作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

歴史・エッセイ・小説・時事ニュース・・・なんでもござれのブログです。どうぞよろしく。

【 京粕漬 魚久 】

2006-12-04 22:02:00 | 11 美味いもん談義


久しぶりにホンモノの旨いさわら粕漬に
ありついた。

人形町・魚久の京粕漬である。
東京の店なのに、京を名乗るのは、酒粕を
京都から取り寄せて漬けるからという。
酒粕がいったん京都から東京に運ばれ、
漬け上がったさわらが大阪心斎橋の大丸で
売られているのだ。

関西ではこれを西京漬と呼ぶ。
明石まで行って「魚の棚(うおんたな」を
通ると、活けのさわらを漬け込んだ西京漬
の上等が手に入る。

ホンモノと言ったのは、長い間ホンモノの
酒粕に漬けたのを食べていないからで、
NHKの「ためしてガッテン」という番組で
紹介された、ヨーグルトに漬けたものを何年か
前から食べ続けてきたから。そいつは思わず
「ウッソ~」と唸りたくなるほど、粕漬けの
風味がするのだが、銘店のこだわりの京粕漬と
なると、酒粕の香りがぷ~んと漂い、やっぱ
ホンモノはちゃうなぁ~と唸らされたという次第。

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【 神戸ビーフ 】

2006-11-07 10:44:00 | 11 美味いもん談義


大震災の痛手にも関わらず、神戸は市の名前
そのものがブランドたり得る街である。

いわく神戸ウォーター、神戸カレー、神戸ワインetc。
なかでも神戸ビーフがインターナショナル。

昨年の7~8月にかけて、ドイツへ行き、現地の
病院で人工透析を受けた。計7回。英語が通用
すると事前に聞いていたのに、誰ひとり英語
なんかしゃべらない。

当たり前のようにドイツ語で、他の患者と同様に
扱われるのには参った。

ボクは1968年に8週間だけ、ミュンヘン郊外の
田舎村にあったゲーテ・シューレでドイツ語を
学んではいる。しかし8週間だけのことで、それから
37年経っていた。

アウグスブルグの外れにある病院なんかに日本人の
透析患者なんか来るわけがないから、珍しがられて
医者だのナースだの次々やってきては、しょうもない
質問をする。

「神戸から来たらしいな」

「地震が凄かったな、TVで見たよ、高速道路が
 倒れてた」

「ところで聞くが、神戸ビーフってのは、そんなに
 美味いのか」

「知らんなぁ~」

「あんた神戸の住民だろう、なぜ神戸ビーフを知らん」

「食べたことがないから」

「なんで」

「高いから」

「地元のビーフがなぜ高い」

「知らんなぁ」

「なんで」

「ボクは牛を飼ってる農家でもないし、レストランの
 経営者でもないから」

「震災の写真をTVで見たが、あんな近代的な都市の
 どこに牛が居るんだ」

「神戸には牛なんか居ないよ」

「どこに居る」

「山を越えたら農村地帯が広がる、そこで飼われた
 牛が神戸のレストランでステーキとして供される」

「あんたが食べられんぐらい高いって、どれほど高い」

「聞いた話では、そうだな一人前が100ユーロは
 する」

「え~っ! 100ユーロ? それは高いなぁ~」

             

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【 いま食べたいもの 】

2006-10-29 20:00:00 | 11 美味いもん談義


昨日は調子が良かった脚が今日はまた痛みます。

だから何か美味しいものを食べに行きたいんだけど
実行できません。

せめてブログの上で、あれも食べたい、これも食べ
たい。

「レストラン・モーヴ」のビフカツとポタージュ

「大学」の焼き餃子

「新太呂」の天茶

「与太呂本店」の鯛めし

「大黒」のかやく飯と焼魚

「インディアン」のビーフカレー

「そば好し」の胡麻きりそばと石狩せいろ飯

「瓢亭」の夕霧そば

「天一」の天丼

「ルーデリー」のミッドナイトカレー

もちろん同時に全部食べられるわけじゃない。
この中のどれか一品でも宅配があったらなぁ~。


                パパゲーノ



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【 錦市場の銘酒店「津之喜」 】

2006-10-28 16:25:00 | 11 美味いもん談義


天明8年といえば西暦1788年。218年もムカシ。

この年は天明2年と共に、江戸期を通じての最大の
飢饉に見舞われた年です。

京都では、この年の1月30日未明、鴨川東岸の
空きやから出火したのが、四条辺りを焼き、その
火が御所にも二条城本丸にも飛び火して、共に
焼け落ち「応仁の乱」以来の大火事となって、京都
の大半が灰燼と化した。

江戸も京都も大変な年だった。

その天明8年に伏見の銘酒を商うお店が創業し、
錦市場で8代目が伏見だけじゃない、地酒の数々を
商っている。

お店の常連さんが書いているブログ「五感日々楽」を
見つけ読んでみたらこれが面白い。

京都に長く住み暮らしてきた人ならではの、日々の
日記には、京都料理のおばんざいの作り方などが
出てきて、プリントアウトして読み続けたいと思う
ほど。

ボクには少し字が小さいのと、バック面がちらちら
して読みづらいのが難点です。

「パパゲーノが選ぶこだわりの店」には、パパゲーノ
の仲間の一人が書いた。

ボク自身はお邪魔していない。いないが錦市場は
大好きなところです。狭窄からくる脚の痛みが
治まったら、ぜひにもお訪ねしたいお店です。

              
               パパゲーノ




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【 淡路屋の「あなご三昧」 】

2006-10-28 15:49:00 | 11 美味いもん談義


出張に出かけることがなくなり新幹線にも
長い間乗っていない。

神戸駅の駅弁屋といえば「淡路屋」で、
アイデアを駆使した豊富な種類の駅弁で有名。

中でボクのイチオシが「あなご三昧」で、
三昧は「ざんまい」と呼ぶ。

焼き、煮る、蒸すの三種のあなごを使ったもので
細かく刻んだ焼き穴子を混ぜ込んだすし飯を箱に
詰め、三種、三昧の穴子が並べられている。

甘辛さがきつ過ぎず、この弁当が新神戸と神戸駅
以外では、売り場が見当たらないのが残念。

駅弁にあなごを用いるところは多い。
姫路のも著名だし、九州佐世保の駅弁もあなごと
記憶している。

会社を起した頃、佐世保の駅前ホテルに泊まり、
翌朝一番の博多行き列車に乗ることが多かった。
駅弁やがまだ閉まっていて、あなご弁当を買った
覚えがない。

あんな早い列車に乗って、福岡の代理店の朝礼に
参加していたのだ。

                パパゲーノ




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【 湘南の穴子ずし 】

2006-10-28 15:39:00 | 11 美味いもん談義


六甲アイランドにRINKというショッピングビルが
あり、映画館や食堂街もあって、土日になると島外
から多くのマイカー族が集まってくる。

催し広場で、先だってから「湘南の物産展」が開かれ
ているらしく、午前中のテニスレッスンに行った
パパゲーナが、昼食用にと「穴子ずし」を買って
きた。

葉山町堀内という所にある、鮨処「大繁」の作品。

穴子は煮穴子で、一口食べて美味いと思った。
すし飯の中間に挟んである煮た椎茸が特に美味い。

が、美味いと思えるのは二切れが限度で、煮詰めが
甘すぎるので、ボクの舌はそれ以上ついて行けない
のが残念。

煮詰めの量も多すぎるようで、棒寿司全体が煮詰め
でまみれて言っちゃ悪いが汚らわしい。山椒の実が
利いているのだが、あそこまで煮詰めを掛けなく
ても、穴子自身が充分強い味を持っているので、
惜しいなあと思う。

個人的嗜好だが、穴子はやはり焼き穴子に限る。


                パパゲーノ




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【 オトコの手料理 】

2006-10-22 13:13:08 | 11 美味いもん談義


昨日のヒルメシに食べた『釜揚げうどん』の残りが
水切りしてタッパーに入れ冷蔵庫に保存している
のを、「これで一食いける」と睨み、作ったこと
のないものに挑戦してみた。

フライパンを熱してゴマ油をい入れ、うどんの塊りを
ほぐしながら、そこへ放り込む。

キッチンに常備の調味料から、胡椒とニンニク片を
混ぜ入れ、水気が飛んで焦げ目が付きはじめたから、
調理用の酒、減塩醤油を適当にふりかけ、かき回して
フタをし、しばらく蒸し焼きにする。

こんなもの作ったのは初めてだが、昨日食べ残した
段階ですでにアイデアはあった。

ようはニンニク入りの醤油味焼きうどんだが、これが
意外と美味く、パパゲーナに半分盗られた。

これだけじゃ足らんから、豆餅を焼き醤油をつけて
海苔で巻く。磯辺餅である。
(これを焼いたのはパパゲーナ)

ボクは海外生活も含め一人の時期が長かったから、
結構いろんなモノを作る。たとえば素麺を作ると
なれば、前の晩から乾し椎茸を水につけて戻し、
その水も一部使い昆布とカツオ削りで出し汁を取る。

一方椎茸を漬けた水に醤油と砂糖を加えて水で戻
した椎茸を煮る。細かく刻んで、薄焼き玉子を
錦糸に細切りして素麺に添える。

料理など何もしない人を招待して振舞ったらビックリ
していた。

他に竹輪を斜め切りして、缶詰のそばつゆを水で薄め
トロ火で煮込む。水気がなくなるまで煮込むと竹輪に
含まれた糖分が利いてあめだきになる。
ビールのつまみに最高でした。

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【 こだわりの珈琲・決め手は京都西陣の濾布 】

2006-10-22 13:07:23 | 11 美味いもん談義


毎朝の愉しみは自家製の挽きたて、淹れたての
珈琲。

以前はコーヒー豆に凝って、わざわざ横浜から取り
寄せたり、美味いので有名な喫茶店で分けてもらっ
たりしていた。

いまは近所の食品スーパーで売っている「神戸珈琲」
の中から3種類ぐらいをブレンドして、淹れる直前
に挽いて使っている。

京都西陣のシルク産業が衰退の一途。
そこで地元の人々がシルクの特性が生きる商品開発
を行った。そうした中にコーヒー用の濾布がある。

これを使い出してから、あまり豆にこだわる必要が
なくなった。

香りも味も申し分がない。有名カフェのコーヒーも
ホテルが出すコーヒーも飲めたモンじゃない。
不味くて飲めない。よくあれで店が持つと感心する。

濾布だから時々洗う必要がある。
パパゲーナは毎回使用後煮沸しています。

カップだけはヨーロッパの有名窯のもの、殆ど揃って
いる。11年前の阪神大地震でグラス類のコレクション
は、あらかた微塵と化したが、陶磁器は強かった。

殆どの家具が倒壊したのに、20個ほどのビアマグも
全部無事だったし、震災後新たに購入したものもあり
珈琲カップを日々選ぶのも愉しみの一つ。

今朝のカップはローゼンタールでした。

                                 
                                       パパゲーノ



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目次 ~美味いもん談義~

2006-10-18 15:30:00 | 11 美味いもん談義



   
【 神戸餃子 】

   【 幻のビフカツサンド 】

   【 天丼 】

   【 飲茶(やむちゃ) 】

   【 大阪の美味いソバ 】

   【 天麩羅そば 】

   【 出雲そば 】

   【 大阪きつねうどん 】

   【 きつね丼 】

   【 五目すし 】

   【 カレーライス (1) 】

   【 カレーライス (2) 】

   【 カレーライス (3) 】

   【 カレーライス (4) 】

   【 バーの止まり木で 】

   【 ポジションが人を作る 】

   【 究極のカウンター・バー 】

   【 続 究極のカウンターバー 】

   【 ウイスキーとブランデイ  】

   【 珈琲の淹れ方 】

   【 こだわりの珈琲・決め手は京都西陣の濾布 】

   【 オトコの手料理 】

   【 湘南の穴子ずし 】

   【 淡路屋の「あなご三昧」 】

   【錦市場の銘酒店「津之喜」 】

   【 いま食べたいもの 】

   【 神戸ビーフ 】

   【 京粕漬 魚久 】

    




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【 ウイスキーとブランデイ 】

2006-10-06 12:12:56 | 11 美味いもん談義


昨夜は偶の充電にと、ベイ・シェラトンのメインバー
「テラ」でムダ話。

前回は遠慮した向って左側のカンターに並んで、
目の前に居並ぶ洋酒類から、シーバシリーガルを選んで
水で割ってもらう。

ウイスキーという酒は、飲み始めに咽喉に引っかかる
感じがするのはボクだけだろうか。なんとなく酒の
味香りと、樽の味香りとが、バラバラに飛び込んできて、
あれはたぶん樽の味だか香りだかが、ノコギリの歯を
逆方向に無理にひくような、そんなギシギシした感じで
強硬突破を試みる。

だから一杯目は、その抵抗感に慣れるため、免疫を
作るためにあって、二杯目にもそうした感じが何と
なく残り、三倍目となるよ免疫力がついて俄然うまく
なる。
当然四杯目はもっと美味く、五杯目さらに好し。

ウイスキーとは、そういう困ったヤツだとボクは思い
続けてきて、ある時期は夜な夜なボトル1本空けていた。

ブランデイは違う。だいたい水割りにすること自体が
失礼なことで、マドモアゼルが見たら柳眉を逆立てて
金切り声でボクを叱るだろう。

辺りを見回し、フランス人不在を確かめてブラ水を
オーダー。こいつは最初から何の抵抗もせず、すんなり
と咽喉に喜びを与えてくれる、実にいいヤツ。
いや、たぶんいいオンナ。従順で抵抗しないいいオンナ。

ウイスキーは抵抗がキツイが、逢瀬を重ねるたびに
好いオンナに変貌していき、その代わり最後は完敗に
持ち込まれる。

どっちがいいか、難しい問題。


               パパゲーノ


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【 珈琲の淹れ方 】

2006-10-03 17:16:37 | 11 美味いもん談義


ボクの会社の新入りは、先ず珈琲の淹れ方を
教えられる。かといってボクの会社は外食産業
でもないし、ましてやコーヒー・チェーンなんか
じゃない。

何年か前まではボク自らが淹れて見せていた。
なに難しい器具なんか使いません。

濾紙の代わりに濾布を使うが、それは比較的新しい
やり方で元々は濾紙。

粉を人数分入れて、まんべんなく熱湯をかけまわし
膨潤させる。粉全体がお湯を含み、さあみんな
チカラをあわせて働くぞとモラールを高める。

みんながやる気になったところで、戦闘開始。
盛りあがった粉の真ん中に一筋の熱湯を流すと、
対流が起きて粉全体がマリモのように丸く膨れ
上がってきます。そのままお湯を真ん中の一点に
注ぎ続ける。対流が起きつづけてマリモが崩れない。

こうすると粉の一粒一粒が全員参加で、珈琲作りに
参加します。濾紙の縁にへばりついたまま、何の役
にも立っていないヤツなんか存在しない。

みんな参加して作り上げた珈琲は当然美味しい。

コーヒーなんて呼ばせない。立派な珈琲に対して
失礼になる。

電機メーカーが売り出しているコーヒー・メーカー
じゃ、粉の大部分が働いていない。ただ濾紙の縁に
へばりつき、濡れて見せているだけ。さぼってんです。

あんなもので美味い珈琲が出来るわけがない。

こうやって珈琲を淹れて見せて、いいか、これが
会社だ。全員参加でいいものを提供するのだ。

そう教えるのです。


               パパゲーノ


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【 きつね丼 】

2006-09-28 17:41:12 | 11 美味いもん談義


六甲アイランドに「ジ・アンダンテ」という外人用
高層マンションがあり、その4階に実にバブリーな
スポーツ・クラブがあって、面積といい器具の数と
いい、先ずは日本一ではなかろうか。

阪神タイガースとオリックスの選手が代々住居にして
おり、今までにどれ程のタイガースの助っ人たちを
励ましたり喝?をいれてきたことか。

震災の1年前だったかに、外人専用では逆に国際的じゃ
ないと、外人会員からクレームがついて、10組の
日本人夫妻を入れることになったとき、スイス航空
のアイゼンネッガー氏から頼まれ会員になりました。

ドイツ人も結構いたから、プールサイドやサウナで
会話力の保持に役に立った。
スイス人、イギリス人、アメリカ人、イタリヤ人、
韓国人、台湾人などのいろんな国の人と、文字通り
のハダカの付き合いができました。

日本バイエルの副社長が、真剣な顔で「日本人は狐を
食べるのか」と聞く。
うどんやで「きつね」とあるのを見てビックリした
そうな。改めて考えたら無理ないよなぁ~。

関西うどんの「きつね」は、油揚げをいったん油抜き
して、甘辛く煮たものを乗せる。
油揚げを煮付けず、油抜きして包丁で刻み、そのまま
トッピングしたのを「きざみ」とまんまの表現をして、
こっちの方を食べる人も多い。

その「きざみ」を玉子と甘辛く煮込みご飯にかけたのが
「きつね丼」で、親子の鶏肉の代わりに油揚げの刻んだ
のが入っている。ボクはこれが好物です。

ボクの学生時代から新入社員のころにかけて、カレー
うどんと言えば、刻んだ油揚げが入っていた。肉が高価
だったからかもしれないが、これが実に美味かった。
やがて日本人の生活が向上し、カレーうどんには牛肉が
用いられるようになったが、いまでも油揚げでと頼んだ
ら昔風のが運ばれてきます。

「きざみうどん」は偶に食べるチャンスがあるけど、
長いこと油揚げの「カレーうどん」を食べていない。
気心が知れた店じゃないと頼みにくいこともあります。

ドイツ人のカレーに限らず、うどん屋のメニューにある
「きつね」「たぬき」でビックリした外人さんは大勢居る
ようです。

              パパゲーノ


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【 バーの止まり木で 】

2006-09-27 14:05:13 | 11 美味いもん談義


腎機能喪失で人工透析の身となって、あと数日で
丸9年になります。尿が全く出ないから、とにかく
水分の制限が必要。

でも人間だから、それも神様よりも野獣の方に
親しみを感じるタイプだから、偶にはバーの雰囲気に
浸りたい。

で、隣のホテル「神戸ベイ・シェラトン」のメインバー
「テラ」に行き、左右に分かれたカウンターの右の方
に陣取った。「テラ」のいいところはホテル内で
提供されるどの料理でも取れること。

左側のカウンターの前には酒瓶がずらりと並び、
あそこは酒が主眼の人々に譲るべき。バーで飯食おう
なんて不埒な考えのヤツ等は、身分を心得て薄暗い方
で飲むふりしながら、海鮮ピラフを静かに食べる。

バーだから何も飲まんで、ピラフでご馳走様ってワケ
にも行かない。そんな人道にもとることは出来ないし
せめて飲むふりでもしなきゃフラストレーションが
たまる。

いま連載小説執筆なんて、生まれて初めての呆れた行為
の真っ只中。主人公がJALのスッチャン3人と、休暇
を楽しまんとする矢先です。
社の女の子3人を伴い、バー「テラ」の止まり木に
腰をおろした次第。

ビールで始まり、ブラ水一杯。これがボクの限度と、
若くしてホテル全体の酒部門を仕切るブラックウイング
が心得てくれている。

アルコールは早く飲んで、ひたすら何の役にもならん
御託を並べ、時間を稼いで稼いでアルコール分解を待つ。

10時15分、もう良かろう。玄関前に停めてもらって
あるクルマのキイを受け取り、たった2分で着く我が家
に。この短距離が今はあるけないのです。神経痛がキツイ
から。

久しぶりの知人にあった、カウンターの右と左に分かれて
いたから逆に目と目があう。カレは名前を出せば誰もが
知ってる超有名人。伏見工業ー同志社ー神戸製鋼の大
スターだったといえば、想像はつくでしょう。

なんと2月に腰のヘルニヤに襲われヒドイ目に会ったと
言います。2月といえばボクと同じ時期。ボクの場合は
日曜日に7時間もテニスをやった、それも最後の2時間
はプロコーチとの一騎打ち。あのやりすぎが祟ったもの。
いわば自業自得です。

カレはあるTV番組であることをやらされ、身体が硬直
してしまったと。もうダメかと思ったという。ここらも
ボクと全く一緒の経過。
でもカレは、すくっと立って見せた。あらためて思う。
大きいなぁ~。

カレには連れがいた。報徳高校でラグビーやってたと。
ボクを師匠と呼ぶ元ワールドのプロ選手コータローと
同期だという。どうやら私設ボディガードが増える感じ。

大きいカレは2月に身体硬直し、立つことも叶わず、
それを克服している。勇気付けられました。元の身体が
違うとはいえ、他人に出来たことボクにも出来るはず。
再びコート上に立ち不死鳥の○○と呼ばせてみせる。
          
                       

                 パパゲーノ



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【 大阪きつねうどん 】

2006-09-23 15:49:00 | 11 美味いもん談義


小泉晴れの快晴でしかも湿度が低い。

本来なら朝から暗くなるまでコートに立っている筈が、
腰椎狭窄からくる痛みが一向よくならず、家で不貞寝
するしかないのです。

パパゲーナは元気だから、意気揚々とお出かけになる。
こんな日のテニスはどんなに楽しいことだろう。

何もしないで不貞寝しているだけでも、正午を回れば
腹が減ってくる。たくさん食べたいわけじゃない。
ほんの少しで満足するんだけど、とにかくヒルメシは
欲しい。

パパゲーナが帰ってきたのは1時まであと10分という
時間。すぐ食べられる「きつねうどん」を買ってきたと
いう。

こいつが滅法美味かった。きつねに限らず種物には大阪
のもちもちしたやつが合う。讃岐や稲庭などはつけ麺が
良い。あつい出汁をかけるには向かないと、これはボク
の私説ですが。

大阪うどんは出汁を吸いこむから、讃岐のようなうどんと
出汁の微妙なセパレート感がなく、味が一体化するのが
良い。

付いている「きつね」がまた美味い。甘辛さの具合が丁度
良い。

「藤乃屋」という粋な名前のこのうどん、摂津市に工場が
あるみたい。

単価368円だという。それが30%オフで売り出されて
いたと。よく見たら9月20日製造で23日が賞味期限。
今日までに食べなきゃいけないから30%オフにしたん
でしょう。

先週食べた「出雲生そば」に負けない、美味しい
「きつねうどん」で、これなら大阪道頓堀の名店「今井」
や南船場の元祖きつねうどんで有名な「松葉屋」にもひけ
を取らない。世に隠れた逸材は多い。

                      
               
パパゲーノ




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【 出雲そば 】

2006-09-17 16:24:38 | 11 美味いもん談義


腰椎の狭窄症が一向に良くならない。
もう半年もテニスができない状況が続いていて、
だから折角の連休の使い道がありません。
ひたすらリログを読んだり、書いたりしてるだけ。

そんなわけでお昼になっても、
「さあ、何を食べようか」という気持ちが起きない。

こんな時のために「ざるそば」がある。

島の中にある「パントレー」というスーパーに、
偶に出張販売にくる「出雲生そば」。
そいつをパパゲーナが買い置きしてあった。

生そばだから「持ち」が悪かろうと思うのだが、
「脱酸素剤」が付いているから、
賞味期限が11月1日まである。
酸素を遮断するから、酸化腐敗が起きない理屈。
これは「すぐれもの」。

袋には「有機原料使用」とあり、有機JASマークが
付いているから、ありがたみが増す感じ。

ゆで時間3分の表示通りに、すぐ出来上がる。
出雲らしく黒くて確りコシがある。
そいつをザルに盛る。

「ざるそば」ってのは見た分には「たったこれだけか」
と思うのが常なんだけど、不思議に食べ応えがあります。

島根県雲南市木次町里方の(有)本田商店さんの
「出雲生そば」がこうして食卓にのぼりました。

そばにつき物がわさび。
本わさび使用、おろし生わさび、チューブ入り。

東京のそば通に教えられたとおり、生わさびをチューブ
から取り出し、そばに塗りたくる。
そばつゆに入れるのはマチガイだと、件のそば通が言う。

有明産の焼き海苔を細かくちぎって振りかけ、
これで食べる準備が整った。

もう一つ大事なものが。そう、そばつゆ。
永坂更級の缶入りのそばつゆ。もう30年も愛用の品。
東京系の辛くて濃いそばつゆ。

どっぷり漬けたら辛すぎる。半分くらいを漬けて丁度良い。
生わさびが利いて、ツ~ンと脳神経を刺激する。
口中にも辛さが広がる。
この「生わさび」は「お主やるな!」の御一党らしい。

東海林さだおのマネをして、分析を重ねながら食べたら
我が家での調理時間5分ぐらいの「ざるそば」が、
島の中に3軒ある、どの店のものよりも上等品となりました。

冷えた麦茶を沿えて、食後に珈琲(今朝の残りを温めたもの)
これで「今日のお昼は良いもの食べた」と思えるから、
安上がりの身体なんでしょう。



             パパゲーノ


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