機能不全にします。

もう一つの要因は、前述のアタッキングハーフの役割分担が、4-4-2にすることでひときわ機能するようになります。とくに広貴。4-1-4-1も4-4-2も、攻撃に見るシフトの特長としては、トップ下を使わないことです。第一~第三セットの場合は、トップとIHで上下に分担しながわトップ下の機能を担っていました。今日の試合の作戦変更は、このシフト変更だけでした。しかもほぼ均等に一セット20~25分でしたので、おそらくプランだったのでしょう。で、試合の約4分の3でトップ下を使いませんでしたので、ヒロシの現時点での選択は、この形なのだと思います。

ただ結果としては、広貴がやや内に絞ってトップ下の役を担った第四セットがもっとも機能していました。まったくもって時期尚早ではありますけど、フィッカデンティ東京が初年度に4-3-3から4-3-1-2に移行していった3月から4月の流れを踏襲しそうな、そんな予感もあります。

少しだけ垣間見られたところを確認します。

守備は、フォアチェックを貴重としていて、この点はフィッカデンティ東京とまったく同じでしょう。4-1-4-1の場合はより顕著で、IHがビルドアップの基点にプレッシャーをかけに行きます。これをもって、4-3-3ではなく4-1-4-1と見ることができるでしょう。このやりかたのウィークポイントは、言わずもがなですけど、アンカーの左右、つまりバイタルエリアが弱いことです。IHのプレスが効いているうちは、シフトは違えど、ちょうど第四セットのような中盤の支配力の効果があります。でもプレスが効かない場合は、バイタルエリアを自由に使われてしまいます。この弱点は、第一セットで頻繁に見られましたね。

今日のSBは、志有人が攻撃加重で諒也がバランス重視だったようです。志有人がボランチに入るまでは。この役割分担は、少なくとも第一セットはネガティブにはたらきました。てか、琉球が左サイドアタックを基調としていたので、はまった感じです。トップが下がってバイタルエリアで基点を作られ、志有人の裏狙うWBにつけられていました。CBを含めた、中盤と最終ラインの守備バランスは、これから作っていくところだと思います。

後半の頭からまるが入って、守備が安定します。前半は、なんて言うか、守備陣形を作る基準の選手がいなかった印象です。秀人がややマンマーク気味にトップについていたので、バランスが取りにくかったのでしょう。

攻撃に関しては、現時点ではフィッカデンティさんの志向を踏襲していて、選手の個性を尊重し、その組み合わせでストロングポイントを柔軟に作っていく考え方のようです。基本的な攻撃方法は、ショートパスをワンタッチで縦にはやく繋いで、相手守備網を翻弄しながら、時間をかけずに一気にアタッキングサードを狙うかたちです。これもフィッカデンティさんと同じですね。

現時点でのベースとなる形は、第一セットに選択したサンダサを1トップに置いた4-1-4-1と見ることができると思います。前線にサイズがあってボールを持てる選手を置き、基点を作ります。そこから、サイドで宏太が二次基点を作ります。その間にSBがオーバーラップ。さらに両IHが前線に顔を出します。常時ペナルティエリアに3、4人かけるイメージです。今日はアーリークロスが多かったのですけど、組み合わせによっては、ドリブルのカットインからのシュートや、前線のコンビネーションでの崩しも見られそうな気がします。

もう一つ、作戦面の特長として見られたのは、セットプレーの守備です。フルマンマークでした。甲府時代のヒロシのセットプレーを記憶していないのと、相手の攻撃布陣によっても違うと思うのですけど、フィッカデンティさん時代にはフルマンマークは記憶がないので、ちょっと興味深いです。

今日の段階で個々の選手の善し悪しを言うのは控えたいと思います。印象に残った選手をあげると、拳人、宏太、草民、広貴です。宏太は想像以上にボールが持てますね。草民も前線での二次基点としての信頼性が相当に増している気がします。そしてやっぱりと言うか、J1レベルでの試合に無理矢理当てはめながら見ると、拳人と広貴のクオリティの高さは、強く印象づけられました。

冒頭でも言いましたけど、今日はBグループの選手のチェックの要素もあったと思います。言い換えると、今日使わなかったモリゲ、徳永、駒野、ヨネ、羽生、慶悟、遼一、秋元あたりは、コンディションの状態もあると思いますけど、主力として軸となるのだと思います。それからリオの予選を闘っている翔哉もいます。主力が骨組みだとすると、Bグループの選手こそがチームの個性を生み出す原動力になります。競争のなかから、チームとしての力強さを育てていってほしいと思います。

まだまだ初戦ですので善し悪しを言う段階にはないです。印象としては、ヒロシの改革は、急ぎ過ぎず、2015年仕様をアジャストしながら少しずつヒロシ仕様に変えていこうとしているんじゃないかと思います。まずはそのことが好ましく思えました。ACLプレーオフ初戦が楽しみです。