ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2012J1リーグ第20節浦和レッズvsFC東京@さいスタ20120804

2012-08-05 13:54:42 | サッカー

今年も8月になりました。そこはかとなく、ゆく夏を想う、盛夏でございます。夏休みです。こども達がいっぱい。レッズは夏休みイベントとして、こども達がグランドキーパーのお手伝いをしているようです。楽しいイベントですね。

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連日、バカみたいに晴れてるのに、今日にかぎって雨の気配ですw。結局、試合中にパラついた程度ですみました。

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折り返しをすぎ、アウェイのレッズ戦です。前回味スタでの対戦は、互いの意図を十分に反映できた、素晴らしい内容の試合でしたけど、1-1のドローでした。今シーズンの決着が必要です。いまチームのバイオリズムも低空飛行ぎみですから、勝ち点を盛り返す大事な試合です。

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2-2のドロー、勝ち点1でした。前半と後半が攻守入れ替えた、シンメトリーな内容でした。東京にとって、ひょっとするとターニングポイントになる試合だったかもしれません。

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東京は守備陣の編成をアジャストして臨みました。イギリスから戻って好調なヨネをボランチに据え、秀人をCBに下げます。加賀を右SBにずらし、むっくんを左にします。攻撃では、谷澤に代え、草民をトップ下におきます。試合のアプローチは、いつもの通り。

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レッズは、布陣もアプローチも味スタの対戦時と同様です。柏木が不在なので、マルシオ・リシャルデスと梅崎の2シャドウです。梅崎が普段担う左WGバックに宇賀神。レッズは阿部が攻撃のオーガナイズを担います。ミシャは東京にペースを握られるのを嫌ってか、序盤からアグレッシブに臨んできました。東京が最もリズムに乗れる時間帯が序盤で、そこで先制すると強いという考えがミシャにあったのかもしれません。レッズのとてもコレクティブなチームですけど、鳥栖や新潟と違って、非常にディシプリンがしっかりしています。最初から乱れがほとんどありません。まったくミシャの凄さでしょう。レッズが前線のプレッシングで東京の攻撃を押さえ込み、試合のイニシアティブを握ります。ボールを奪取すると阿部を経由します。新潟のミシェウと違い、阿部はアンカーの位置でコンタクトを振ります。阿部がボールを持ったとき、両WGバックが極めて高いポジションに位置取るのが、攻撃モードに入ったレッズを示すバロメーターです。阿部から、できるだけクイックに両WGバック、とくに平忠にパスを送り、一気にアタッキングサードに侵入します。そこから細かなスペースメイクとパスワークでゴールに迫りますけど、基本は手数をかけないこと。シュートアテンプトに積極的です。

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もうひとつの東京対策は、両WGバックを含めたアタッカーの並びです。両WGバックが東京のDFラインを包み込むように、ワイドに位置取ります。CBに対し元気、SBに対し2シャドウが向かいます。結果的に、両サイドに数的優位を作ることができます。序盤むっくんが平忠とマルシオに手を焼きました。むっくんの問題というより、ミシャの作戦勝ちですね。

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レッズの作戦がさっそく奏功しますけど、ちょっと意外な形でした。前半11分。マルシオが右CKをショートで平忠に出します。平忠のクロスはゴール前のモリゲにクリアされますけど、落ちた真正面に宇賀神がいました。豪快なミドルのゴラッソです。東京0-1浦和。

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これでレッズはコンサバティブにモードチェンジしてきました。両WGのポジショニングが低くなります。ミシャお馴染みの5バック気味な5-4-1です。いまの東京は、コレクティブに守備をまとめてこられると崩せません。東京のアタッカー4人に対し、ボランチを含め7人が綺麗に配置され、スペースを消されているわけです。5バックであれば、横のゆさぶりにも耐えられます。逆にラインコントロールは難しくなるのですけど、引きこもっちゃえば関係ないです。元気と梅崎というカウンター要員がいますし、困ったらマルシオに預けるオプションもありますから、とても合理的な仕組みですね。東京の攻撃は、案の定手詰まりになりました。

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そんななかレッズの追加点が生まれ、試合は完全にレッズのものになりました。前半35分。自陣でルックアップした啓太が東京最終ラインの背後にロングフィードします。前線にはマルシオと梅崎がいて、クロスオーバー。ゴール脇のスペースに出たボールを走り込んだ梅崎がキャッチして、ワンタッチで折り返します。そこにマルシオが飛び込みました。見事なカウンターです。東京0-2浦和。このまま前半終了。

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ついに、ついにポポさんが動きました。見切りなのか、ミッシャへの対抗心なのかはわかりませんけど。後半頭から、千真に代えて北斗を投入しました。大幅に布陣を変えます。まず3バックにします。リベロに秀人、左右はモリゲと加賀。ボランチは変わらず、ヨネとアーリア。北斗とむっくんを一列上げて、WGバックとします。かわってWGのナオと草民が絞り、シャドウの位置にポジショニングします。1トップはルーカス。ようするに、レッズとまったく同じ3-4-2-1、ピッチ上にシンメトリーな布陣を描きました。

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これがコンサバモードのレッズにはまりました。布陣はシンメトリーですけど、レッズとは少し攻撃のアプローチ異なります。東京のオーガナイザーは分散し、リベロの秀人と両ボランチが担います。彼らがボールを持つと、両WGバックが極めて高い位置にはる点はレッズと一緒。更にポポさんは、左右のCBに積極的な攻撃参加を担わせました。WGバックとCBが絡んだ、分厚い攻撃でレッズゴールに迫ります。圧倒的な人数でレッズ守備陣を包囲しますから、セカンドボールもほぼ東京のもの。5バックの難しいところで、どうしてもWGバックとCBの間にギャップが生まれやすくなります。東京アタッカーは、そこを執拗についてきました。

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ポポさんは布陣変更の仕上げをします。草民に代えて、エース梶山を投入します。中央にどっしりとしたコントローラーができました。もう一枚のシャドウのナオは、基本的に中央を梶山に任せて、フィニッシュやポゼッションに絡むことができます。このモードチェンジがさっそく奏功します。

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後半15分。中央で梶山がボールを持つと、アーリアがオーバーラップします。梶山はアーリアに預けます。この時レッズの5枚のDFは、ゴール前に集合していて、右サイドにスペースがありました。梶山の隣にいたナオはそれを見て、アーリアの後ろを抜け、右サイドに出ます。アーリアはWGバックとCBのギャップを目掛けスルーパス。駆け込んだナオはワンタッチクロス。中央には、ルーカスとなぜかむっくんが位置取ってました。ナオのクロスに合わせ、むっくんが飛び込んでゴール。コレクティブな攻撃のゴラッソ。東京1-2浦和。

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ミシャは、前線を活性化するため、ボール保持力を上げようと元気に代えてポポを投入しますけど、そもそもチームの重心が低いですからポポ一人では如何ともしがたく、依然東京の攻勢が続きます。

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後半27分。バイタルエリアでボールを持った梶山は、中央フリーのアーリアにバックパス。アーリアはワンタッチで正面のナオに出します。DFを背負ったナオは、ワンタッチで背後にスルーパス。そこに走り込んだルーカスは、ワントラップしてボールを落ち着けクロス。合わせたのは、ナオにパスを出した時に、一気にゴール前に走り込んだアーリア。これまたコレクティブで、東京らしいワンタッチプレーの連続で決めたゴラッソ。東京2-2浦和。

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同点となって、ポポさんはリスクテイクを控えます。ミシャ同様、5枚のDFを自陣に引かせます。ところがミシャは、守備を安定させるためか、宇賀神と野田をチェンジします。宇賀神のコンディションに問題が起こったのかもしれませんけど、そうでなければこの交代は、尚早だったかもしれません。東京が最低勝ち点1という考え方にモードチェンジしましたから、達也や小島を先に投入すべきだったかもしれません。結果的に、最終盤はレッズが押し込みますけど、攻撃のアクセントが足らず、このまま試合終了。東京2-2浦和。

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シフトも然りですけど、内容も前後半で真逆、完全にシンメトリーとなった試合でした。味スタのドローは決着せず、今シーズンは互角という結論になりました。でも、この試合もまた、互いの意図を反映できた、すばらしい内容の試合だったと思います。ポポさんとミシャの監督対決も、ドローというところでしょう。

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後半頭から27分までの東京は、今シーズンのポポ東京が目指すサッカーを、十二分に表現できていたと思います。ワンタッチプレーの連鎖からのゴール。ただショートパスをワンタッチで繋ぐだけのプレーとは何が違うのか。3つのポイントがあります。まずチャレンジです。とにかくアタッキングサードに素早くボールを運ぶチャレンジが必要です。前半はボールを持たされていました。低い位置でボールを奪えても、ドリブルさせられていました。当然スピードが落ちますから、レッズが自陣に戻る時間を与えてしまっていました。高速パスを縦に遅れば、この猶予を与えません。相手の守備陣形が整う前に攻めることが鉄則。二つ目はスペースメイクです。ギャップを作る動き、そのギャップを見つける目と利用する動きの連鎖が必要です。三つ目はアイディア。ライブで生まれるシュートに至るまでのシナリオを、チームで共有するアイディア。相手DFの意表をつくアイディア。これらのポイントを、相手の時間感覚ではなく、自分たちのリズムで一気に攻めきったとき、有効な攻撃ができます。後半の東京が見せた開眼が、シフト変更の所以であれば、真剣に3-4-2-1への基本布陣の変更、もしくはオプション利用を考えてみてもよいと思います。

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ヨネがよかったです。前半の停滞した時間帯でも、積極的に縦パスを送ってました。もともとボール奪取能力とそれを支える運動量はストロングポイントですけど、攻撃時の視野に課題がありました。ロンドン五輪代表U23のイギリス合宿から帰って、なんだか変わったような気がします。新潟戦でワンボランチもこなしてましたし、何か掴んだのかもしれません。ヨネをアンカーで使えるなら、中央の布陣に幅が広がります。梶山、秀人、アーリア、ヨネ。誰をどう使うか、嬉しい悩みです。できれば選手交代なく4-2-3-1と3-4-2-1を使い分けたいところですね。そうすると、4-2-3-1ではSB徳永とむっくん、CB加賀とモリゲ、ボランチ秀人とヨネ、WGナオとアーリア、トップ下梶山、1トップルーカス(エジミウソン)で、3-4-2-1は、CB加賀、秀人、モリゲ、WGバック徳永とむっくん、ボランチアーリア、ヨネ、トップ下梶山とナオ、1トップルーカス(エジミウソン)という感じでしょうか。

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3-4-2-1に目処がつくかもしれず、今シーズンのターニングポイントになった試合かもしれません。東京は先制すると強いですから、場合によっては序盤から3-4-2-1の攻撃モードで一気に押し込むのも良いかもしれません。オリンピック代表組が戻ってきて、フィットさせる必要もあるので、機会があったらテストしてみて欲しいところです。

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どうやら、この夏の連戦が楽しいものになる予感がします。

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オリンピック代表がとんでもないことになってますw。ヤングサムライブルーがベスト8でエジプトを破り、なでしこジャパンが同じくベスト8でブラジルを破り、なんとなんと、男女揃ってベスト4進出。男子はあの、伝説のメキシコ五輪以来ですよ。ちょっと真剣にワクワクしてきました。ぜひ決勝に行ってほしいですね。がんばれ日本!