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人民元切り下げで「通貨戦争」が新局面へ、米利上げにも影響か ~米金融政策への影響~ (ロイター)

2015年08月13日 | 国連・国際社会
焦点 人民元切り下げで「通貨戦争」が新局面へ、米利上げにも影響か (抜粋記事)
ロイター 2015年 08月 12日 10:57 JST
(Jamie McGeever記者)

[ロンドン 11日 ロイター]

 前文省略

 米金融政策への影響

  ドルの実効レートは過去1年で20%上昇した。こうした実質的な金融引き締めが米国の輸出競争力を弱めて成長の足を引っ張り、企業が海外から得られる利益を目減りさせてきた。

 シルバークレスト・アセット・マネジメントのチーフストラテジスト、パトリック・コバネク氏は「(人民元切り下げで)FRBは難しい状況に置かれた。FRBが(利上げを)遅らせる可能性が出てきた。このままの状況なら、利上げはより困難になる」と述べた。

 米議会はこれまで10年間、中国が巨額の介入で人民元を人為的に低く抑えて不当に有利な輸出環境を享受していると批判し、中国に人民元の管理フロート制度に基づく変動幅を拡大するよう迫ってきた。

 こうした米国の政策は、中国が10%成長を続け、毎年海外から数千億ドルもの資金が流入していた局面でこそ理にかなっていた。とはいえ、中国の成長率は25年ぶりの低い伸びが予想され、政府が海外への資金流出を外貨準備で穴埋めしている今、変動幅拡大は人民元の値下がりを意味する。

 FRBの金融政策に関しては、多くの市場関係者はなお利上げ開始時期を9月と予想している。

 JPモルガン・チェースのエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は「人民元切り下げはFRB当局者に米経済成長の小さな逆風とみなされそうだが、われわれの9月利上げという基本シナリオを変更するほど重要な要素ではない」と話す。

 それでもFRB当局者とエコノミストはともに、ドル高が続くようなら、為替レートの問題が最初の利上げ後の金融政策には大きな影響を及ぼすかもしれないと考えている。

 
 他の新興国の対応
 バークレイズのアジアに拠点を置くストラテジストチームは11日、中国が人民元を本当に市場実勢に大幅に近づける、つまり人民元を大きく切り下げるとすれば、中国と関係が深い通貨に対する下落圧力が増すだろうとの見方を示した。

 モルガン・スタンレーのアジアのストラテジストも、円を除くアジア通貨は対ドルで下落する可能性が大きいと予想する。

マレーシアリンギやインドネシアルピア、ブラジルレアルといった多くの新興国通貨は、自国経済の低迷を背景に資金流出が起きているため、既にドルに対してこの10年で最低の水準をつけている。

大きな問題は、これら新興国が中国に対抗して通貨切り下げに動くかどうかだ。

ドイツ銀行のマネジングディレクター、ニック・ローソン氏は「中国がどこかの時点で通貨戦争に参入するのは避けがたい状況だった。重要なのは他の中央銀行の反応だ。中国の貿易相手国の通貨には一層の下げ圧力がかかることになる」とみている。


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