ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2014J1リーグ第23節FC東京vsヴィッセル神戸@味スタ20140913

2014-09-14 16:01:44 | サッカー

爽やかな季節になりました。

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曼珠沙華。自分が住んでるあたりで見かけなくてさみしいなと思っていたら、毎日の通勤路に群生してましたw。

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味スタに行く途中にある三谷神社でお祭りの準備をしていました。必勝祈願のお参りによりましたら、お兄さんがたから「今日神戸戦ですよね。がんばってください」とエールをいただきました。

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中断中は、よっちの代表デビューと初ゴール、各誌一面トップにフィーバーしました。モリゲのアンカーにもびっくりしました。

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よっちのメディア露出で、今日の味スタに退去新しいお客さんが来ると期待していたら、19,097人。平均を割った現実に衝撃です。

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今日は神戸。誤解を怖れず言えばサッカーは相対的な興業です。よっち個人目当てならいざ知らず、相手にも魅力がないとサッカーも見たいかたは呼べないということでしょうか。

今日のYou’ll Never Walk Alone♪

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11試合連続負け無しも、先制直後に失点する、良くない形でのドローです。負けてはいませんけど、勝てた試合を自ら潰した、いわば自滅です。

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東京は、相太不在のなか考えうるベストメンバーです。GKは権田。CBはモリゲとカズ。SBは徳永と宏介。3CHは右から羽生、秀人、ヨネ。トップ下に河野。2トップはエドゥーとよっち。

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神戸はスクエアな4-4-2です。試合ごとに布陣が変わってます。GKは今日は海人。CBは右に今日は河本左に増川。SBは右に今日は峻希左は橋本。ボランチは出場が心配されたファビオ・シンプリシオがスタートからチョン・ウヨンと組みます。ハーフは右に日本代表森岡、左に名古屋から移籍した枝村。2トップはマルキーニョスと、今日はペドロ・ジュニオールがオプションで田代がスターターです。

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東京は明確な狙いをもって試合に臨みました。東京の課題は二つ。相太離脱により攻撃の形を再構築すること。それから大量失点が続いた守備の立て直しです。まずは攻撃から。今日は千真ではなくエドゥーをスターターに使います。ここがポイントです。よっちが代表から戻ったので、東京らしい高速アタックに回帰します。そのためのエドゥーです。よっちと河野に点を取らせる攻撃システムで最もフィットするのが相太です。相太はとても繊細に、かつ頻繁に動きなおし、基点となります。これがよっちと河野が働くタイミングとスペースを作る源です。千真とエドゥーにはこれがありません。千真はボールを持てますけど遅攻のリズムですから、そもそも高速アタックに向きません。エドゥーは高速アタックに繋げるタイミングを持ってますけど繊細さがありません。恐らくエドゥーのコンディションのこともあり、より長く時間を共有している千真から試したのでしょう。2試合見て、今日はエドゥー。

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エドゥーの強みは言わずもがな、パワーです。繊細さとは真逆。エドゥーがフィットしていた頃はパワーでマーカーを凌駕し、安定したポストを味方アタック陣に供給していました。復帰後のエドゥーにはこのパワーを感じられなくなりました。対峙する相手がエドゥーのパスの受け方、体の使い方を学習しているのかもしれません。もしくはエドゥーのコンディションか。今日はそのエドゥーのコンディションにかけます。

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試合開始直後の神戸のアタックを防ぐと、東京はじわじわとリズムを掴みます。きっかけはエドゥー。今日はロングボールをエドゥーに送ります。狙いは神戸のCB。CBと1on2の状況を作ります。エドゥーがCBと1on1を競り、その背後をよっちが狙います。はじめはスピードに難がある増川を狙いました。いきなりですけど、ここが勝負の分かれ道のひとつだったと思います。執拗な個人攻撃に増川も相当嫌だったと思います。

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凌いだきっかけはコンタクトでした。エドゥーが増川に後頭部に頭突きを受けます。これで東京のターゲットは河本に移ります。今日はコンタクトが試合の流れに大きく影響します。河本も耐えます。この開始15分くらいまでの、東京の増川と河本に対する執拗なアタックは、地味なこと極まりないですけど、とてもスリリングでした。もし一本でもよっちが裏に抜け出せたら、恐らく今日の結果は全然違っていたと思います。

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結局増川と河本が凌ぎます。神戸は3月に対戦したチームとはずいぶん戦いかたが変わっていました。春先の神戸はフォアチェックからの豊富な運動量を強みに押し出したチームでした。森岡と松村が引っ掻き回し、峻希が頻繁に上下動する。とは言え結局神戸の勝敗を左右するのは、ハンター二人。マルキーニョスとペドロ・ジュニオールです。夏場、高齢の二人のコンディションが落ち、チームの成績も下降しました。ここに来て再浮上しているのは、どちらがが復調しつつあるのかもしれません。

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今日は方翼のペドロ・ジュニオールがオプションスタート。そのせいもあるのかもしれませんけど、神戸はとても静かでした。4+4+2の3ラインを引きます。東京の高速サイドアタック対策だと思います。春から夏にかけての神戸の試行錯誤を感じました。割と高い順位にいますけど、残留するための意識が高いのでしょう。

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さて東京の守備再構築です。東京も リトリートします。東京の意図は二つ。まず最近狙われるWH背後のトライアングルゾーンのケア。もうひとつは攻撃に向けたプロセスです。もしかしたらミステルは、神戸のフォアチェックの印象が強かったのかもしれません。神戸が積極的にSBを高く位置取ったその背後を、東京が誇る高速アタッカーに狙わせるカウンターの序曲が、このリトリートの主たる意図だと思います。

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ところが意に反し神戸もリトリートします。ゆえに試合が低い熱度で硬直化します。東京の意図がわかったので緊張感を感じることができたのですけど、子供たちやはじめてサッカーを見るかたにはどうだったでしょうね。

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残念ながら東京の攻撃の意図は、増川と河本の粘りで空振りしました。そして、神戸がイニシアチブを握ります。神戸はサイドアタックを基調とします。主軸は峻希。序盤はリトリートしたのでファビオもウヨンも低い位置を離れません。田代にロングフィードをひたすら送ります。東京が上がってこないことが分かると、おそらく神戸の意にも反して攻めさせられます。たぶん東京の術中ということは分かっていたと思います。ただ、神戸は慎重に攻めます。まず基点を安定させることを意識します。マルキーニョスを左右のサイドに流し、高い位置で基点を作ります。ボールを確実に持てるマルキーニョスですから、基点が安定します。

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ボール運びも安心志向です。ウヨンを残しファビオと森岡が前後にポジションを入れ替えながら中央のパスコースを作ります。サイドもアグレッシブではありません。峻希も橋本も低めに留まります。必然的に神戸の重心は低いままです。フィニッシュルートは峻希、橋本からのクロスですけど、ゴールまでの距離が遠く精度が上がりません。両チームにとっとなんとも歯がゆい状況が続きます。

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この状況に変化をもたらしたのはまたもコンタクトでした。前半25分頃、モリゲが田代とのコンタクトで頭部を負傷。おそらく出血があり、止血確認のためしばらく入れません。神戸のパワープレーの間、東京は秀人を下げ、4-4-1の3ラインを保ってリスクを避けます。

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ここでミステルが動きます。前半30分頃にモリゲ復帰とともにシフトを3-4-1-2に変更します。このタイミングでは、まずは守備の安定だと思います。マルキーニョスが高い位置で基点を作っていたサイドが気になったのでしょう。徳永と宏介は下がり加減で、5バック調です。

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ところがこのシフト変更は裏目に出ます。中盤の枚数が二枚になったことでバイタルエリアにスペースが生まれます。この機を神戸がチャンスと見たかはいざ知らず、いずれ神戸のショートパス回しが活性化し、がぜん神戸がアグレッシブになります。マルキーニョス、田代、森岡、枝村、ファビオが面白いように東京守備陣の隙間を狙って侵入します。東京は完全に主導権を渡してしまいました。

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それでも耐え、前半はスコアレスのまま終了。

ドロンパとキン肉マンと居合わせたスタッフさんによる人文字作りの様子

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後半に入りミステルはシフトチェンジの第二ステップに着手します。WBの位置を高くし、3バックにします。その上でフォアチェックをかけはじめます。守備では田代とマルキーニョスに左右のCBがタイトにマークし、ポストを自由に入れさせません。前方と後方の分断に成功すると、神戸の中盤が丸裸になります。そこに羽生とヨネが襲いかかります。この試合、ようやくヨネが目立つようになりました。東京のストロングポイントのひとつは、間違いなくヨネです。前半のリトリートはヨネの良さを殺すという意味では失策と言えるかもしれません。もちろんそれより優先するのが攻撃陣だったということですけど。いずれ、中盤でいい形でターンオーバーできるようになります。そうすると宏介が高い位置で攻撃参加できるようになります。アタッカーもタイミング良く裏に出られるようになり、東京がイニシアチブを握り返すことに成功しました。惜しむらくは、前半と後半それぞれあった東京が意図通りに、攻撃できた時間帯で先制できなかったことです。

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安達さんが対処します。田代に代えてペドロを投入。同時にシフトを4-2-3-1に変更します。マルキーニョスを一枚残して1トップ。森岡がトップ下に移ります。ペドロは右WG。枝村は左のまま。安達さんの意図を確認する間も無く、念願の先制ゴールが生まれます。

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後半25分。森岡のシュートを止めた権田のスローから。左サイド高めにいた宏介が受けターン。前方、峻希の背後に飛び出したよっちにスルーを送ります。アタッキングサードに入ります。よっちはドリブルで神戸陣深くに進出。神戸守備陣が下がったところでステイ。ゴール前を確認します。河野がゴール前にいて、エドゥーはペナルティエリア後方にステイ。エドゥーの大好物、いわゆるエドゥーゾーンにフリーです。よっちは丁寧に、エドゥーにマイナスのパスを送ります。エドゥーはダイレクトで叩き込みます。たまらず増川がダイビングキャッチw。エドゥーが入った場合の理想的なアタックでした。このPKをエドゥーが海人に読まれながらもパワーで弾き飛ばしました。東京1-0神戸。

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ようやくのゴールで安堵したのもつかの間、天皇杯でやられたばかりの集中しなければならない危険な時間帯を迎えます。そしてあっという間に追いつかれます。

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後半26分。ウヨンの右CK。東京はマンツーマンとゾーンのハイブリッド。ゴール前増川にモリゲ。河本にカズ。ペドロによっち、マルキーニョスにヨネがつきます。ニアのファビオに徳永。ファアの森岡がフリー。ゴールエリアのゾーンは宏介、エドゥー、秀人。こぼれ球のケアは河野と羽生。ウヨンは密集地帯にクロスを送ります。狙いは増川。増川はモリゲをワンプッシュして押しのけ、クロスに先に合わせます。モリゲが体を寄せるも増川の打点が高かったです。ただこのシュートには権田が反応します。不運なことに増川のシュートの軌道にヨネの裏をとったマルキーニョスがいました。マルキーニョスは咄嗟に首を振ってコースを変えます。ゴラッソ。東京1-1神戸。

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ゴールそのものは、増川の強引さとマルキーニョスの超絶反応スピードにやられた不運でしたけど、予防も含め、もうちょっと集中できなかったかと悔やまれます。これも自滅のひとつ。

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ここから互いにクリンチ状態に入ります。おそらくミステルの選択に賛否あると思いますけど、決められるのは監督だけに許された権利と責任ですから、尊重したいと思います。ミステルが取り得た策は幾つかあります。シフトをオリジナルに戻すこと。エドゥーと千真の2トップ。たまを入れて中盤の動きをダイナミックにする。そして変態梶山を入れて中盤を支配する。もうひとつが動かないこと。

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有効な打ち手をペドロしか持ち合わさない安達さんも、選択肢はいろいろありましたけど動かないことを選びました。少し工夫を施します。ペドロを下がり加減にします。ペドロにはモリゲがつきますから、ペドロが下がると引っ張り出される形になります。空いたスペースを森岡、峻希が狙います。マルキーニョスも動きます。マルキーニョスは左に流れます。空いたトップの位置に森岡が1.5列目から飛び込みます。森岡は慶悟に似た選手かもしれませんね。ボールを持ったときのアイデアやシュートのパンチ力には改善の余地がありますけど、ムービングは十分脅威です。

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これだけだとミステルも動く動機になったかもしれません。でも東京の攻撃陣が、忘れた頃に可能性を感じるアタックを見せます。ますますミステルは悩みを深くしたでしょう。安達さんが先に動きます。枝村に代えて石津を投入。同ポジションなので枝村のコンディションを考えた交代でしょう。流れは変わらず。ファビオのバーに当たるヘッドがありましたけど、両チーム膠着したままアディショナルタイムに。

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ようやくミステルが動きます。羽生に代えて梶山を投入。アディショナルタイムに入る前から準備していたのですけど、試合が切れずなかなか入れませんでした。

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呼応するように安達さんも動きます。ファビオに代えて大屋を投入。これもファビオのコンディションでしょう。

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立て続けにミステルが動きます。河野に代えて千真を投入。これはもう、理屈抜きでゴールアテンプトして欲しいということでしょう。

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ミステルと東京サポの願い叶わず。逆に安達さんは、もしかしたら勝ち点1でOKという試合運びを選んだのかもしれません。その意味では、安達さんが最低限の望みを叶えました。最後の宏介のFKも決まらず、このまま試合終了。東京1-1神戸。

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自ら引いたことと、先制直後に失点したことにおいて、厳しくいうと自滅だと思います。チームをもう一度作りなおす過程ですから仕方ないと理解しますけど、最初からアグレッシブに行くとどうだったのかな?とちょっと悔やみます。

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ただ、光明を垣間見ることができました。先制点に繋がったシーンは、エドゥーを基軸にした攻撃にリビルドしていく、道筋になるような気がします。

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それから、ぼくらはとても興味深い未知の異質をまだ持っています。梶山が試合に出られるくらいに戻ってきました。3CHを前提として、秀人、ヨネ、羽生、梶山、たま、ヒデをどう使っていくのか、目下最大の関心事です。3CHがすっかり研究されましたから、2014最終形に向け、また2015の試金石として、更なる進化も面白いんじゃないでしょうか?。

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浦和が勝ったため首位との勝ち点差が12になりました。残り11試合。可能性を秋に持ち越すためにも、もう勝ち点3は逃せられません。次はクラシコ。必勝です。

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