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ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

スーパー8 Super8

2011-07-03 23:47:27 | 映画

ひさしぶりにレイトショーで映画を観ました。1,200円。安いのはいいねw

スーパー8をみました。おっもしろいですよー。映画が難しいことを考えさせるものじゃなく、娯楽なんだって思わせてくれる作品です。

ストーリーを書くとネタバレになってしまうタイプの映画ですから語りませんがw。なんでしょうね。ETとエイリアンとジュラシックパークを足したようなファンタジーと言えばいいのかな。もう、ハラハラドキドキの連続です。前半はなんだかわからない存在に対する恐怖。このあたりエイリアン。後半はモンスターとの対決。このあたりはジュラシックパーク。全編をつうじて、中学生の一団がキュートな笑いを織り交ぜつつ誰よりも謎に近づいていく指南役をはたしてる。このあたりET。彼ら6人組は夏休みを利用して、学校のお祭り(タイトルの秘密はこのあたりにある?)に出す映画を製作しています。その途中で事件に巻き込まれていく。

ボクはとってもビビりなんで、こわいシーンに”ビクッ”ってなるんです。となりのお客さんにビビリがバレバレだと思うとかなり恥ずかしかったです。油断してるとくるんですもん。コンパクトに120分でまとめられてますけど、それ以上に時間が短く感じます。あっという間でした。

監督のJ・J・エイブラムスは、M:i:IIやスタートレックの監督と、アルマゲドンの脚本をやってます。実力者ですね。スーパー8のクオリティに納得。

主役の少年達がいいのですよ。
ジョーを演じるジョエル・コートニーにメロっちゃうひとが多いのではないでしょうか。ボクもそのひとり。真っ赤なほっぺとクリクリお目々であどけなさを残す美少年。ものすごく空気感を持ってる役者さんです。

んで、アリス。エル・ファニングですね。SOMEWHEREでその可愛さを体感ずみですから今更驚きませんが、やっぱり可愛い。わずかの間にちょっと大人びてきたかもしれない。

ふとっちょ監督のチャールズ、爆弾マニアのケアリー、ゲ〇吐きマーティンもいい味だしてます。

ジュラシックパークに心臓が耐えられなかったかたは、ちょっと厳しいかもしれません。ボクは鑑賞後1時間くらい心臓がバクバクいってました。ギリギリ耐えられたw
とにかく娯楽映画をみたーいって時には、オススメですよ!


2011-06-11 22:02:33 | 映画

梅雨ですね。
梅雨は露と音が同じですね。水を意味することば。偶然ですかね。日本語はアクセントで意味を変えられない言語ですから、同音意義語が多いそうですね。井上ひさしさんの受け売りですけど。
生活は不便ですけど、梅雨は情緒的ですね。家のなかから見る雨は素敵です。

岳をみました。
これまた原作はぜんぜん読んでません。最近この手の映画が増えてますが、原作を知らない自分はラッキーです。結末を知りませんからw

メッセージ性の強い作品ですから、あえて小難しく感想します。
小栗旬くんや長澤まさみさんをキャスティングしているので、10代20代を狙った爽やかな青春ラブストーリーを想像しますが、すごく内容の濃い、重い映画ですよ。
フリークライミングや雪山登山などエクストリーム登山の愛好家に対して、一般のひとが抱く感想は、「なんで危険を犯してまで(いろんなひとに迷惑をかける可能性があるのに)山に登るのか」ですよね。自分はときどきハイキングしますから、登山が持つ魅力をそれなりに知りつつも、このような登山には同じような疑問を持っていました。でも、この映画をみて、気持ちが変わりました。そういう意味で、いろいろなことを考えさせてくれる作品です。

趣味って、仕事や家族行事にくらべ軽くみられてしまいますけど、そんなことないんです。趣味もひとを形成する重要な要素なんです。どんな趣味を持っているか、どんなことに興味があるかで、そのひとの考え方や生活様式が変わってきますし、ほかのひととの関わりも作られているんです。音楽にしろ読書にしろ映画鑑賞にしろスポーツにしろ、そしてエクストリーム登山も、本質的な意味においては、ひとを形作る趣味であることにはかわりがありません。ジョージ・マロリーが言ったとされる名言「そこに山があるから(Because it is there.)」は、そんな登山家のパラダイムをよく表していると思います(本人が言ったかどうかに関係なく名言です)。ロックが好きだから音楽を聞く。映画が好きだから映画館に行く。風をきるのが好きだから自転車に乗る。そして山があるから登山する。それでいいじゃないか。

つまり、たとえ危険に満ちていたとしても、山に登りたい人間の衝動は無くすことができないのです。ほっといてもひとは山にはいり、危険に身をさらしてしまう。
だから、登山家の安全をできるだけ確保してあげるプラットフォームを行政が提供することが必要なんです。長野と富山の県警にある山岳遭難救助隊は、そのようなレゾンデートルだと、この作品で気づかされた気がしました。
その意味では、登山愛好家だけでなく、登山に疑問を持っているひとに観てほしいですね。かならず何かを感じるはず。劇中、三歩がなんどもいうセリフ「また山においでよ」は、山を愛するひとに向けた応援のことばだと思いました。

小栗旬くんは見た目美しくなかったですねw。いい意味で。山男ですから。三歩が主役ですけど、三歩は積極的にストーリーに絡みません。三歩の周囲のひとが、彼がもつナチュラルな公共性、ピュアさを強調します。小栗くんは三歩の透明さを好演しました。
長澤まさみさんの感想は、なにしろ「足長っ」w そりゃ、登山に向かないだろっ。ストーリー上の主役は久美なんですね。久美の山岳救助隊員成長物語。どんくさ→試練→一人前のながれは、長澤さんにはぴったりですね。山女メイクでも、際立ってかわいいです。
「八日目の蝉」、「ブラックスワン」、「愛の勝利を」と、強烈な作品が続いたので、そのクラスと比べるとインパクトが若干弱まりますが、すばらしい内容の作品です。小難しいはなしは置いておいても、アルプスの雄大な景色は劇場でみる価値あり!
オススメ


愛の勝利を ムッソリーニを愛した女

2011-06-02 23:31:01 | 映画

愛の勝利を ムッソリーニの愛した女をみました。@シネマート新宿。みひろの映画以来ですね。ほぼ男オンリーのあの時と違って、年齢層、高っ。

ちょっと、観客の期待を裏切ったのではないかと思います。

かなーり難かしい映画でした。いや、イタリアのひとには割とある演出なのかもしれませんね。われわれ日本人には、ちょっと濃いかなーw

とはいえ、相当おもしろい作品ですよ。とくに後半は圧倒され続けます。

オペラのような作品です。登場人物が全員激情派のようにオーバー気味の演技ですし、それぞれのシーンが舞台の一幕のようにアーティスティックなんです。綺麗というより、おもーい芸術。音楽も叙情的ですし。濃い演出の作品だなーと思うわけはこの辺りにあるのかもしれないですね。
案外とボクらは第二次大戦時のイタリアを知らないですよね。ヒトラー・ドイツのことはわりと知ってますけど。だから前半1時間は、歴史を知らない故にちょっと展開について行けないところがあります。イタリア人なら当然知ってることだから、端折ってあったのかもしれません。なんでイーダがムッソリーニに疎まれたのか、よくわかんなかった。でも、そんなことなんかどうでもいいと思うくらい、後半の展開はめちゃくちゃスリリングでした!

ムッソリーニ政権にとっては、愛人と隠し子の存在を秘密にしたいところ。だからイーダは息子のベニートとも引き離され、精神病院に幽閉されます。不屈のイーダは、自分の地位を認めてもらいたい、そして子供に会いたい一心で、たった一人でムッソリーニ政権を相手に闘争します。イーダ、かっこいいです。

主演はジョヴァンナ・メッツォジョルノ。とにかくかっこいいんですよ。意思を貫くんだという、キリッとした胆のすわった表情が、U2のボーノを彷彿とします。
イーダが妹の家でふたたび捕らえられるシーンが感動です。村人が総出で警察を囲み、もう許してやれとイーダを守ろうとします。イタリアの庶民の愛を感じます。
ラストは衝撃的です。和名のタイトルが「愛の勝利」ではなく「愛の勝利”を”」になっている理由がなんとなく実感できます。

ドラマチックなおもしろい作品ですが、オススメできるひとは限られるかもしれないですね。イタリア映画をよく観るひとか、小劇場でやるシリアスな作品を見慣れてるひとにはぜひ観ていただきたいです。


ブラックスワン

2011-05-22 22:42:26 | 映画

ブラックスワンを観ました。
サスペンス映画の感想を書くのは難しいです。ストーリーがわかっちゃうと観てないひとにつまんないことになっちゃうし、ストーリー書かないとなにがなんだかわかんないというジレンマ。ブラックスワンは珠玉のサスペンスなんで、今回はなに言ってんだかわかんない線で書きますw
この映画を観るには覚悟が必要です。とくに痛いのとか辛いのが苦手なひとには。自分も痛い辛いのが大の苦手で、画面をまともに見れないくらい。だから、途中で何ども席を立ちたくなりました。決してつまんないからじゃないですよ。何しろ痛くて辛いんです。淀川長治さんに観てほしいなー。きっと「こわいですねー、こわいですねー」って仰るでしょう。
ね、何言ってるかわかんないでしょw
「白鳥の湖」のドラマティックな調べに乗せられ、どんどん引き込まれます。席を立つなんてありえない。ニナ(ナタリー・ポートマン)が白鳥と国鳥を二役こなすことになるのですが、メンタル的にロリータなニナには、官能的で衝動的な国鳥の感情がわからない。ディレクターのトマ(ヴァンサン・カッセル)に課せられた、国鳥になりきるという宿題がニナの心に深く重く影響していく、そんなドラマです。筋としてはよくありそうなんですが、演出がいい。ニナが追い込まれていく心理描写が、黒と白にフィーチャーした無機質なモダンアーバン美術とマッチしながら、観るひとの「こわーい」という興奮を次から次へと積み重ねていくのです。もう、クライマックスシーンの頃には、心拍数マックスです。そして、興奮絶頂の観客を置いてきぼりにするようなラスト。
けして完璧なシナリオではないと思います。いろんな描写方法はあったと思います。だからこそ、語りたくなる映画ですね。いろんな意見があるでしょう。近くの席に官能的なセクシーお姉さまがいて(ちょっとドキドキ)、そのかたは「面白かったけど、まあまあね」って仰っておりました。ボクはこの演出方法を肯定する派です。
ナタリー・ポートマンの映画。完全に主役だけにフィーチャーした映画ですから、俳優冥利につきるでしょうね。ナタリーの持ってる雰囲気は、悲壮感のある白鳥のイメージに近いです。(失礼ながら)いろいろちっちゃくてセクシャルアピールがないところも含めて適役だったと思います。ちょっとマッチョかな。肉体的な繊細さにはちょっと欠けるかな。バレエシーンはスタントではないんでしょうね。バレエのことは全然わかんないですけど、素人目に違和感はまったくなかったです。CGで強調してるところもあるんですけど、ナタリーの表情がどんどん変わっていくのは見どころです。すばらしい!
自分はあんまり見たことないんですが、ヒッチコック的な映画なんだと思います。痛い辛いといってもグロテスクなシーンはありません。血は流れますが、気分が悪くなることはなかったです。もちろん個人差がありますから、あくまでも参考までに。心理的にグリグリ追い込まれますから、心臓が弱いかたはちょっと無理しないほうがいいでしょうね。あと、性なテーマですから、過度にセクシャルな描写を嫌うかたは無理だと思います。セクシーなシーンはそれほどないですけど、セリフがなにしろw
これぞ映画ってすばらしいエンターテイメントです。2時間あっという間。オススメ~


ダンシングチャップリン

2011-05-08 23:12:14 | 映画

ダンシングチャップリン、やっと観ることができました。@銀座テアトルシネマ。いつもソールドアウトだったので。

いい映画館ですよ。シートがゆったり。自分は端っこの席だったからかもしれないですが、前のひとも気にならない。

ダンシング・チャップリンというより、Dance with Chaplinという感じ。プティさんのバレエの原題も「チャップリンと踊ろう」のようだし。

周防監督がクラシックバレエにささぐオマージュですね。クラシックバレエにかかわっているけどちょっと客観視できる監督だからこそできることだと思うのですが、いろいろなひとにバレエを知ってもらいたいというのがテーマなんだろうと感じました。だからこそ、数あるバレエの演目のなかから、チャップリンという一般に馴染みがあるテーマの演目を選んだのでしょう。たぶん。正直なところバレエを全然知らない自分は、バレエには高尚で排他的な印象を持っているのですが、きっと一般的な感想も同じだと思います。まずプティさんが良い意味でバレエを世俗化させていて、ピンク・フロイドやチャップリンをモチーフにしてる。そんなプティさんへの周防監督の賛歌なんでしょう。

この映画はメイキングとバレエをインターミッションでつなげます。メイキングシーンで周防監督が「舞台中継みたいにしたくない」と言ってますが、そのとおり、バレエシーンを効果的なエディットで魅力をあげることに成功していると思います。表情やテクニックのアップ、光の効果、音の効果など、ライブ感を大切にしつつも、メタバレエ的なイメージをつくりあげてます。
一方で、このバレエは偉大なる天才チャップリンとの戦いです。チャップリン的なものとの戦い。だからこの映画もチャップリンとの戦い。主演のマルコはバレエ初演のとき、チャップリン映画を怖くて見なかったそうです。チャップリンの映画はバレエのテイストがあるからバレエに向いているんだろうと思います。プティさんはそこを狙ったのでしょう。バレエであり同時に映画でもある、両者のアイデンティティーを尊重するコラボレーション。もともとはバレエシーンだけの予定だったのかもしれないなと思いましたが、メイキングをつけることで、この難しいコラボに向けた関係者のアプローチがよくわかりました。

非常におもしろいです。
ただまあ、現代のジェットコースター的なエンターテイメントを好むひとには退屈かもです。あくまでもクラシックバレエですから、あわないひとには合わないでしょうね。