昨夜のテレビの続きとなるが、明治憲法にあっても
日本は三権分離が明記された、立派な民主国家で
あって、天皇は「君臨すれども統治せず」の立場に
あった。
亡くなった司馬遼太郎さんが、作品の数々の中で
憤りを露にされている「統帥権」なるものは、陸軍省
の傘下にも入らず、三権のいずれの影響をも受けぬ
勝手気ままな存在であるが、かの山縣有朋ですら
ここまでは行わなかった、陸軍強硬派のやりたい放
題の理論的根拠を、いったい何時から誰が許し、
その専横を可能にしたのか、その辺りの追求がなく
元々存在したモノかの設定には、不満足を覚えた。
形式的には、統帥権は海軍も軍令部の名を以って
参加しているのだが、例えば山本五十六の立てた
案には軍令部も賛成する海軍一致の空気があった。
日本は野蛮な陸軍を持ち、そのおかげで三百万人
もの戦争犠牲者を出す結果を生んだ。
今の日本に正式な軍隊は不可欠であると思うが、
統帥権なる化け物が再び復活してのひとり歩きの
愚は絶対に避けなければならない。
パパゲーノ
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