音楽にこんがらがって

音楽制作を生業としている加茂啓太郎の日常

Art-Schoolの思い出

2009年12月12日 | 音楽
12年前にあるデモが届きました
おかっぱのまだあどけなさの残る少年が赤のパンツにケンズブールとジェーン・バーキンの2ショットがプリントされた淡いブルーのTシャツを着てました。
それが19歳のArt-Schoolのフロントマン木下理樹でした。

稚拙だけれど独自の世界観を持つ宅録の音源に興味を持った僕は早速彼に連絡しました。

ソロ時代の初ライブはなんと客ゼロ(関係者は5人程度いましたが)
木下君はバンドを組みたいと提案。
「黒人の女性ギタリストを入れたい」なんて訳分からない事を言いだしたりもしましたが、第一期のメンバーが揃いバンド始動。

その後、確実に動員を伸ばしメジャー・デビュー。
ツアーは僕もマネージャーとして同行しました。
新潟の洞窟みたいな駅でのPV撮影は僕の辛かった仕事チャート3位くらいいです。美人双子を使ったPVは傑作だと思います。

第一期のラスト・ライブは無名時代のBaseBallBearのメンバーも来てくれました。

フェスとかでは何回か見ましたが、ワンマンは久しぶりに見ました。

次長課長のようなグダグダのMCと聞くものの心をえぐるような歌と演奏のギャップ。
新ドラマーも新しいマジックを生み出してました。
来年はデビュー10周年だそうです。
売れる事より続ける事の方が大変だという実例だと思います。

LOVE/HATE(初回)

EMIミュージック・ジャパン

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公開デモ評議委員会やりました

2009年12月10日 | 音楽
復活した公開デモ評議委員会も3回目です。今回のゲスト・コメンテーターは朝の連ドラにも何故か出演のローリーさんとミドリのキーボードのハジメ君です。
集まったデモは43本。
中学3年のスティーブ・レイボーン好きなギタリストから、女性SSW,ハードコア、テクノまで。本当にありがとうございました。
後半は全部を紹介したかったので駆け足になってすいません。

ローリーさんとハジメ君は初対面だったのですが、多分仲良くなれるのではないかと思いセッテイングしたのですが、楽屋でウリ・ジョンロートというカルト人気のギタリストの話でほぼ終始しました。

ローリーさんは話の面白さは最高ですね。音源の感想を時代と場所に例えるというのは最高ですね。後ボーカリストなので歌のディレクションが自分で歌って出来るというのは良いですね。

ハジメ君はメタルとガールポップが好きという二極分化的趣味があるのですが、それを活かしたコメントをしてくれたかと思います。

僕はすかんちの追っかけで東京のワンマンはほぼ皆勤だったと思います。
ローリーさんが司会のテレビ番組「もぐらねぐら」というのにゲストで呼んでもらったのに生放送だったので番組が押し1分も出られなかったなんて事もありました。

それで95年にEMIの洋楽カタログのB級ロックのコンピを作ってもらいました。(前述のジョン・ウリロートも収録)
ジャケが消えた漫画家鴨川つばめなのですが収録されていないT-REXとQueenのイラストというまさに羊頭狗肉です。

調べたらレア盤になっていてネットで8800円でした。
探せば逆に100円コーナーとかにあるかもしれません。

同じくすかんちの大ファンだった元ナンバーガール、現bloodthirsty buthersの田渕ひさ子ちゃんも買ってくれたそうです。






大阪から福岡へ

2009年12月07日 | 音楽
大阪の某ライブハウスに某バンドを見に行く。
このバンドは実は今、メーカー、マネージメントで争奪戦になってるので内緒です。

僕が経験したものだとブルーハーツ、スピッツ、ウルフルズ、ここ何年かだと
HY,氣志團、レミオロメンとかは程度の差はありますが争奪戦になりました。


バイト先に追っかけたり、地元に行ったり。こういうのも仕事の醍醐味です。

翌日は数日前にCDを聴いて「これは新しいかも」と思った、某バンドがツアーで福岡でライブがあるというので追っかける。

このバンドは素材は新しくないものだけれど、これを併せたのは誰もまだやってないというアイディアがありました。
たとえるとバター醤油を発明したみたいな感じです。

でもこのライブハウスはフロアは禁煙でタバコ吸ってる客がいるとPA席から注意するし、ドリンクもきちんとビールで2杯目からはディスカウントと非常に良かったです。全てのライブハウスは見習って欲しいです。

ライブの前に中古レコード祭りがあったので寄る。
DrJhonの「GUMBO」のLP2900円は探してたんですが、ちょっと高いような気がして断念。

Monocrome Setの初期の名ギタリストレスター・スクェアーが参加しているThe InvisibleのLPが980円でご機嫌。

Damnedの3rdの「Machinegun Etiquette」(この聞き間違いがミッシェルガン・エレファントの名前の由来だそうです)のLPって探してるんですが意外に無い(1st,2ndは良くある)んですよね。



大江戸りびんぐでっど

2009年12月04日 | 音楽
日本人だし演劇好きだし、いつか見ることもあるかと思っていた歌舞伎を初めて見に行きました。
理由は宮藤官九郎さん作演出、音楽、向井秀徳担当の「大江戸りびんぐでっど」を見に行ったからなんですが。

歌舞伎というのは演目が4つくらいあって、30分くらいのが3本。2時間程度のメインが1本という構成なんですね

なので午前11時から、午後4時半まで。
席はセンターの8列目で16000円という、大人な料金。
古典歌舞伎は音声ガイドがないと正直きついですが、やはり伝統の様式美の説得力はさすがです。意外にユーモアもあるのも驚きました。


そして「大江戸りびんぐでっど」は設定が江戸時代で歌舞伎役者が演ずるという事以外はいつものクドカンの舞台。

むしろ、いつもの舞台より美術はすごいかも(最後のシーンとか)

でも客の7割は60歳以上、クドカン知らないと見たんですが、これで良かったんでしょか?
相当ありえない台詞等乱発だし、向井君の音楽が三味線に乗って鳴り響くし。

最高でした。なんとかもう一回みたいです。

フリーペーパーできました

2009年12月02日 | 音楽
フリーペーパー「Great Hunting」第18号が出来ました
表紙と巻頭はGreat Hunting出身の湯川潮音ちゃん。
単身イギリスで3週間の合宿生活で作り上げた,異色にして珠玉のカバーアルバムの意図を不肖私がインタビューさせていただきました。

レディオヘッドのカバーが個人的にはお気に入りです。

その他、音楽ファン、アマチュア・ミュージシャンに役立つ情報が満載です。

お近くのリハーサル・スタジオ、ライブハウス、大型レコード店で探してみて下さい。

渋谷B.Y.Gで音楽業界の志士がつどうような飲み会。
翌朝が会議なので早く切り上げるつもりが、異常に盛り上がり2時過ぎ&記憶無し。
新撰組の切り込まれたら間違いなく全員切り殺されてます。







蜘蛛か私立探偵の気持ち

2009年12月01日 | 音楽
Great Hunting Night Vol6 お越し頂いた方、出ていただいたバンドの皆さんありがとうございました。解散が決まったバンド、メンバー・チェンジが決まったバンドなど、人生色々、バンドも1000個あれば1000のストーリーがありますね。でも化けるバンドを見るのは、この仕事の喜びだったりします。
ドラムが良くなると、その5倍バンドは良くなる理論を感じました。

映画「イングロリアウス・バスターズ」を見る。
これは最高です。
全ての芸術は世の中の矛盾と不条理を描かなければいけないというのが僕の理論ですが、そういう意味で、これは芸術でした。
インディ何とかみたいに絶対に弾があたらないとかないですから「えっ、ここで死んじゃうの!?」とか。

福岡のハナエちゃんから新曲のデモが届く、これが素晴らしい、これも先述と同じ意味で芸術でした。
宝石のように輝く矛盾と不条理が織りなす美でした。


僕らは良いアーティストの出会いがないと、暇な蜘蛛か私立探偵の気持ちなんですが、事件が舞い込む、獲物がかかると急に色めきたちます。