音楽にこんがらがって

音楽制作を生業としている加茂啓太郎の日常

フジロックのロキシーミュージック

2010年08月07日 | 音楽
まさかと思いました。
サマソニならともかくフジロックでROXY MUSICそれもグリーンのトリ。

もう最前10mくらいまで行き、全曲心でシングアロングでした。
前回の02年?の国際フォーラムより全然良かった
現在、今年のベストライブです


僕は15歳の時、多分日曜日の午前11時からNHK-FMで当時の最新シングル「恋はドラッグ」がかかりました。

それは、それまで好きで聴いていたグランド・ファンク、ディープ・パープルといったハードロックとは全然違いハードなギターリフもソロも無く、歌も上手いんだが下手なんだが良く分からないものでしたが、「何だこれ?」と思ったら、それが突然頭の中で鳴り止まなくなりました。
まさに神聖かまってちゃんのR&Rが鳴り止まない状態です。
僕の記憶では自転車に乗りながら聴いていたように思い出すのですがカセット・ウォークマンですらない時代ですからあり得ないはずなのですけどね。

それから1枚づつアルバムを買い集め、その謎すぎる世界にズブズブとはまりました。

ノイズを出すだけのシンセを弾くメンバー(ブライアン・イーノ)オーボエを吹くメンバーが居るバンドなんて古今東西未だにないと思います。テクニカルではないですが独特のフレーズと音色のギター、ファットな8ビートのドラマー(コレが実は肝)。後期はシースルーのバイオリンとキーボードのメンバーも加入。
そして悪趣味ギリギリのフアッション・センス。

ベースが常にサポート・メンバーというのも当時の感覚から言うと不思議でした。

僕が彼らを知ってすぐ解散してしまうのですが77年のブライアン・フェリーの初来日は
ロキシーの主要メンバーに当時のスタープレイヤー、ジョン・ウエッットン(正直当時は元キング・クリムゾンという事で彼のほうが歓声がおおきかったです)
クリス・スペディングも参加。
一緒に行ってくれる友人もいず、一人で迷って泣きそうになりながら行きました(昼の部は記憶ではランナウェイズがライブやってたんですがかなり今なら考えられないですね)

選曲は最新ソロ・アルバムの「In Your Mind」が中心。

クリス・スペディングがリーゼントで黒のジャンプスーツがフライングV(コレ誰か真似しませんか)を抱えてのギターソロがパンでぐるぐる会場を回ったのには、そんな手法があるなんて知らない自分はぶっとびました。

ちなみにフジで競演した布袋さんも居たそうですね。

再結成の報を聞いて喜んだのですが、初期の変態的な要素は薄れ時代に順じたAOR的なものなっていたのと、すでにパンク&NWの時代になっていた事もあり急激に彼らの興味は薄れました(AVALONは別物として最高ですが)

01年の再結成後の要はオリジナル・ドラマーのポール・トンプソンが復帰した事。
彼じゃないと80年代以降のライブ盤を聴くと分かりますが、”あの感じ”が上手いドラマーを使っても出ないんですよ。

ただ再結成ツアーの02年は見に行ったのですがAVALONの曲はNYの1流スタジオ・ミュージシャンが叩いているので彼だと違和感を凄く感じたんですよね。
でもフジロックで見て関心したのは上手くなっていてAVALONの曲も遜色が無く感じました。不思議なもんです。

それと隠れエピソードでブライアンのソロ”Let'stick Together”の邦題を後に僕の上司になりVOWWOWのディレクターも担当した菊池洋一郎さん(今どこでどうしてるんでしょうか)”ミスター・ダンディー”とつけたら、これが本人に伝わり逆鱗に触れたそうです。そりょそうですよ。髭男爵じゃないんだから自分の事をミスター・ダンディーなんて言う奴はいませんって。

それと今野雄二さんのライナーがいつも最高でした。
読みながら聴くと、データとしてだけではなく、その世界観がぐっと深まり、アルバムへの思い入れが深まりました。今はそんな事は全くありません。
そのフジロックのライブをやっている頃に亡くなられたちうのも感慨深いです。

ご冥福をお祈りします















Roxy Music
クリエーター情報なし
Virgin Records Us