3月14日(日)晴れ
相変わらず花粉症でグズグズですが、それでもやはり晴れて気持ちが良くて、出かけたくなる季節ですな。
東京にいる頃はソメイヨシノ中心だったのですっかり忘れていたが、こちらのヤマザクラの綺麗なこと。
車で走っていると、緑深い森の中にポツンポツンと、桜がこぼれ咲いている。
ソメイヨシノが、「見る人を意識しているのね、あたしのために咲いてくれているのね」と思わせる綺麗さなら、
ヤマザクラは、孤高の綺麗さ、まさに自然体、誰のためでもなく咲いている。ただ咲いている、春だから、と。
と桜の季節になりまして、機嫌が上向きになりつつある。
さて!
先日、武家屋敷群に行った時に会った管理人さんは、作業服着てて鎌みたいなもの持ってて、一見、普通のおっさんだった。
定年後の再就職口としてはいいとこ見つけましたなあ〜くらいの気持ちで、我が夫とおしゃべりに興じてられるのを遠巻きに眺めていた。
しかし、その後、一緒になって話を聞いてみると、いやまあ驚いたり感心したり笑ったりと楽しかった。
というのも、この管理人さん、いわゆる案内人とか学芸員とかのように、上から説明してあげましょう、案内いたしましょうというスタンスでなく(いや、あくまでイメージですよイメージ)
自分が知ってること、聞いたことを、「面白い話聞いたんだよ」というおしゃべりに変換して教えてくれる。
例えば・・・
この増田家住宅の蔵から出てきた西郷翁の掛け軸。
彼は「をっ!これホンモノじゃないか?」と市の職員に言ったらしいのだが取り合ってもらえず、いともさりげなく無造作に雑に床の間に掛けられた。
で、しばらくしてから、見る人が見て「ホンモノだ!」
で、今、掛かっているのは富士ゼロックスが、無償で作ってくれたというレプリカ。
これが実によくできている。
そもそもが、この書は、この地に狩猟で訪れていた西郷隆盛がお礼に書いた書なので、そもそも大きな紙を持ち歩いているわけでなく、半紙を繋いで書いたもの。
その半紙の糊付け部分までもが見事な再現。
さらにおっさんの話は続く。
「私の友人二人ががその話を聞いて、俺んちの蔵にもあるかも!と帰ってから蔵を探したら、あったんですまた、西郷さんの書が!」
ひゃ〜と驚きながら、ワタクシ心の中で、西郷さんって筆まめな人だったのね〜と思うことであった。
部屋の、釘隠しのことも教えてもらった。
それも、彼もお客さんに指摘されるまで鶴だと思ってたと。
そしたらある団体客から「これは雁です」と言われて「ああ、そう言われれば!」
その後も、やたらと雁や鶴のウンチク話が続くので尋ねたらその団体客「鳥類学会」の関係者だったというオチ。
ワタクシが水屋の写真を撮ってると・・・
そのお重は螺鈿ですよ、とか、この中に「柿右衛門があるんですよ」とか。
え〜〜〜っ!??
赤いのないけど???
それも、観光で来られていたおば様から彼が教えてもらって知った話で、柿右衛門がまだ無名だった頃、輸出用(フランス)に作ったものだとか。
よくよく聞くとそのおば様はお茶の先生だとか。
その後、学芸員さんにも「柿右衛門」を確認してもらったんですよと笑う。
思い出したように・・・
「これ、何か知ってます?」
n「知らな〜い」(←バカ丸出し)と言いながらやたら写真だけは撮りまくる。
すると管理人さん「宴席で、これに水を張っておいて、酒を酌み交わす時にこれで盃をすすぐんです。
フラッシュ焚いて写真撮ると、水を張ってあるみたいに金魚が浮かんで見えますよ。」
確かに!!!
ああ!知らないことが多すぎる56歳。
でも、ここで教えてもらって知ることができた。
いつもなら、人を避けて避けて、よけてよけて、逃げて逃げていたが、この管理人さんの、押し付けがましく無い話術のおかげで「知る」ことができた。
自分の、頑なに人を拒んだり避けたりする態度を、少し軟化させたらいいことあった!という発見。
人間嫌いと言われてもいいんだも〜ん、自分の好きな人達とだけお付き合いして生きていきたいんだも〜んと思っているが、
それはもしかしたら自分にとって損なこともあるのねと深く反省したのであった。
と、結局のところ、今、桜が綺麗で、気分も上がってるからの話かもしれませんけどね。
またしばらくしたら鬱々と、まるで呪いのような日記を書くかもしれませんけどね。
ワタクシ、もうこの歳になったら、知識は自分で、自力で、本やテレビやネットで入手するものだと思っていたもので、
あの管理人さんから色々な面白い話を教えてもらったことがものすごく衝撃的だったのだ。
ここに書いたのはほんの一部で、まだまだたくさん聞いてたくさん教えてもらった。
でも何よりも、こういう学び方があるということを改めて知ったことが何より一番大事だと噛み締めているところ。
相変わらず花粉症でグズグズですが、それでもやはり晴れて気持ちが良くて、出かけたくなる季節ですな。
東京にいる頃はソメイヨシノ中心だったのですっかり忘れていたが、こちらのヤマザクラの綺麗なこと。
車で走っていると、緑深い森の中にポツンポツンと、桜がこぼれ咲いている。
ソメイヨシノが、「見る人を意識しているのね、あたしのために咲いてくれているのね」と思わせる綺麗さなら、
ヤマザクラは、孤高の綺麗さ、まさに自然体、誰のためでもなく咲いている。ただ咲いている、春だから、と。
と桜の季節になりまして、機嫌が上向きになりつつある。
さて!
先日、武家屋敷群に行った時に会った管理人さんは、作業服着てて鎌みたいなもの持ってて、一見、普通のおっさんだった。
定年後の再就職口としてはいいとこ見つけましたなあ〜くらいの気持ちで、我が夫とおしゃべりに興じてられるのを遠巻きに眺めていた。
しかし、その後、一緒になって話を聞いてみると、いやまあ驚いたり感心したり笑ったりと楽しかった。
というのも、この管理人さん、いわゆる案内人とか学芸員とかのように、上から説明してあげましょう、案内いたしましょうというスタンスでなく(いや、あくまでイメージですよイメージ)
自分が知ってること、聞いたことを、「面白い話聞いたんだよ」というおしゃべりに変換して教えてくれる。
例えば・・・
この増田家住宅の蔵から出てきた西郷翁の掛け軸。
彼は「をっ!これホンモノじゃないか?」と市の職員に言ったらしいのだが取り合ってもらえず、いともさりげなく無造作に雑に床の間に掛けられた。
で、しばらくしてから、見る人が見て「ホンモノだ!」
で、今、掛かっているのは富士ゼロックスが、無償で作ってくれたというレプリカ。
これが実によくできている。
そもそもが、この書は、この地に狩猟で訪れていた西郷隆盛がお礼に書いた書なので、そもそも大きな紙を持ち歩いているわけでなく、半紙を繋いで書いたもの。
その半紙の糊付け部分までもが見事な再現。
さらにおっさんの話は続く。
「私の友人二人ががその話を聞いて、俺んちの蔵にもあるかも!と帰ってから蔵を探したら、あったんですまた、西郷さんの書が!」
ひゃ〜と驚きながら、ワタクシ心の中で、西郷さんって筆まめな人だったのね〜と思うことであった。
部屋の、釘隠しのことも教えてもらった。
それも、彼もお客さんに指摘されるまで鶴だと思ってたと。
そしたらある団体客から「これは雁です」と言われて「ああ、そう言われれば!」
その後も、やたらと雁や鶴のウンチク話が続くので尋ねたらその団体客「鳥類学会」の関係者だったというオチ。
ワタクシが水屋の写真を撮ってると・・・
そのお重は螺鈿ですよ、とか、この中に「柿右衛門があるんですよ」とか。
え〜〜〜っ!??
赤いのないけど???
それも、観光で来られていたおば様から彼が教えてもらって知った話で、柿右衛門がまだ無名だった頃、輸出用(フランス)に作ったものだとか。
よくよく聞くとそのおば様はお茶の先生だとか。
その後、学芸員さんにも「柿右衛門」を確認してもらったんですよと笑う。
思い出したように・・・
「これ、何か知ってます?」
n「知らな〜い」(←バカ丸出し)と言いながらやたら写真だけは撮りまくる。
すると管理人さん「宴席で、これに水を張っておいて、酒を酌み交わす時にこれで盃をすすぐんです。
フラッシュ焚いて写真撮ると、水を張ってあるみたいに金魚が浮かんで見えますよ。」
確かに!!!
ああ!知らないことが多すぎる56歳。
でも、ここで教えてもらって知ることができた。
いつもなら、人を避けて避けて、よけてよけて、逃げて逃げていたが、この管理人さんの、押し付けがましく無い話術のおかげで「知る」ことができた。
自分の、頑なに人を拒んだり避けたりする態度を、少し軟化させたらいいことあった!という発見。
人間嫌いと言われてもいいんだも〜ん、自分の好きな人達とだけお付き合いして生きていきたいんだも〜んと思っているが、
それはもしかしたら自分にとって損なこともあるのねと深く反省したのであった。
と、結局のところ、今、桜が綺麗で、気分も上がってるからの話かもしれませんけどね。
またしばらくしたら鬱々と、まるで呪いのような日記を書くかもしれませんけどね。
ワタクシ、もうこの歳になったら、知識は自分で、自力で、本やテレビやネットで入手するものだと思っていたもので、
あの管理人さんから色々な面白い話を教えてもらったことがものすごく衝撃的だったのだ。
ここに書いたのはほんの一部で、まだまだたくさん聞いてたくさん教えてもらった。
でも何よりも、こういう学び方があるということを改めて知ったことが何より一番大事だと噛み締めているところ。