さて、麻酔が効いて延々18時間。夢(悪夢?)の中で、
ボクは何故か家来を多く持つ武将になっていた。
どこかで、近江の国に出陣じゃ、との声を聞いた。
近江といえば、姉川の合戦かと思う。
しかし夢に見た川は狭く、姉川とは思えない。
ならば時代が遡り、大友皇子と大海人皇子が天智帝の跡を
争った壬申の乱の戦闘場所であった、藤瀬川かと思える。
だが壬申の乱に前田を名乗る者はいない。
向こう岸に現れた武者は、確かに前田の手の者といった。
前田利家の家中に違いない。
前田家の重臣と思える甲冑武士は、ボクに膝まづいて
丁重な口を利いた。
前田利家が、丁重な物言いを家臣にさせる者は、
史上三人しかいない。
信長・秀吉・家康の三人だけである。
はて信長が自身で近江に陣を張ったことがあっただろうか。
おそらく無かった。
ならば秀吉か家康の二人しか残らない。
この二人とも、ボクは大嫌いなのである。
利家は家康と敵対こそすれ、陣中で丁重な物言いを
家臣にさせる間柄ではなかった。
じゃあ、ボクは悪夢の中で、秀吉に成っていたのだろうか。
そこまで考えて、ふっと目が覚めたら、身を乗り出して
ボクの眼を見つめる目玉が目の前にあったのだ。
驚いて当たり前だろう。
しかし何故秀吉だったのか、疑問は残る。
☆前回の記事を読む⇒腎臓の機能を失った私ですが≫