作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 アマデウス 】

2008-02-19 20:52:00 | 02 華麗な生活

少し時間差があるが、去る土曜日の夜、BS第二で
アマデウスを見た。
映画を見たのが、確か八六年だったと思う。
その後DVDでも見たりしたのだが、今回の放映は
映画ではカットされていた部分があったり、その分
だけストーリーの流れも良く分かった。

この映画の素晴らしさは、何といっても、場面、場面
に応じた名曲の数々が流れることで、モーツアルト
に宮廷内での仕事をと、妻のコンスタンツエがサリエリ
の自宅を訪れて依頼する場面に、楽譜のすべてが
オリジナル、しかも書き直しの部分がゼロということ
に、サリエリが驚愕して楽譜を取り落とすところと
思うのだが、そこで流れる名曲のメドレイに尽きる
のじゃなかろうか。
最初の曲『フルートとハープの協奏曲第二楽章』が
特に好きで、この曲を聴いていると、汚れきった心が
洗われる心地がする。

映画には無かった話だが、ここでサリエリが「依頼
には謝礼が必要だ」と、今夜ここへ来いと言う。
コンスタンツエが、考えあぐんだ末のことだろうが、
サリエリのもとにやってくる。そして上半身のヌード
を曝す。
あの場面、映画ではカットしていたが、残しておいた
方がストーリーとしては良かったんじゃなかろうか。
エリザベス・ベリッジは、せっかく脱いだのに、監督
とスタッフの目を楽しませただけじゃ、脱ぎ甲斐も
なかったということにならないか。

モーツアルトが死の直前、レクイエムの依頼者に
死神を感じておびえながらも、最後の仕上げに取り
掛り、それを助けるサリエリの、能力的について
いけなくも、真の友情が生まれて努力する演技は
拍手ものだった。

最後は哀れである。モーツアルトほどの天才が、
共同葬儀所で処理されて終わるのだから。
映画の切れるまで流れた『ピアノ協奏曲第20番』
の響きが、慰めとなった。



                 パパゲーノ

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