ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

第95回天皇杯決勝浦和レッズvsガンバ大阪@味スタ20160101

2016-01-02 10:39:22 | 加賀さん

新年あけましておめでとうございます。

東京は好天に恵まれたおだやかなお正月となりました。

帰省を一日先延ばしして、正月早々おとずれましたは、われらがホーム、東京調布は味の素スタジアム。本日は二年ぶりに元日決戦が戻ってきました、天皇杯決勝でございます。

当然のことながら、ホーム味スタでの決勝進出を期待していまして、てか当たり前だと思ってましたら、わが軍はアレレな感じになってしまい、準決勝から加賀さんを追う旅調布編になりました。

準決勝でメンバー入りして、ひさしぶりにピッチの姿を観ることができました。とても嬉しかったです。それに笑顔があふれてて、元気そうだったし。

準々決勝と準決勝には参戦できなかった、尊敬する磐田時代からのファンのかたが決勝には参戦されると聞いて、決勝もメンバー入りして欲しいなと思っていました。願いかなって、元旦から加賀さんに会うことができました。2016年はいいことがあるかな?。

CSを埼スタで観たからではないですけど、ガンバ戦はキビしい試合になると思ってました。ガンバの完成度はとても高いですから。なので、準決勝以上に出場機会は難しいと思ってました。だからまた、味スタで元気な姿を観られるだけで嬉しかったんです。

でも、前半6分にマッキーさんが痛めたときは、ちょっとドキドキしました。マッキーさんのバックアップはわたるだと思うのですけど、アップを最初に指名されたのは加賀さんでした。メインスタンドやゴール裏からは見えにくいかもしれないけど、ベンチ横の奥のほうで加賀さんがアップをはじめたときは、心拍数が一気にマックスになりました。20針を縫う大怪我を感じさせない素晴らしいその後のプレーだったマッキーさんとマッキーさんのファンのかたにはホントに申し訳ないのだけど、不謹慎だと思うのだけど、どうかお許しください。

もしかしたら、DFのオプションとしての位置は二番目になっているのかもしれませんね。マッキーさんが無事試合に戻ってから、わたるもアップをはじめました。だから実際にはどっちが入ったかわからないけど、もしかしたら、まさかの左サイドの加賀さんを観ることができたかもしれません。びっくりぽんなことです。

たったそんなことだけでいろいろ妄想しちゃうのは、ファンの性というか(^^ゞ。でもほんのちょっとだけでも良い想像ができると、嬉しくなったりします。2016年の加賀さんが楽しくサッカーができることを、切に切に、願います。

では決勝のほうに。今年四回目の対戦となる浦和とガンバ。CSで観ているので、互いの作戦は予想できます。攻める浦和を受けるガンバの構図は激闘必至。もしかするとまた延長かなと思っていました。

パトリックがスーペルでした。ガンバ大阪が第95回天皇杯を征しました。

浦和は陽介がベスト4で足を痛めて不在です。シフトは3-4-2-1。GKは周作。3CBは右からモリ、那須、槙野。ボランチは今日の勇樹の相棒はカピ。WBは今日は右に梅崎が入り、左は宇賀神。今日の2シャドウは右に忠成左にムトゥ。今日の1トップは慎三です。

ガンバはベストメンバーです。GKは東口。CBは丹羽とキム・ジョンヤ。SBは右に米倉左に藤春。ボランチはヤットと今野。WGは右に浩之左に宇佐美。トップ下は秋。1トップはパトリックです。

ガンバはベスト8から順当に勝ち上がっています。リーグ戦終盤からCSと不調だった宇佐美が復活して、二試合で4ゴール。エース宇佐美の調子如何で、ガンバはカウンターの威力がぜんぜん違いますから、CSの内容は参考にならないかなと思っていました。

一方浦和はエクスキューズがあります。ミシャのサッカーの要である陽介を欠くことが、最大のエクスキューズ。それから、三日前に120分間の激闘を闘っていることで、ガンバとのコンディションの差も重要なエクスキューズでした。タカをスターターから外したのは、タカのコンディションを考慮したのだと思います。タカは今年の浦和のストロングポイントですから、攻撃でのキーマンを二人も失います。繊細な組み立てを求めるミシャサッカーへの影響は、けして少なくなかったと思います。

ただ、ガンバは基本的な闘いかたを変えはしないと思っていたので、守るガンバを崩し切れない浦和を想像していました。ところがこの予想は微妙に外れます。浦和とガンバ、双方に理由があると思います。

浦和はいつも以上にサイドアタックに固執します。4+4のガンバの守備網がとても堅固であることを踏まえて、守備網を壊しにかかるというよりかは、そのコンパクトさを逆に利用しようと考えたのだと思います。ガンバの守備網はコンパクトです。なので、サイドアタックの場合は、ボールサイドに全体が寄ります。浦和は、この特性を狙います。左右にパスを散らして、守備網を揺さぶります。そこからチャンスを伺って、一気にサイドで加速して、ゴール前にクロスを供給するパターンを志向したのだと思います。

陽介不在の浦和をあまり観た記憶がないので、どういう闘いかたになるのか、興味がありました。ミシャが用意したのは、中盤を抜くことです。攻撃モードに入ると、勇樹が左、カピが右のCBの位置に下がります。那須をはさんで3バックのかたち。中盤には誰もいません。変わりに、アタッカーが中盤にかわる変わる顔を出して、バックラインとのパス交換でリズムを作ります。慎三は可動範囲が拾いので、慎三を加えた三人が中盤に顔を出します。

ビルドアップは、ガンバのボランチの横とサイドを基点に、サイドを縦に上がっていきます。今日は左右でアシンメトリーでした。右はタカが不在だったせいだと思います。ムトゥと宇賀神と槙野の組み合わせはほぼ固定されているので、複雑なコンビネーションを見せることができます。槙野はちょっとプレーが変わってきてるように見えます。ムトゥと宇賀神が前方を縦横に動くのに対し、槙野が扇の要のような役を担います。逆に槙野が動かないことで、ムトゥと宇賀神のコンビネーションを作り出せているような気がします。槙野は周りを活かすプレーもできるようになってきているのかもしれませんね。

梅崎はドリブラーのイメージがあるのですけど、クロスの質もとても高いです。ただ通常右WBに入るタカと比べると、どちらかと言うとスペースを求める選手だと思います。タカの場合は、コンタクトを辞さず、1on1を楽しむようにゴリゴリドリブルしますけど、梅崎はアジリティを活かしてスペースに出て、フリーな状況を作っていくことに長けていると思います。なので、今日の浦和の右サイドの使いかたが、普段着ではない変化を求められるポイントでした。

そのために、準決勝でも見せていましたけど、モリの位置を心持ち高めにします。攻撃時にも3バックを維持するのは、浦和の新しいスタイルですけど、ストロングポイントである右サイドでいかに優位性を持つかがテーマのような気がします。今日は、モリを基点に、梅崎にフリーな状況を作ることが課題だったのでしょう。

開始早々、ガンバにアクシデントが起きます。米倉が足を痛め退場します。スクランブルで井手口がボランチに入ります。今野が右SBに回ります。

もとより浦和のほうがポゼッションが高いこともあって、井手口をフィットさせるためか、ガンバはリトリートします。ただし、今日のガンバはひきこもりではありません。いつものガンバです。ガンバの守備は、トランジションの状況に応じて二つのパターンを持っています。低い位置でトランジションされた場合は、前線がフォアチェックを仕掛けます。守備網を作るための時間を作る意図です。この時丹羽がラインをセンターライン付近まで高く設定します。中盤でのトランジションを意図したものです。浦和がフォアチェックをかいくぐってパスを回しはじめると、自陣に戻って守備網を敷きます。ようするにガンバの守備は、とてもオーソドックスです。でもこの切り替えがとてもはやく、しかもコンセンサスが取れています。このことがガンバの強さを下支えしていると思います。

さて、井手口が馴染むと、ガンバはオープンに攻めはじめます。キックオフ当初はエクスキューズが無かったガンバですけど、米倉の離脱は、片翌飛行を強いられるかなと思いました。でも、ガンバは対処します。右は浩之をライン際、秋をバイタルエリアに置いて基点にして、パトリックにしきりに槙野の背後を狙わせます。一方左は、宇佐美に預けてドリブルでしかけさせ、藤春がフォローします。とくに序盤は、宇佐美のドリブルが機能していました。キレが戻ってきていて、好調さを伺わせます。

ゆったりとしたポゼッションでサイドから崩そうとする浦和に対し、時間をかけずに一気にゴールを目指そうとするガンバ。対極的な攻防は、まずはガンバのカウンターが結果を見せます。

32分。右ライン際。今野から秋への縦パスを槙野がカット。こぼれ球を浩之が拾います。これをカピがチェック。ふたたびこぼれたボールを今度は宇賀神が拾います。でも一瞬トラップをミスします。その瞬間、宇賀神は浩之、秋、井手口に囲まれます。宇賀神は強引にキープしようとして下がりますけど、ボールをロスト。最終的にイーブンボールの拾い合いは、秋のもとに納まります。これがカウンターのかたちになります。秋は前方のスペースにロブフィードを送ります。そこにパトリックが走り込んでいました。すがりつくモリですけど、パトリックのスピードが勝ります。その勢いのトップスピードのまま、右脚インステップで流し込みました。浦和0-1ガンバ。

守備力が高く、威力あるカウンターも持っているガンバが先制したことで、ガンバに有利な展開になるなと思いました。それに浦和は、パスを回せてもなかなか縦へのチャレンジができていなかったので、またもガンバの守備にはまってしまうのかと思っていました。ところが、勇樹のちょっと強引なメッセージパスが鬱屈とした状況を打開します。

36分。ガンバ陣の浦和のFKから。ゆったりとパスを回す浦和は、実に13本のパスでガンバを崩します。左サイドの出し入れで守備網を右に寄せます。9本目のパスで、勇樹が強引にゴール前にクロスを送ります。このクロス自体は、ままよどうにかなりまっしゃろ感のあるプレーでしたけど、ここで流れが変わります。このクロスを忠成が落とします。落としをカピが拾い、ダイレクトで宇佐美の頭を越して右の梅崎に送ります。梅崎はパスを納めるトリックで宇佐美を置き去りにして、一気にターン、ルックアップします。この時ガンバはペナルティエリア内に6人。二アに最終ラインとボランチが揃ってます。浦和は二アに忠成、ファアに慎三。そのさらに外にムトゥがいます。数的には不利。でも梅崎のワンプッシュのおかげで、忠成がヤット、ジョンヤ、井手口の中間の位置を得て、フリーになっています。梅崎は見逃しません。ダイレクトで二アに合わせます。忠成らしいダイビングヘッドは、ファアポストに阻まれますけど、こぼれたボールに先に反応したのは慎三でした。左足を振り抜きました。浦和1-1ガンバ。

堅い堅いガンバの中央の牙城が一瞬ほころびました。思いのほかはやくふりだしに戻りましたけど、互いにやることは変わりません。互いの状況を見ると、ガンバには今日の試合での明確なストロングポイントができていたと思います。パトリックです。パトリックは那須、槙野をターゲットに繰り返し裏を狙うしかけを見せます。とくに那須に対しては、完全にパワー勝負に自信ができていたようで、前半途中から槙野ではなく那須を狙うようになっていました。一方の浦和には個のストロングポイントがこの時点では欠けていたので、ふりだしに戻るも、ガンバの優位は変わらない気がしました。前半は同点のまま終了。

後半頭から、浦和が少しアジャストします。攻撃方法そのものは変わらないのですけど、中盤でのフリースペースを確認できたのか、忠成、ムトゥ、慎三のポストが安定します。これでパス回しがダイナミックになって、左右から有効なクロスがゴール前に供給されるようになります。浦和が攻め込む時間が続きます。結果論ですけど、このコレクティブな攻撃が機能していた間に逆転できなかったことが、ガンバの守備の安定を作り出してしまったような気がします。そしてガンバのトリッキーなセットプレーが炸裂します。

53分。ヤットの右CK。ガンバはとてもおもしろいかたちを取ります。ファアに固まります。ゴール前に丹羽ひとりを置きます。ファアにジョンヤ、今野、一番外にパトリックが並びます。二アにはひとり浩之。浦和はゾーンとマンマークのハイブリッドです。マーカーは那須、勇樹、忠成、槙野。ストーンは四枚。ヤットがキックモーションに入った瞬間、一番外で槙野とマッチアップしていたパトリックが、槙野を引き剥がしてゴールと反対側を大回りし、二アに走りこみます。ファアに固まるのは、つまり罠。しかもゴールから離れて固まっていたので、浦和のストーンが機能しません。浦和は不用意でした。ヤットが浦和のストーンがいないペナルティエリアど真ん中にクロスを落とします。そこにパトリックが走り込んできました。パトリックは右足ダイレクトで合わせました。ゴラッソ。浦和1-2ガンバ。

追加点を上げたガンバは、シフトをアジャストします。宇佐美をトップに上げて4-4-2に変更します。秋が左メイヤに入ります。理由はよくわかりませんけど、どちらかというと守備を意識したような気がします。モリと梅崎に崩されることが何度かあったので、藤春の前のスペースのケアを確実にする意図だったのかもしれません。それからもちろん、ボールを持てる宇佐美を前線に置くことで、守から攻への切り替えの時間を作る意図もあったと思います。

失点を受けてミシャが動きます。二枚同時代えです。ムトゥに代えてズィライオが1トップに入ります。梅崎に代えてタカが右WBに入ります。慎三が左シャドウに回ります。ムトゥはコンディションを考慮したのでしょう。準決勝で120分プレーしていますし。ズィライオは、CSでもガンバ守備陣に勝負できていたので今日はスターターかと思っていました。ここに来ての登場は、ガンバとしても脅威だったでしょう。

それにも増して脅威なのがタカです。たぶん藤春には一気に緊張感が増したと思います。ただ藤春はがんばりました。タカのコンディションの問題もあったと思いますけど、粘り強いマークで、タカを自由にさせません。藤春に限らず、リード後のガンバ守備陣は、守る時間が長くなりますけど集中を切らしませんでした。

ミシャが続きます。宇賀神に代えて俊幸を同じく左WBに投入します。梅崎が下がっていることもあって、終盤にかけて増えることが予想されるセットプレーのキッカーを用意したかったのでしょう。

健太さんが動きます。宇佐美に代えて内田をボランチに投入します。ヤットをトップに上げます。浦和に攻め込まれる状況が続いていたので、攻撃をカウンター一本に絞る意図だと思います。前線にボールを持てるヤットを置いて、パトリックと二人で攻撃のかたちを作らせようとしたのでしょう。これがはまります。ヤットがフリーでシュートするシーンが二度ありました。時折カウンターを見せることで、攻める浦和に後方の脅威を感じさせる効果があったと思います。

終盤に入って、浦和がスクランブルに出ます。那須を中盤に上げ、頻繁に攻撃参加させます。モリと槙野も上がりっぱなしで、守っているのが勇樹とカピという、浦和らしい奇妙な攻撃シフトです。ガンバを包囲するかたちで布陣しますので、セカンドボールも拾い続けます。左右からいいクロスが供給されます。

立ちふさがったのは、東口でした。ズィライオや忠成の再三のシュートを東口が止めます。CSでも輝いていたので、浦和戦には相性がいいのかな。それともライバルの周作の存在が無意識に東口を輝かせるのかもしれませんね。

最終盤、健太さんが仕上げにかかります。リンスではありませんでした。パトリックに代えて長沢を同じくトップに投入します。二試合続けて長沢がダメ押しゴールを決めているので、流れにあやかったのでしょう。

浦和が猛攻するも、ガンバの牙城はついに崩せませんでした。このまま試合終了。浦和1-2ガンバ。

ガンバ大阪のチームとサポ、スポンサーの皆さん、おめでとうございます。三冠の翌年が無冠に終わるのをなんとしても阻止すべく、ベスト8のチームのなかで一番、コンディションを整えていたと思います。新スタジアムで臨む2016年のスタートとして、これ以上ない結果でしょう。ガンバサポのカンペオーネ♪ガンバファミリー全員での天皇賜杯の歓喜

ともに、今シーズンラストマッチですし、このメンバーで臨むのも最後だと思いますので、とにかくおつかれさまでしたを贈りたいと思います。結果は厳然と彼我を分けますけど、どちらかがよくてどちらかが悪いということはなく、互いに自分たちのサッカーをぶつけ合った、天皇杯決勝にふさわしい試合だったと思います。

思えば加賀さんと天皇杯は、すれ違いの歴史ですね。磐田時代の優勝した2003年、準優勝の2004年ともメンバー入りしていません。東京には2011年の優勝後に入団しています。なので、悔しいとは思うけど、元旦にメダルをもらう姿は、初めてみました。

加賀さん、おめでとうございます!。

決勝に出場できなかったので実感がわかないかもしれないけど、シーズン最後の三試合にメンバー入りできたことと今日のメダルは、今年一年がんばってきた証だと思います。本当におめでとうございます。

2015年シーズンもこれにておしまい。今年はオフシーズンが短く、東京は2月9日にACLプレーオフでシーズンインです。Jリーグもはじめて2月開幕で、開幕戦は2月27日。選手の皆さんは、短いオフですけどしっかり心身をリフレッシュして、新しい2016年シーズンにまた、おもしろいサッカーを魅せて欲しいと思います。

あらためまして、今年もぽちごやブログを、どうぞどうぞ、よろしくお願いします。