ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

加賀健一選手ルーツを巡る旅 ―20151020 大原② いま、ここに加賀さんがいるたしかな証拠を探して―

2015-10-20 19:54:18 | 加賀さん

拝啓 加賀さん

サイン拝受しました。練習後のおつかれのところ、ありがとうございました。これでぼくも、いま、ここに加賀さんがいるたしかな証拠を見つけることができました。

近頃はすっかり秋めいてきましたね。加賀さんは輝く汗と白いふとももなかたですからやっぱり夏が似合うけど、秋の加賀さんも素敵です。秋陽を逆光にして輝く繊細な髪に、普遍的な秋の美を感じます。

大原の加賀さんを観られたし、埼スタで加賀さんに会えたので、次は赤いユニホーム姿の加賀さんを観るまでは大原に来るのは控えようと思っていたのですけど、冷静に状況を考えたらよほどのことがない限り願いは叶いそうにないので、また会いに来ちゃいました。

週末にはいよいよ味スタでの東京戦を迎えますね。古巣と対戦する経験は、2013年8月の磐田戦以来。あんまり古巣を意識したコメントを言わない加賀さんだけど、仲間をとても大切にするひとだから、真剣勝負と再会をとっても楽しみにしてますよね。東京もそういう対象だと思ってくれてるといいな。

加賀さんを追った東京サポはそれほど多くないと思うけど、加賀さんとの再会をシーズンのスケジュール発表のときから楽しみで、心待ちにしてたファンはぼく以外にもいっぱいいます。サッカーの神様がいるなら、どうか願いを叶えてください。

思えば、磐田を去ってからというもの、毎年秋は辛いシーズンになっちゃってますね。秋が似合うなんて言っちゃってごめんなさい。今年こそ充実した秋を過ごすと決めていたと思うのだけど。

やっぱり、プロサッカー選手として試合に出てないという事実は、加賀さんの気持ちを透過するとき、ネガティヴに捉えちゃいます。本意ではないと知りつつ。もちろん試合に出られないことは、サッカー選手としての、もっと言うと人間加賀さんとしての自己表現の場、レゾンデートルを断たれることだから、悔しいだろうし辛いと思います。でも、それが今の加賀さんの気持ちの全部じゃないよね?。

とても嬉しいことに、時々レッズサポさんが練習の様子を教えてくれるんですよ。レッズオフィシャルも、なぜか加賀さんにフィーチャーすることが多いし。気づいてます?。だから、苦境にもめげず明るく真摯に練習に取り組んでるって、知ってます。ホントに仲間を大切にする加賀さんだから、もちろんチームのためっていう気持ちもあるんだと思ってます。でも、それだけじゃないよね?。

そうであってほしいという希望かもしれないけど、もしかしたら今、ホントにサッカーを楽しんでますよね?。なによりも全力でプレーできる体が嬉しいですよね?。今日脚は大丈夫って聞いたら、即答ではっきりと力強く「はい!。大丈夫です」と返してくれた声を聞いて、ずっと思ってた妄想が間違ってないって気になりました。加賀さん、今、楽しいですよね?。

なぜかなっていろいろ思います。精神的に大人で高い目標を持った選手が多いこともあると思うのだけど、一番想像してるのは、サッカーを科学的に捉える楽しさに触れられたんじゃないかっていうことなんです。これまでも、とくに去年は環境的には今年よりも良かったと思うけど、いや去年を経験したからこそ、アートとしてのサッカーに興味をもったんじゃないかなって。素人がなまいき言ってごめんなさい。

加賀さんの一番の長所はかけっこの速さってことは今でも変わらないと思います。ぼくが加賀さんを好きになった理由のひとつもそこです。ポジションも、センターバックやサイドバックで、恵まれたスピードで勝負できる場所です。でもそこは、科学的にサッカーを考える場所じゃなかったんだと思います。ミステルのサッカーに触れて、サッカーを学ぶ奥深さに目がいって、残念ながら怪我で半分も実践できなかったけど、やってみたいことがいろいろできたんじゃないかと思ってます。そしてミシャや、ミシャのサッカーに苦労しながら取り組む同ポジションの選手たちを見て、サッカー選手としてまだまだ伸び代がいっぱいあることに気づいたんじゃないかと思います。

あくまでもぼくの妄想だけど、なかなか試合に出られない苦境で、本来なら元気無くてもおかしくないのに、それでも笑顔で楽しそうに練習に取り組めているのは、ポジティブな気持ちが加賀さんのなかにあるからに違いない。そうであることを願ってます。加賀さんのこれからの長い長いサッカー人生のなかで、今をポジティブに捉えることは、きっときっと加賀さんの未来をポジティブにしてくれると、そう信じてます。

今日のフィジカルトレーニングで、フルメニューをこなして無かったのが心配でした。どこか脚の感覚が良くないのかなって思って、ずっと心配してるところだし、だから声をかけました。元気な返事を聞けて安心しました。逆に感覚が良かったのかな?。

ずいぶん優しくなりましたね。小平や味スタでも優しくて真摯だったけど、もっと柔らかくなってる気がしました。ルックスもアダルティな魅力が出てきたし、声をかけて目が合うとドキドキしちゃいました。気がついてるかどうかわかんないけど、レッズのマダムサポさんが熱い視線を送ってますよ。最近は若いサポさんも気づきはじめたみたいですよ。以前から、ちょっと近寄り難い、クールで怖いイメージがあるので人生経験の少ないかたは敬遠しがちだったけど、柔らかさが増して垣根が低くなったのかな?。人気が出るのは、応援してる者として素直に嬉しいです。

そんなレッズサポさんも、秋田のみなさんはもとより、磐田時代からのファンも、札幌のファンも、そしてぼくら東京のファンも、加賀さんがスタジアムで躍動する日を心待ちにしてます。今、日々積み重ねていることは、この4年間の苦労に報い、さらに飛躍するための礎だと思います。新しい加賀さん。期待して、ずっとずっと待ってます。待ってますから。

いつかまたお会いできる日を夢見て。

ぽちごや


2015Jユースカップ第23回Jリーグユース選手権大会2回戦FC東京U-18vsファジアーノ岡山U-18@小平20151018

2015-10-20 17:23:50 | サッカー

曇り空が続いた土曜日とうってかわって、日曜日は暑いほどの小春日和になりました。

Jユースカップ二回戦で、わが愛する両クラブ、東京とファジが激突すると聞いて、普段下部組織の試合は観ないのですけど、心が揺さぶられるのでやってきました。小平グランドです。

東京のシフトはボックス型の4-4-2。GKは1番山口くん。CBは4番渡邉くんと23番岡崎くん。SBは右に44番岡庭くん左に3番小山くん。ボランチは25番鈴木くんと7番安部くん。メイヤは右に17番伊藤くん左に20番生地くん。2トップは8番大熊くんと10番佐藤くんです。

ファジのシフトはボックス型の4-4-2。東京とがっぷり四つです。GKは12番武村くん。CBは3番忠政くんと2番加賀和くん。SBは右に14番西林くん左に5番森野くん。ボランチは7番金田くんと16番羽村くん。メイヤは右に10番吉田くん左に20番山本くん。2トップは9番松岡大地くんと11番石川くんです。

東京はとてもコレクティブな良いチームですね。プロでもなかなか観られないほどディシプリンがしっかりしていて、小気味良いので観ていて気持ち良いです。ディシプリンというと日本では従順というか、個性を消す印象がありますけど、けしてそういう意味ではありません。むしろ真逆で、個性の結実というか、スタッフがひとり一人の個性を見極めて活きる場所を見つけてあげていて、選手も責任を果たす。そんな幸福な関係が東京にできていると思います。

東京の守備システムは、トレンドです。フォアチェックをきっかけとして、コレクティブにボールを中央に寄せる形を守備網全体の動きで見せます。理想とするトランジションポイントはボランチのようです。

攻撃もとてもコレクティブです。基本プランはクイックアタックを志向していると思います。守備もそうですけど、全般にオーソドックスというか、トレンドをトレースしますね。それをしっかりと選手が表現できるのですから、ひとり一人のクオリティの高さが伺えます。

基礎はパス&ムーブサッカーのようです。中盤でトランジションしたら、パスをつないで、できるだけはやくアタッキングサードにボールを運びます。受け手がスペースメイクの動きを繰り返すのもトレンドですけど、狭いスペースでもパスをつけられる出し手の技術の高さが東京の攻撃を形作るベースになっているようです。

メイヤの動きで、攻撃パターンのバリエーションを作っているような気がしました。左右はシンメトリーです。メイヤがサイドに開く場合は、表はメイヤを基点にしてSBのオーバーラップを促すサイドアタック。裏はメイヤを囮にしてバイタルエリアに下がるトップを基点にして裏を狙うパターン。メイヤがバイタルエリアに絞る場合は、SBを高く位置取らせて、ポゼッションを高める意図でしょう。加えて、中央に人数をかけることで、かつ連動して動き続けることで、守備網をコンフューズさせる意図も含むと思います。

攻撃は、シュートで終わることを心がけているようです。アタッカー各自のシュート意識はとても高く、かつ高精度です。シュートは低くコントロールされていて、インサイドでしっかりとフェージングするトレーニングを日々積んでいるのでしょう。シュートパターンはとても多様です。クロスもカットインもあります。ペナルティエリアでのプレーアイデアも豊富で、観るサッカーとしてのエンターテイメント性も高いです。つまり面白い。ただちょっとミドルへの意欲は低いような気がします。

ファジもディシプリンのとれたチームですね。今日はとてもタクティカルなサッカーだったので、オリジナルのプランは確認できませんでしたけど、垣間見れた範囲では、サイドを重視しているようです。

守備は東京と違ってリトリートスタイルです。4+4+2の3ラインを横ワイド縦コンパクトに並べて、それを維持することを最優先するようです。ボールを奪いに行くというよりかは、絡め取るやりかたです。なので守備網の位置が重要になります。忠政くんと加賀和くんを中心にラインの位置に気を配っているのがわかりました。

攻撃は、チャンスメークはサイド基調です。トランジションするとサイドに早めに出して、スピードを活かしてスペースギャップを狙う意図だと思います。ロングフィードを入れるパターンもありますけど、スペースがある場合はドリブルで一気にアタッキングサード深くを目指します。どちらかというと左加重のように見えました。

フィニッシュパターンは、トップに高さがないので、カットインからのシュートのほうが可能性が高いと思います。

ファジはことし東京と手合わせをしたことがあるのかわかりませんけど、東京を意識して臨んでいたようです。過剰なほどの守備加重でした。動きがあるまでは攻撃をすることすら自重していたように見えました。守備網は、ボールを奪うというよりかは、東京の攻撃パターンを無効にすることを重視していたようです。かといって下がり過ぎることなく、ラインコントロールをしっかりしていました。素晴らしいディシプリンだと思います。

なので試合の趨勢は、東京がファジの守備網をこじ開けるか、はたまたファジが我慢し続けられるかにかかります。東京はあの手この手で鍵を開けようとします。

サッカーは思考するスポーツだと思っています。育成年代のことは良く分からないのですけど、U-18はプロ予備軍ですから、それまで以上に自分で考えることが求められるのでしょう。この試合では、東京もファジも高度な思考が必要な場面がそれぞれありました。東京は先制するまで。ファジは前半30分あたりからの15分間です。

東京は思考を巡らしていました。先に述べました攻撃パターンのほかにも工夫がありました。左右のメイヤが内に絞ります。ちょうどトップとメイヤで小さなスクエアを作るイメージです。おそらく東京のAプランは、ポジションチェンジを発想の基本にしていたのではないかと思います。ポジションを入れ替え易い距離感を保ち、スムーズでクイックなポジションチェンジで守備網にスペースギャップを作る意図だと思います。東京のストロングポイントは、もちろん前線のたしかなテクニックを踏まえてのことですけど、たぶん両SBでしょう。右の岡庭くんは強い筋力を持っているのでしょうか?。フィジカルに強みを感じるオラオラドリブルが魅力ですね。左の小山くんは、クロスの精度が高いです。長い距離のクロスでゴール前に合わせることができます。序盤の東京は、小山くんのクロスを攻略の軸にしていたような気がします。

ファジがこれに耐えます。東京は最終ラインでパスを回しながら守備網を執拗に左右に揺さぶります。4+4とは言え、難しいコントロールを求められますけど、忠政くんと加賀和くんのオーガナイズは完璧でした。

そこで東京は、15分あたりからBプランに移行します。最終ラインからの長いフィードを使うようになります。トップあるいはメイヤを走らせてシンプルに高い位置で基点を作る意図だと思います。ファジは織り込み済みだったのでしょう。この作戦にも耐えます。

我慢合戦の様相を呈してきた試合は、寝技に持ち込んだという意味でファジのシナリオ通りに進みます。流れが変わったのは、いや変えたのはファジのほうでした。トーナメントなので当然どこかでファジも攻めに出ないといけないのですけど、後半の一点集中だと思っていました。ところが前半のうちにファジは勝負にでます。25分過ぎあたりから、東京の中盤にパスミスが出始めます。さらに岡崎くんの処理ミスもあって、東京が我慢しきれなくなったとみたのでしょうか?。森野くんを中心に、左サイドでドリブルを軸にしたカウンターを見せるようになります。何度かビッグチャンスを作ります。松岡くんが、ペナルティエリアでコンタクトを物ともしないパワフルなシュートを見せれば、石川くんも独特の間合いから左足で狙います。

岡崎くんはおもしろですね。守備でクリティカルなミスはありましたけど、果敢なオーバーラップを見せたり、攻撃面での魅力がありそうです。

このファジの攻勢で、30分過ぎに試合の流れはオープンファイトに入っていきます。おそらく東京はほくそ笑んだことでしょう。ファジのカウンターは、渡邉くんの落ち着いたオーガナイズを中心に跳ね返します。ファジの気持ちが前がかり気味になったので、東京の攻撃も活性化します。

ファジは、ホントに勝負時だったのか。復習には格好の教材を得たと思います。東京は良く思考しました。あえて言うと、スタッフからも声がかかっていましたけど、ドリブルを織り交ぜてもよかったかなと思います。とはいえ、忍耐の闘いは東京に軍配があがります。

42分。中盤まで下がっていた佐藤くんがハーフウェイ左寄りでボールを持ってゴール前にアーリークロスを上げます。それに合わせたのは、逆サイドから飛び込んできた伊藤くんでした。東京1-0ファジ。

これで明らかにファジが混乱します。立て続けにゴールを許します。

45分。左CKからのこぼれを鈴木くんが頭で押し込みました。東京2-0ファジ。

15分間の思考の仕合いは、東京が勝りました。思考には論理的なものと直感的なものがあると思いますけど、この時間の思考は、論理思考を求められましたね。ミッションをこなすためのファジの思考は、考えかたと方向性を与えられたものでしたけど、東京は選手の自主性に任せていたようなので、より高度な思考が必要だったでしょう。東京のクラブとしての方針ですけど、根付いてきているんですね。前半はこのまま終了。

前半の2点で試合の趨勢は決まりました。東京は後半頭から、生地くんに代わって24番内田くんが同じく左メイヤに入ります。そして後半開始早々、東京がダメ押しします。

48分。岡庭くんが深くえぐってから折り返したクロスに大熊くんが合わせました。

以降は東京のショータイムになりましたけど、結局ファジは追加点を許さなかっので、キレてしまっても不思議でなない状況で良く頑張ったと思います。中盤でミスが出るようになりましたけど、最終ラインが良くバックアップしていました。

東京はペナルティエリアでロブスルーがあったり、ルーレットがあったり、ヒールがあったり、アイデアが豊富で楽しいです。でも浮ついた感じはなく、確かな技術に基づいた、スキルフルで安定感のあるサッカーを見せます。シュート意識も高いので、今日はこの後追加点は入りませんでしたけど、この意欲はいつか花開くような気がします。

以降、東京、ファジとも選手交代が続きますけど、作戦変更やモードチェンジというよりかは、点差が安全圏に入ったので、経験を積ませる意図だったような気がします。

ファジは、森野くんに代わって4番株根くんが同じく左SB、羽村くんに代わって18番草地くんが同じくボランチに入ります。さらに山本くんに代わって19番千葉くんがトップに入り、石川くんが左メイヤに回ります。

東京は、大熊くんに代わって43番長谷川くんが同じくトップ、佐藤くんに代わって38番小林幹くんが同じくトップ、鈴木くんに代わって小林真鷹くんが同じくボランチに入ります。最後は伊藤くんに代わって19番松岡瑠夢くんが同じく右メイヤに入ります。

ファジのJユースカップの冒険はここで終わりました。残念な結果だし、我慢が報いられなかったのでフラストレーションが溜まったと思いますけど、明日への良い教材だと思って、しっかりと課題を見つけてほしいと思います。おつかれさまでした。

東京は守られながらも工夫して、しっかりと勝ちきりました。渡邉くんの安定感が目をひきました。東京は最終ラインからリズムを作るチームですから、その中心の渡邉くんは、一番思考したでしょう。

東京の三回戦の相手は大宮アルディージャユースです。最高の高みを目指してがんばってほしいです。