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【出演】アンジェリーナ・ジョリー / ジョン・マルコヴィッチ / ジェフリー・ドノヴァン / コルム・フィオール / ジェイソン・バトラー・ハーナー / エイミー・ライアン / マイケル・ケリー
やはりクリント・イーストウッドは監督としても大好きです。
このタイトル「チェンジリング」とは、すり替えられた子供という意味があるんだとか、二時間二十二分という長めの映画だけど、ストーリにいくつもの山場があり、しかもその山場ごとに異なった感興をかき立て、まったく退屈することがなく あれよあれよ、次どうなるの?という間に えっ、もう終わり?という感じだったけど、でもすっきりしました。本当にいい映画だと思います。
で、物語は・・・
1928年3月10日、クリスティン・コリンズの最愛の一人息子ウォルターが誘拐さる。5ヶ月後に息子が見つかったと連絡を受け、彼女は息子を駅に迎えにいっくのだけど、そこにいたのは違う男の子。「息子じゃない」と彼女は言うが、ロサンゼルス市警は信じてくれず・・・
なんでもこれは、実話らしいのだけど、いくぶん猟奇的な犯罪ミステリーとしても、また強大な組織に単身立ち向かう不屈の魂の物語としても、そしてなによりこの時代のアメリカ社会の重層的な断面図としても、とても感慨深いものを感じた。
それでいつもながら 映画評論家ぶった私ごときが、生意気言うようだけど、脚本が面白い上に、キャスティングが素晴らしい。
主演のアンジェリーナ・ジョリーは流石ジョン・ボイドの娘、いやぁ、職業婦人で母親で、可愛さものぞかせながら 非凡な強さをしっかりと演じていたし、彼女を支援する牧師役のジョン・マルコビッチも言うまでもなく役柄ぴったり。

そして、私が一番憎たらしいと思い頭を殴ってやりたいと思ったのは、悪徳警官ジョーンズ警部役のジェフリー・ドノヴァン。
一見アメリカ紳士風で、ジェームス・スチュワートをちょっとばかり抜けたような風貌で、悪玉には見えないが、ジワジワと小狡さを出していき、むしろ犯人より憎たらしかった。
それにしても子役の少年たちといい 画面の隅から隅までピーンと張りつめたように落ち度がない。よくもこんな役柄にぴったりの顔を集めたもんだと感心することしきり。
そうそう、余談ですが、当時の電話会社に勤めていた人たちは、ローラースケートをはいて仕事をしていたんですね。これって歩くより早く現場に着くので効率いい、そう思いました。いいアイデァだわ。
そしてもう一つ、死刑執行する刑務官の中に、あの悪役で有名なカール・マルデンと同じ鼻の形をした俳優がいて、あれ?息子かな?と思ってけど違うかなぁ・・。

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