作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 相模一社・寒川神社と北条氏(歴史エッセイ149話) 】

2014-04-14 17:00:36 | 05 歴史エッセイ

もう三十年にも成ろうか。
東京は道玄坂を上りきった辺りの旅館で御馳走になっていた。

順調に来ていたボクの会社に陰りが生じていた。
気の置けない人だから、正直にそのことを語っていた。

暫くすると、旅館の女主人が顔を出し、困った時はサムカワさんに
行けと言う。サムカワって何だったかな。
とにかくご利益は請け合いだと言われて、帰途に平塚辺りで降りて
タクシーに乗り、寒川神社に行った。
行って驚いた。参詣する人々の多さに驚いたのだ。

長い列に続いて、お祈りを受けた。そして十二支の紙束を受け取った。
なんでも、これを部屋の各方角に張れば良いことが続くそうだ。

お祈りを受けて、ふと見ると「北条三代」だったか、「北条四代」だったか、
崇拝されていたのだと言う、文章が書いてあった。
「北条氏は秀吉に滅ぼされた筈だが、霊験の方はどうしたんだろう」と
呟いてその場を去った。

次の年にも、またサムカワさんに行った。
その翌年は、通信販売で札を送ると言って来た。
そしてその翌年1月17日に、淡路島を震源とする大地震が神戸を襲い、
十二支のお札が無効だと気が付いた。

なお例の「北条三代」の木札は、二回目に行った時には無かった。
どうやらボクの呟きが聞こえたらしい。

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