パパと呼ばないで

再婚した時、パパと呼ばないでくれと懇願した夫(←おとうさんと呼んで欲しい)を、娘(27)「おやじ」と呼ぶ。良かったのか?

裏と表とフィクションとノンフィクションと正義と悪と・・・

2010年12月23日 | 本・マンガ・テレビ・映画
12月23日(木)晴れ

小説家とは、何と罪作りなものよ。
先日、井上ひさし著「一週間」を読み始めた夫が
「シベリア抑留の話なんだけどさぁ~
『不毛地帯』のイメージと、違ってくるんだよねえ。」
あ~、不毛地帯!
思い出してもぞっとするような過酷な状況下での労働。
唐沢寿明扮する壱岐正が、極寒の地での・・・と思い出す妻に、夫が言うには・・・
収容所内で日本人将校が部下の兵隊たちの食料を日常的に横取りしてたらしいんだよねえ~
結局のところ、一番ひどい目にあったのは下っ端の兵隊で、将校とかは、それほどひどいわけじゃなかった・・・ってなことを言う。
う~む・・・
なんだかなあ~
不思議というか、違和感というか、変な気持ち。
最近、良くこの気持ちに襲われる。
同じく、山崎豊子著『運命の人』を読みながら、佐藤栄作氏のイメージがボロボロと崩れていった時も、この気持ちを感じた。
何にもわからない小学生の頃、ノーベル平和賞を受賞した佐藤氏は、
それだけで凄い人、偉い人だったのだ。
その後、成長して、沖縄のこととか勉強すれば、もっと違う感想とか持ったのだろうが、
何も考えない、アホでお気楽な人生を歩んできたので
沖縄密約事件のことも知らずにこの年になっている。
そして・・・この衝撃である。
さらには、この事件、有罪が確定してからも、何十年経った今でもまだ延々と訴訟だなんだと続いている。
夕べだったか、付けっぱなしのテレビから流れてきたのは
復帰前の沖縄の県知事選での裏工作。
またも同じ気持ちに襲われる。
この、機密文書とか外交文書とかの暴露、あるいは何十年も経ってからの公開は
どういう意味を持つものなのか。
尖閣諸島沖の中国船衝突映像の流出問題も、また同じ気持ちが襲う。
いや、この問題にしたって、ワタクシ、良いも悪いもはっきり決められないでいるのだが、
ただただ「気持ち悪い感じ」なのだ。
人間は、一面性ではないのもわかってる。
特に政治に関しては、清廉潔白だけではやっていけないことだって重々承知。
それゆえ、こっち側から見ると「いい人」が、あっち側から見ると「悪い人」ってこともある。
井上ひさし氏の見た側と、山崎豊子氏の見た側は真逆とまでは言わないが、ずれていただろうことも理解できる。
その二つの面、あるいは三つ四つの面の中から、
自分が『真実の面』を選ばなければならないということか。
大河ドラマで、新撰組の話を見ながら幕府を恨む気持ちを持ち、
龍馬を見ながら新撰組をウザく思う気持ちを持つようなワタクシには
非常に難しいことである。
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9 コメント

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隠されていること (paru)
2010-12-24 00:15:17
よく読んでいるブログでこんな記事がありました。
http://blog.goo.ne.jp/agrico1/e/5b949f0b3845f84b2ff0576cf31c0445
(1~3まであります)
水木さんの体験じゃないですが、日本兵の将校(上層部)のひどい行いって誇張されている気がします。
もちろん実際にあったことは事実なんですが。
日本人がしたことばかりが悪なんだと他のことは隠されているのが多いと思います。
戦争に勝った国とそうでない国との差じゃないですね。
食でも給食から栄養士の学校からすべてアメリカ(GHQ)の指導と資金から発祥していますからねぇ。
歌舞伎も忠臣蔵など忠誠心の強いものは上演禁止になっていましたし。
反米感情を持たせないようにするため、アメリカ文化をどっと流し憧れを持たせ、自分の国はよくないんだという洗脳は今でもされてると思いますー。
返信する
おいらも (よぴの@福井県っぽくバンコク)
2010-12-24 01:21:48
新撰組の本を読んでたら幕府を敵と思うし、
龍馬伝を見てたら新撰組うざって思いますよ。(これは原田泰三だったからかもw)

人間ですから、そのときの気持ちに流されてもいいんぢゃないですかぁ。

「運命の人」途中までしか読んでいないことに気がつきました。。。
返信する
そういえば (paru)
2010-12-24 12:40:34
龍馬伝を見て夫が、「亀山社中だって結局は武器で儲けていたわけだし」と言っていて、なるほどそういう見方もあるかと思いました。
グラバーはフリーメイソン説もあるし、龍馬も外国勢力に暗殺されたという話もありますから。
個人的には日本を変えるというセリフが今の社会と結びつけるために強調してるようで胡散臭く感じてしまいました。
刺客だった亀治郎達のように急に武士から無職になり、路等に迷う人は何万もいたでしょうしね。
返信する
paruさんへ (n)
2010-12-24 15:50:56
いやぁ~軽い気持ちで↑agricoさんのブログを見に行ったら・・・
びっくりしました。
あまりに長編で・・・
さらには2、3と続くとのこと。
あらためて後ほどじっくり読ませていただくことにして、今は逃げ帰ってまいりました。

良くparuさんがおっしゃってることですよね。
「知るべき」こと。
知って、自分で考え、判断する。
この力が、ワタクシは弱いなあ~と思います。
右にふらふら、左にふらふら。
食事のことも、教育のことも、なにもかも・・・
みくし~のほうに来てくださるかたがおっしゃってたのですが『今は中庸や保身が多すぎる』
そうだなあ~と思いました。
偏りがないのを良しとして生きてきたけど、
はたしてそうなのか!?
『確固たる信念』これがワタクシには欠けている。
返信する
よぴのさんへ (n)
2010-12-24 15:57:34
次は『江』
敵は何になるのか?
織田信長?
わ~っ!それは困る。
トヨエツは、昔から愛しておるのです(・・・知らんがな・・・)

「運命の人」ワタクシもまだ途中であります。
山崎センセのご本は長過ぎる・・・
返信する
中庸 (paru)
2010-12-24 19:08:02
中庸になるのはとても難しいですよ。
マクロビオティックや薬膳もそうですが、東洋は古代中国から陰陽五行の思想で、陰と陽の間の中庸が最もよいとされています。
日本人も西洋化してるので、陰陽のどちらか極端な人ばかりで中庸の人には滅多に会わないですね。
肉食たっぷりは陽性化するし(笑)
どちらかにじっと偏っている人はいないし、相手に合わせたり、自分の意見を言わないのが中庸ではないですからね。
自分を大事にしないのも違いますし。
なのでnさんのように偏らないでいようというのはとても日本人らしくてよいと思います~。
食とか環境は有吉佐和子の複合汚染が一番てっとり早く信念が固まります。
うちの夫はこれ一冊でだいたいのおおまかなことはわかったと言ってます(笑)
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paruさんへ (n)
2010-12-26 22:58:00
すみません・・・書きながら、『いや、中庸ってな言葉を使うのは恐れ多いっつーか、使い方間違ってるっつーか』と思ったのですが、
何となく、自己弁護的意味合いで使ってしまいました・・・
ただ、『中庸』でありたいと願ってきたつもりが、
ズレてきて、中庸=どっちつかずみたいな方向に流れてる自分。
こんなことならいっそ信念持った偏り人生を歩いてる人のほうが魅力的な気もしている今日この頃です。
返信する
Unknown (paru)
2010-12-27 09:53:03
動きながら変わっていくのが一番いいのでしょうね。
頑固に変えない人はそこでシャットアウトしてますから、柔軟性がなくて一番厄介な気がします(笑)

スリムクラブの人はフランチェンと同じなんですね。
スリムクラブを知らない夫が同じ人なんではないか?と。
よく気付いたな~。
一番すごかったのは各コメントにきちんとツボを抑えたギャグを織り込む松ちゃんだと思います(笑み)
返信する
paruさんへ (n)
2010-12-27 10:44:27
ワタクシもスリムクラブを知らなかったのですが、
娘が「ん?この声とかしゃべり方、フランチェンじゃない?」と言い出し、
をーーーっ!そう言われてみればそうだわねえ~

審査員って、確かに難しいだろうけど、これほど出演順が点数に響くというのも珍しい状況ではないでしょうか。
スリムクラブ、トップバッターだったらどんな点数だったかなあ~と
少しいぢわるな気持ちで思ったりします。
紳介がうざくて、我が家では不評。
宮迫が、優しい顔で楽しそうに聞いてる顔が好評。
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