作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 三大栄養素の消化・吸収について 】

2014-04-08 17:39:53 | 06 身体の科学

人間が食べて燃料としてカロリーを発するのは、三大栄養素と呼ばれる
炭水化物(糖質・でんぷん質)・脂肪・タンパク質だけに限られています。

炭水化物と脂肪は、共に炭素・水素・酸素の三原子から成り、
タンパク質にだけ、三原子に加えて窒素が参加しています。

炭水化物と脂肪の分解は、分子量が少ないので、分解・吸収も比較的に
単純に出来ます。

ただし燃料として先ず燃えるのは炭水化物の方で、脂肪は言わば予備燃料
の位置づけになります。
いったん身体に付いた脂肪が、なかなか取れないのも、この為と言って良い
でしょう。人間の本来の主食が穀物であるのと関係があります。

炭水化物は1グラムが燃えると4キロカロリーを発し、脂肪は1グラムで9キロカロリー
にもなる熱を発生させるのも、如何にも予備燃料に相応しいことと言えましょう。

タンパク質になると、消化・吸収も窒素を含んだ分だけ、分子量も高くなり、
そのままでは人体の消化器官は消化・吸収が出来ません。

だから胃の中で、ペプシンという分解酵素で、アミノ酸という小さな分子量の
物質に変える必要が出てきます。

分解されてアミノ酸に形を変えてから、初めて消化・吸収が出来るのですが、
タンパク質を摂る主目的が、身体の中の60兆個の細胞が毎日壊れていくのを、
補給・充足することにあり、燃料に廻るとしても、余程のカロリー源不足の場合
に限られます。
言い換えれば栄養失調の人以外は、タンパク質を燃料には使いません。

「からだの科学」と題する、このシリーズでは、タンパク質が最も複雑で説明が
難しいテーマになっています。

人体は毎日体重の千分の一を失っていると、説明すれば御納得されるでしょうか。
ヒフ細胞は垢や抜け毛となり、胃腸の粘膜細胞は、排便時にこすり取られるなど、
60キロの体重の方は、60グラムの細胞を失っているのだとご記憶を願います。


次回は酵素と補酵素の説明に入ります。
触媒と酵素の違い、工場での化学変化と体内での化学変化の違い。
それをお話ししましょう。

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【 酵素って化学品? 】

2014-04-08 10:16:38 | 06 身体の科学
無理もありません。栄養素すなわち食品の話の中で、
いきなり「化学品」って言葉が飛び出したんですから。

実は人体はそれ自身が、巨大な化学コンビナートみたいな物で
さまざまな化学反応を起こしながら、体熱を保ちエネルギーを起こして
動いています。

食べる物も全部化学記号で表すことが出来ます。
例として生きる上で不可欠な三つの物を列挙しましょう。
水、塩、酸素です。 それぞれH2O,NaCl,O2 と成ります。
すなわち全部化学品です。

人体は食べ物を消化・吸収・代謝の過程で熱・エネルギーを産出する。
その熱量のはかり方として、カロリーという単位を用いています。

人体は炭水化物、脂肪、タンパク質の三大栄養素を摂り、カロリーを生む。
他の食物繊維やビタミン、ミネラルのカロリーはゼロです。
 

炭水化物(糖質・でんぷん質ともいう)と脂肪は、炭素・水素・酸素の三つの
原子で構成されている。

ところがタンパク質は、上記の三原子に加えて窒素も含んでいるから、その分
複雑な化学構造に成って、分解や組み立てに、より多くの酵素が必要に成る
のです。

今日のところは、ここまでとし、続きは改めて書きましょう。

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【 発酵液に酵素はあるのか 】

2014-04-04 17:15:13 | 06 身体の科学

近ごろ分からないことがある。ボクのアタマが悪いからなのか、
どうにも理解できないことにぶつかって、困っている。

テレビのCMに、画面いっぱいに数多の果物や野菜の写真を集めた
画像が広がる。
瀬戸内海に浮かぶ小島にある会社で、それらの果物や野菜を発酵させて
熟成し発酵液が得られるらしい。ここまでは分かる。乳酸菌などが働いて
発酵が始まり、得られた液体を寝かせておけば発酵液が出来るだろう。
乳酸菌などの発酵菌は、微生物で生きている。

問題はCMを流している会社の製品に、○○酵素という製品名が有るからだ。
酵素は微生物じゃなく化学品で、A液とB液を化合させてCという物質を作る
時に、AとBとの化合を促すDという別の化学品が必要となり、それを触媒と
呼んでいる。

人体も糖質・脂質・タンパク質の三大栄養素を、Dに相当する酵素の働きを
借りて、さまざまな分解・組み立てを行って、体内での化学作用を進め易く
している。
化学工場で呼ぶ触媒を、人体の中では酵素という別名で呼ぶわけである。
だから酵素は化学品の一種であり、微生物ではない。
酵素は一定の温度と水を与えられて、化学反応を始めるし、補酵素と呼ぶ
ビタミンやミネラルのチカラも借りる必要がある。
だから人体は三大栄養素の他に、カロリーが無いビタミンやミネラルを必要
とするのである。

微生物つまりは生き物が発酵を進める発酵食品と、酵素は「酵」の字が同じ
だけで、全く異なったモノだ。
日本には古来多くの発酵食品が存在し、世界でも有数の発酵技術が発達
している。

だけど、どう考えても発酵で得られる食品が、触媒の機能を持つとは思えない。
○○酵素は本当に酵素すなわち触媒作用を持っているのだろうか。
それが理解できなくて困っている。


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【 毛細血管の太さ 】

2014-03-25 14:28:53 | 06 身体の科学

都会の道路を参考にしましょう。
生産基地から消費量の多い大都会には、立派な高速道路が走っています。
これと同様に人体の中にも、心臓から出る大動脈は太く、それが分岐して細くなり、
更に町の中に入って、より細い細動脈に、更に路地を通るのが毛細血管という訳。

宅配便なども、こうしたルートで、最後はリヤカーみたいな車で荷物を各家庭まで
運んで来てくれる。
最後の路地が狭すぎたり、障害物が邪魔になると、宅配便の運転手さんは余分な
労力を強いられます。場合によっては、邪魔をしている自転車を片づけたりして、
宅配の荷物を届けてくれています。

赤血球は大きな荷物で、狭い路地を通りぬけるには、それなりの苦労が要る。

これを具体的な数字で示せば、毛細血管の直径は5ミクロンから10ミクロン。
もっとも狭い場所では3ミクロンしか無い。

そこに7ミクロンはある赤血球を通すには、赤血球自身もサイズを変えて、何とか通り
抜ける努力が要ります。通れても一個がやっとといった状況ですから、それがベタベタ
くっつき合っていたんじゃ、先ず通るのが無理ってことに。

毛細血管の方も、ただそこに横たわっているだけじゃ、荷物を運ぶ人も通れない。
ここで弾力性と柔軟性が毛細血管に求められることになる。

狭い路地の方も、懸命に身体をくねらせて、大きな荷物が通れるように協力するって
訳なんです。サラサラ血液だけじゃなく、そこに柔軟なしなやかさが必要になる。

こんな時のために役立つビタミンが有る。それがビタミンEの働きで、狭い血管を広げる
機能を持っています。更に言うなら、ビタミンEの機能を最大60倍にも高める凄いビタミンも
有る。それがビタミンB群に属するイノシトールの神秘なチカラだとご記憶下さい。

ビタミンEやイノシトールの働きには、まだまだたくさんの機能があり、ここでは紙面が足りない
から、また改めて書きましょう。

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【 血液ドロドロの原因が赤血球である場合 】

2014-03-24 19:06:01 | 06 身体の科学

体内の隅々まで毛細血管を通って酸素を運ぶ重要な役割を
赤血球が担っています。

赤血球はそれ自体が大きな細胞ですが、肉料理をたくさん
食べた後には、特に脂身
を多量に摂った場合には、
赤血球がベタベタくっつきあって、狭い末梢血管を通るのが
困難に成ります。


肉の脂身はカロリーが高いだけで、人体には役立たずの
空のカロリーであるだけでなく、
血液をドロドロにして、
酸素も他の栄養素も運べなくする全く無駄な食事と言えるでしょう。

霜降りの牛肉を有難がるのは日本人だけで、筋肉の中に
無理に脂身を入れ込む飼育法
は他の国では行なわれて居りません。


その点で、同じ動物性脂肪でも魚の脂は、常温で
油状であることで分かる通り、不飽和の
脂肪酸で
血液の粘度を下げて血流のサラサラを促す人体に優しい油脂です。



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【 春の小川はサラサラ行くよ 】

2014-03-17 17:43:25 | 06 身体の科学

血液検査で中性脂肪とコレステロールの値を確認したら、次に
ヘマトクリットを調べましょう。

血液がサラサラしているか、それともドロドロになっているかは、
健康に大きな差異を生み、自分の血液がどちらであるかを知るのは
大切なことです。

ヘマトクリットは、総血液液量を分母に血中の固形分を分子にして
計算します。血中の固形分とは、赤血球や白血球をはじめ、脂肪分
などが、いかほど入っているかの数値で、春の小川のようにサラサラ
流れていたら何の問題もありませんが、オロドロ状になっていたら、
当然流れが悪くない、心臓に余分な負担を与えることになります。

血圧が高めに出たり、血管が狭められたりで、この数値だけでかなりの
ことが分かるし、脂肪分が多ければ、それは肥満しているからであり、
肝臓が苦しがっていると予測ができるのです。

健常者の場合、45%ぐらいの値があっても良く、ボクのように幼少期
から腎臓が痛んでいて、人工透析を受ける身体だと、40%は高すぎる
と医師に注意を受けます。

言うまでもなく、肥満は万病の元とも言えて、特に「沈黙の臓器」肝臓は
悲鳴を上げずとも、アルコール摂取が多くて、かつ油ものをよく食べる
タイプに属する人は、定期的に主治医による血液検査を受けることで、
肝臓病を未然に防ぐことが出来るとご承知ください。

血液のサラサラ、ドロドロは、ヘマトクリットの数値以外にも、赤地球の
大きさなども関係しますが、固形分の占める割合が手軽な目安になると
覚えておいて損はしません。

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【 働く人たちへ、脚がむくみませんか 】

2014-03-14 19:12:04 | 06 身体の科学

就職率がどうのという話題が多い中、気がつけば世の中にサービス産業
という新語が、堂々と新卒採用の大手企業を意味することになってきた。

新卒が行きたがる自動車・電器には、理系はともかく文系は多くは取らない。
金融はというと、最近は高利貸しまで金融業でございの時代に突入。
銀行と名前が付いても、圧倒的に外回りの営業ばかりだ。

与えられた仕事が、事務職だったとしても、パソコンとのニラメッコで眼が傷む。
ストレスはたまる一方で、夜寝る前に脚を眺めてみたら、まず「むくみ」が出て
います。
多くは寝ている間に、脳の働きで静脈が動いて「むくみ」の正体、水を心臓に
戻し更に腎臓に送って濾過し。余分な水を尿にしてしまう。夜間頻尿でない
限りは、それで問題は解決。明日再び職場に向かうことが出来る。

心臓が健全に働いている間はそれで万事OKなんですが、血液が脂を含んで
重たくなったら、心臓だって悲鳴をあげる。

主治医を決めて血液の検査を月一ぐらいは受けましょう。
チェックするポイントは、最初は中性脂肪とコレステロールの数値だけでも良い。
この数値が高いとなれば、先ず肝臓が弱っています。

血液検査の初級編だけ書きました。中級については、またの機会に。


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