goo blog サービス終了のお知らせ 

ブレンド日記

世の中の出来事・木馬での出来事・映画の感想・本の感想・観るスポーツ等々ブレンドして書いてみました。

⑩『カティンの森』をDVDで見る

2010年08月25日 | 映画の事
日記@BlogRanking←最初にクリックおねがいいたします。



2007年/ポーランド/122分

監督: アンジェイ・ワイダ

出演: マヤ・オスタシェフスカ/アルトゥル・ジミイェフスキ/マヤ・コモロフスカ/ヴワディスワフ・コヴァルスキ/アンジェイ・ヒラ

映画って二種類あると思う。
商業的成功を主目的にしたもの(もうけ主義映画)と、儲けは度外視しても映画作家たちが、作りたくて温めていた題材を、練りに練って作る作品である。
しかし映画作りなんて莫大なお金がかかるので、そうだれにもできるものではない。
その点 クリントイーストウッドなんか、儲けながら 言いたいことも言える映画を作れる唯一の監督だと思うけど、でもこの御年83才のワイダ監督。後者に入るだろうこの映画、これが最後の作品になるかもしれないとはいえ凄い。

<ストーリー>
1939年9月、ナチス・ドイツと密約を結んだソ連はポーランドへ侵攻し、ポーランドの将校たちを捕虜とする。アンナの夫アンジェイもまた捕らえられた将校のうちの1人だった。捕らえられた将校たちが移送のため駅にいると聞いたアンナは駅へ向かい、かろうじて移送前のアンジェイと会うことが出来る。アンナは家に戻ることをアンジェイに乞うものの、アンジェイは軍に忠誠を誓ったとして、他の将校たちと運命を共にすることを選ぶ。娘ヴェロニカを託されたアンナは、苦労するものの、なんとかアンジェイの実家にたどり着く。アンジェイの父親大学教授のヤンは捕らえられ、ザクセンハウゼン収容所に送られており、義母が1人で暮らしていた。ヤンの死亡通知が届く中、アンナは義母と娘と3人で、ひたすらアンジェイの帰りを待っていた。

第80回米アカデミー賞の外国語映画賞ノミネートされていたので、要チェックしていました。やはり、とてもいい映画でした。
というか、私はいつも言うように歴史に疎く、こんなことがあったなんて、知らないことばかり。この映画を見ると本当に悪いのはソ連だ、ナチスドイツより極悪非道だ、しかもソ連はそれをドイツのせいにしてたって言うんだから呆れる。そしてこの事件を正式に認めたのは1990年。ほんの一昔前なのです。
ナチスだけが絶対的な悪として取り上げられることが多いけど、劇中の台詞にもあったように「ソ連もドイツも同じ」なのですね。

しかし、ポーランドという国は本当には受難の国なのですね。
ドイツとソ連というはた迷惑な隣人にはさまれてるばかりに、その両方から蹂躙される運命に翻弄され、1939年ドイツとソ連は独ソ不可侵条約を結んで勝手にポーランドを分割してしまうのだ。

第二次世界大戦は、稀代の二人の殺戮者、ヒトラーとスターリンによって、未曾有の戦争になってしまったと思っている。そしてこの大戦の最大の被害者は紛れもなくポーランドだということも。それを知る最大の事件がこの「カティンの森事件」なのだ。

映画というツールを使って、世界中をこの民族の受難の「証人」に仕立て上げようという監督の狙い?「歴史の真実」は風化してはいけないという強い監督の思い。
凄いと思う。

ロシアではまだ商業上映に至っていないということだが、認めたのなら上映すべきだと思う。

お勧めの映画です。

晴れ 33℃ いつになったら涼しくなるのでしょうね。ため息ばかり・・・

⑨「マイレージ・マイライン」を観る。

2010年06月13日 | 映画の事
日記@BlogRanking←最初にクリックおねがいいたします。

原題   UP IN THE AIR
監督   ジェイソン・ライトマン
原作   ウォルター・カーン
脚本   ジェイソン・ライトマン シェルドン・ターナー
撮影   エリック・スティールバーグ
音楽   ロルフ・ケント
出演   ジョージ・クルーニー ヴェラ・ファーミガ
      アナ・ケンドリック ジェイソン・ベイトマン
      ダニー・マクブライド メラニー・リンスキー
      エイミー・モートン サム・エリオット

本当はマット・デイモンの「グリーン・ゾーン」を観たかったのだけど、ここから行くには時間が合わなくて、(午後4時45分一回だけの上映)なら昨日から上映しているこの映画を見ようと思い、出かけた日曜日の午後です。
なにしろ、本年度のアカデミー賞に6部門ノミネートされた映画ですから。

<ストーリー>
仕事で年間322日も出張するライアン(ジョージ・クルーニー)の目標は、航空会社のマイレージを1000万マイル貯めること。彼の人生哲学は、バックパックに入らない荷物はいっさい背負わないこと。ある日、ライアンは自分と同じように出張で各地を飛び回っているアレックス(ヴェラ・ファーミガ)と出会い、意気投合するが……。(シネマトゥディより)

 いま世界で最もセクシーな中年といえばジョージ・クルーニーらしい。
私はヒュー・グランドもといいたいところですが、それにしてもそのジョージが演じるのが、なんと、辣腕”リストラ宣告人”こういう仕事もあったのかとの思いと、不景気もここに極めり、そう思ってしまう。

この映画の一番のテーマというか、言いたいことは、ネットがすべて横行する昨今社会の人間関係の希薄さか。

ライアンの会社では、優秀な女性新入社員の提案で、退職を通告する相手に直接会わずに、ネットでその業務をやるよう提案する。
ネット宣告案が発表されたとき、ライアンは猛反対する。
ライアンの人生哲学からすると、この案は非常に合理的で良い、はずなのだが・・・。
だが、ライアンは"リストラ宣告は、ネットで通達なんて味気ないことをしてはいけない。血の通った、生身の人間が説得すべきデリケートな問題なのだ!"という殊勝なことを考えているわけではなくて この案が通ると出張ができなくなり、彼が"家"と感じている飛行機にも乗れず、"1,000万マイル達成"の夢がかなえられなくなる。
女性との行きずりの情事のチャンスもなくなる。そして、彼自身リストラされてしまう可能性があるからなのだ。

言いたいことはメールで・・
相手の顔が見えないから嫌なことは言いやすいかもしれない。

ライアンは自分の立場の危うさを感じた時初めて焦りを感じ、自分はとんだ間違いをしてきたのではないか、ということに気づくのですが・・・

コメディタッチなところもあり時々笑いが出て、気楽に楽しめる感じ。

そうそう、ライアンのお遊びの相手であるヴェラ・ファーミガって初めて見たのだけど、どこか若いころのグレン・グローズに似ていたりして。

ま、お暇ならどうぞ、料金の価値ありというところでしょうか?
といっても私はシニアで、1000円ですが。それくらいという意味です。

日記@BlogRanking←クリックお願いいたします。

雲り時々雨  南風強し 25℃

⑧ザ・バンク(堕ちた虚像)を見る。

2010年05月16日 | 映画の事
日記@BlogRanking←クリックしてね。


 私が選んだ映画ではない。トンボが「これ拾いものの映画だよ、見る?見るなら100円でレンタルするよ。」
嫌なら返却するけど・・と相変わらず”ド・ケチトンボ”に半分強迫気味に又貸しで見せてもらった映画。
この話には後日談があり、翌日「有難う、面白かったわ!」といってトンボに返したら今度はイリコさんに「今度の日曜日にカド(イリコさんの旦那さん)と一緒に見る?面白かったらしいよ。見るなら100円でレンタルするよ。」
というわけで3人で100円ずつで回し見したDVD。
「ケチだよね、男だろ?たった100円で、か弱き女性から ふんだくらんで見せてくれたらいいのいに。」と言ったら、「俺はね、小さいお金はきちんとしたいんよ。その代り大きなお金がいる時は俺に相談しんさい、きっと頼りになるけ。」
「でもトンボ家は奥さんが、財務大臣なんでしょう?」
「俺だって男一匹 いざとなりゃ それくらいの権利は主張するよ。今事業仕訳をしているところ。」
「自分のこずかいの事業仕訳されてるんじゃないの?」
「見たんかね、よく知ってるね。」
まったく 連日ハトヤマイズム炸裂のトンボです。

すいません くだらない前置きが長くて・・・
本題に入ります。

いやぁーなるほど面白かった。ホント拾いもんです。

原題:THE INTERNATIONAL
公開:2009/04/04
製作国:アメリカPG-12
上映時間:117分
鑑賞日:2009/04/05

監督:トム・ティクヴァ
出演:クライヴ・オーウェン、ナオミ・ワッツ、アーミン・ミューラー=スタール、ブライアン・F・オバーン

物語は、
ルクセンブルクに拠点を置く国際銀行、IBBC。この銀行の不審な取引情報をつかんだインターポール捜査官のサリンジャー(クライヴ・オーウェン)とニューヨーク検事局のエラ(ナオミ・ワッツ)は本格的な捜査に乗り出すが、核心に迫ろうとするたびに関係者が消されてしまい……。(シネマトゥデイ9lより)

金の力で世界を支配しようとする巨大銀行と組織内からも孤立している捜査官との対決を描いた単純明快なサスペンスなのだけど、息つく暇なく、次から次へと事件が起こり まったくハラハラドキドキ、退屈しない。
で、この映画の一番のメッセージは『いくら悪事を暴き、それを葬ろうとも、次々にその後釜が現れてしまい、世界中の法律をくぐり抜けて巨大化した、インターナショナルな利益集団は、トップが死のうと誰がどうなろうと衰えることなく、勢力を広げていく。』といったサリンジャーに追い詰められたIBBCの代表の 最後の言葉に表されていると思う。
トカゲのしっぽかな?

もうひとつこの映画の最大の見せ場、NYグッゲンハイム美術館での銃撃戦はすごい迫力でした。
大スクリーンで見たらさぞや、興奮したでしょうね。それが残念です。
『キングコング』のナオミ・ワッツは可愛いですね。


日記@BlogRanking←クリックお願いいたします。

晴れ 22℃

⑦「第9地区」を観る。

2010年04月14日 | 映画の事
日記@BlogRanking毎度お手数おかけします。クリックお願いできますか?励みになります。

❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀

監督:ニール・ブロムカンプ
製作:ピーター・ジャクソン
出演:シャルト・コプリー/デヴィッド・ジェームズ/ジェイソン・コーブ
製作年: 2009年
製作国: アメリカ
配給: ワーナー・ブラザース映画、ギャガ
上映時間: 111分

❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀

 久しぶりにほとんどの映画評論家が☆5つをつけている映画を見つけた。
映画好きとしてはこりゃいかざなるめぇ。というわけで時間調整して出かけることにした。出雲まで、片道1時間半、映画2時間 諸々合わせて都合5時間20分かけてです。今日ばかりは店はイリコさんにお任せです。「イリコさん、粗相のないように。何かあってもチョイコラとすぐには帰れないからね。お願いします。」
映画一つ見るのも大変な時間と労力を要する日本のチベット、我が江津。映画鑑賞日はいつもながら 文化芸術においては日本で一番遅れていること実感する私です。
 
 前置きが長くなりましたが観てきました。
いつも酷評の評論家達がそろいもそろって、絶賛していたので期待しすぎたからか、気持ち悪い映画という印象が強かったけど、今こうしてしみじみと映画を思い出しながら感想を書いていると、やはりいい映画だったんだなぁ と思う。でも私は☆4です。
私は難しいこと、例えば演出の方法とか、カメラワークとか、脚本の出来のよし悪しとかあまり分からない。ただわくわくしたり くすっと笑えたり、なんか考えさせれたり、そういう映画がどちらかというと好き映画に入る。
で、私が思うに 宇宙人という設定の物語は、「E・T」「インデ・ペンデンスディ」「未知との遭遇」にあるようにファンタジーなところが心を打つんだと思う。そういう意味で少し物足りないな、と思ったからです。

とはいうものの、アカデミー賞の4部門でノミネートされていたし、期待はしていました。。
物語は、南アフリカのヨハネスブルク、その上空にある日突然、正体不明の巨大な宇宙船がやってきたところから始まる。
それからその宇宙船は20年間ずっとそこに停滞していて、もう宇宙船はヨハネスブルグの景色の一部と化してしまっている。人間は宇宙船に乗り込んだ時に、不健康なエイリアン達を発見する。そして彼らを地上に連れ出し、難民キャンプに住まわせる。ヨハネスブルグの住民達はそんなエイリアンに不快感を隠しきれない。なぜなら、彼らは住民の税金を使って生活しており、難民キャンプはスラム街の様な悪の巣窟と化してしまっているからだ。

やがて、人間の都合でエイリアン達は別の地区(収容所のようなところ)に移されることになる。この時 立ち退き責任者の主人公ヴィカスが、仕事の中でエイリアンと接触して謎のウィルスに感染してしまい、だんだん、体がエビ(エイリアン)化しいていくのだ。
主人公ヴィカスが無意識に差別をしているエイリアンそのものになっていくことにより、ヴィカスは差別される側になっていく。
それがいかに過酷であるか、ということをヴィカスとともに、観る側も感じることになり、これぞまさに身を以て知るということなのだ。
後半のアクション描写は荒唐無稽な見応え抜群で 醍醐味を存分に感じさせてくれる。
超国家機関の怖い職員の中にジョン・マルコビッチにそっくりなのがいたりしてね。

この後また ダラダラと書くと、ネタばれになり、まだ封切されたばかりで、これから見る人もたくさんいるわけだから、書けませんが、でも最後がいいんです。ほろりとすること請け合い。

あぁぁーー映画ってホントいいですね。
私の夢、映画三昧、読書三昧、これでコロリと行けたら最高!!
願わくは、満開の桜の下で。
え?贅沢?平生の行いの悪い奴はそううまくいかない?
ハイハイ・・功徳を積み、研鑚いたします。
もう遅い? ハハハ・・笑ってごまかせる年じゃない?
だよね。

雲り時々晴れ 11℃ 寒い。

⑥「インビクタス/負けざる者たち」を観る

2010年03月09日 | 映画の事
日記@BlogRanking毎度お手数おかけします。クリックお願いできますか?励みになります。

_______________

[監督][製作]クリント・イーストウッド
[製作総指揮][出演]モーガン・フリーマン
[製作総指揮]ティム・ムーア/ゲイリー・バーバー/ロジャー・バーンバウム

[出演]マット・デイモン/スコット・イーストウッド/マクニール・ヘンドリックス/トニー・キゴロギ/パトリック・モフォケン/マット・スターン/ジュリアン・ルイス・ジョーンズ/アデョア・アンドー/マーガリート・ウィートリー

ぽっかり予定があいた定休日。
ふと、映画でも見に行ってみようか?そう思い立ち 急いでいつもの様に、使わない部屋の掃除をして出かけた。
本当は「ハートロッカー」が見たかったのだけど、上映していない。
映画を見る時はいつも陸の孤島だと痛感する。だって映画館は島根には出雲と松江にしかないのだから。

12時10分の上映に間に合うように10時に家を出る。
私はいまさら言うのもなんですが、ホント、バカだと思う。二回も連れて行ってもらったにもかかわらず、道に迷い、出雲バイパスを道なりに走っていて、バイパスから外れて、人様の家の庭に入り込んでしまった。トホホです。なんでだろう、いまだに原因がわかりません。
というわけでスムーズにいけなかったけど、どうにか辿りついた私、我ながら情けない。

「全席指定ですがどこにしましょう?」
「一番見やすいところをお願いします。」
そういって席に着いたのに、たった3人。別にどこでもいいのにね。

前置きはどうでもいい。
クリント監督は 本当に心の琴線をびしびしと揺らす映画を見せてくれる。「グラントリノ」「チェンジリング」等々・・・
だーいすきです。

ストリーは何のことはない。
1994年の南アフリカ共和国。ネルソンマンデラが黒人初の大統領に選ばれる。
アパルトヘイトは撤廃されているが、黒人と白人の心は分裂したまま。そこでマンデラ大統領は、翌年自国で開催されるラグビーのワールドカップで代表チーム「スプリングボクス」を通して国民の心を一つにしようと考える。
マンデラはアパルトヘイトの弊害で長らく国際試合から追放され、、弱体化している代表チームの主将ピナールにある条件を出す。それは世界に歴史を変える事件の始まりだった。

ただそれだけで難しいことも何もない物語ながら、試合場面では手に汗握るし、勝った時には思わずガッツポーズしてしまった。
実話であり、モーガン・フリーマン(マンデラ大統領)もマット・デイモンもとても熱演で、特にマットのキャプテンとしてのリーダーシップが、WBCのイチローと重なる。
リーダーシップのあるスポーツマンって、どうしてあんなにカッコいいのでしょうね。

そんなわけで、ただ人種が違うと言うだけで、互いに意識し合ってた者同士の間にあった、長年溜った凝りが、スポーツを通して解消される瞬間には、南アフリカがアパルトヘイトをようやく克服した姿を垣間みる事が出来る。常に気まずい雰囲気を持っていた黒人と白人の護衛も、勝った瞬間は互いに喜びの笑顔を見せ、それが国中にリープしていくのが想像出来るエンディングであった。

クリント・イースト・ウッドは素晴らしい。

日記@BlogRanking←最初にクリック押し忘れの方もう一度クリックよろしくです。

雨時々あられ 6℃ 寒ーい 冬に逆戻り。

⑤「スラムドック$ミリオネラ」を見る

2010年02月21日 | 映画の事
日記@BlogRanking毎度お手数おかけします。クリックお願いできますか?励みになります。

_______________


原題:SLUMDOG MILLIONAIRE
公開:2009/04/18
製作国:イギリス/アメリカ PG-12
上映時間:120分

監督:ダニー・ボイル
出演:デヴ・パテル、マドゥル・ミッタル、フリーダ・ピント、アニル・カプール、イルファン・カーン

 昨年度アカデミー賞8部門も受賞した作品。これは見なくちゃ映画を語れないでしょう。
というわけで、レンタルしました。

物語はデヴ・パテル扮するムンバイのストーリート育ちのジャマールがアニル・カプール扮する胡散臭い男が司会を務める「クイズ・ミリオネア」で10億ルピーを手にするまであと1問というところから始まる。最終問題は翌日。ジャマールはスタジオを去ろうとするが、彼はイカサマの疑いで警察に逮捕されてしまう。なぜなら彼は浮浪者の様な生活をしており、まともな教育も受けていないからだ。無実を晴らすためにジャマールはクイズ番組に出場する事になった経緯を語り始める。

物語だから、ケチつける気はないけど、ジャマールが次々と難問をクリアしていくごとにその答えにまつわるエピソードが流れ、彼の生い立ちそのものが答えになっているのだ。
こんなことってありえる?そう思ったけど、そんなことは見ている者にはお構いなしに話は進められていくのだ。
主人公のジャマールは、絶望的に貧しいスラム生活の中で、普通の人生の何倍もの体験と苦労を重ねてきた。だからこそ、学者でもわからないような難問の答えを知る機会も得ているというわけだ。彼の回答ひとつひとつに、これまでの半生の苦しみの思い出がこめられており、積み上げた賞金は彼の血と涙の結晶でもあるという・・・

でも、一つ言うなら、ジャマールはスラムドッグで、宗教のいさかいで母を亡くし、兄と二人生きていくために様々な目にあって、そんな中で、一人の少女を守ろうとして守れず、でも忘れられず、探し当てて救い出した直後に兄にも裏切られたった一人になる。すこしはまともな生活をしだし、落ち着いてきたら、やはり諦めきれずに少女を探し出そうとする。 そしてミリオネラに続いていくわけですが、結局ジャマールは「諦める」ということをしないで、やり遂げようとする力が強い。目の前で母が殺されても悲しむというより、その運命の流れの中で生きていこうとする、一つ一つを受け入れる力が強い、というのか、流れも糧にするというか。だから運命に翻弄されない。そういうの姿に、同情とか憐れみとかそういうものはいらないよ、言われているような気がしました。

うーーん、悪い映画じゃないと思うけど、私はもう感性が錆ついてしまって新しいものについていけなくなってしまったのか、アカデミー賞の作品賞には???と思い、まだ「グラントリノ」とか「チェンジリング」のほうが相応しいんじゃないか?そう思ってしまったというわけで・・・

でも8部門も受賞したのですね。
そうは言うものの恋人のラティカへはとても可愛かったです。

日記@BlogRanking←最初にクリック押し忘れの方もう一度クリックよろしくです。

④「レスラー」をDVDで見る。

2010年01月27日 | 映画の事
日記@BlogRankingクリックお願いできますか?とても励みになります。

_______________

 原題:THE WRESTLER
公開:2009/06/13
製作国:アメリカR-15
上映時間:109分

監督:ダーレン・アロノフスキー

出演:ミッキー・ローク、マリサ・トメイ、エヴァン・レイチェル・ウッド

あの辛口の中野翠も絶賛していたし、昨年のベネチア国際映画祭での金獅子賞受賞のほか、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞受賞、アカデミー賞にもノミネートされていたしで、レンタル発売を待って借りた一本。
アカデミー賞にノミネートされた時、「ええっ!!ミッキーローク?うそ!!あのローク?」そう呟いていた。

で、この映画プロレスの試合は残酷で時折目を伏せたけど、映画の内容は、よかった。
なんせ、私は昔、ミッキー・ロークのファンだったからね。


 <ストーリー>
80年代に大人気を誇ったプロレスラーのランディ(ミッキー・ローク)。20年後の現在、名声も金も家族も失った彼はトレーラーハウスに1人で暮らし、スーパーマーケットでのアルバイトで生計を立てながら、週末はリングに立つという日々を送っている。そんなある日、長年のレスラー生活の無理が祟り、試合後に心臓発作を起こしたランディは医師から「もう一度リングに上がったら命の保証はない」と宣告される。誰も頼れず、行く場所もないランディは退院後、馴染みのクラブで踊る中年ストリッパーのキャシディ(マリサ・トメイ)に孤独な心を打ち明け、彼女に勧められて、疎遠になっていた娘のステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)に会いに行く。少しずつ心を開いていく娘、優しく接してくれる女性の存在が、ランディに第二の人生への希望を抱かせる。だが、不幸な行き違いからその希望は壊れ、ランディの人生は再び軌道から外れていく。・・シネマトディより。

若いころ、映画を見まくっていたころ、「白いドレスの女」という映画を見て、主演のウイリアム・ハートもさることながら、ミッキーロークがチョイ役で出ていた。その時何かすごく光るものを感じて、要チェック俳優になったローク。
「ダイナー」「ナインハーフ」と順風満帆だった。しかし様々な黒い噂のアクシデントで、スクリーンから消えていった。時々何かの映画で見かけたけど、チョイ役だった。
そんなロークが見事に復活した映画。
“どん底まで落ちた男が、そこから這い上がり、自分の生きる道を見つける”そんな内容のこの映画は彼の実生活とダブってしまった。けど 素晴らしいベテランらしい演技で、第66回ゴールデン・グローブ賞主演男優賞受賞、第65回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞、アカデミー賞はノミネートされたけど残念に終わったけど、それにしても完全復活がとてもうれしかった。

この映画について調べているうち この企画はもともとはニコラス・ケイジに主演がオファーされていた。しかし、監督のアロノフスキーがミッキー・ロークにランディ・ロビンソンを演じて欲しいと思っている事をケイジが悟り、また古い友人であるロークに俳優としての素晴らしい機会を与えるために彼は企画を降りた。男の友情のエピソードがこの映画のバックグラウンドにはあるのだ。ということもわかり、なおさら頑張ったロークに拍手したくなったのです。

そうそう、ストリッパー役のマリサ・トメイの見事な脱ぎっぷり!いやあ、この人凄いわ。オスカー女優で受賞作『いとこのビニー』は私の大好き映画なのです。
若い、当時と全然変わらない。
久しぶりに見て感心しました、流石です。

日記@BlogRanking←最初にクリック押し忘れの方もう一度クリックよろしくです。

頗る晴天 13℃ 朝放射冷却にて冷え込む。

③「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」を見る。

2010年01月22日 | 映画の事
日記@BlogRanking毎度お手数おかけします。クリックお願いできますか?励みになります。

_______________

『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』

監督:サム・メンデス

出演:レオナルド・ディカプリオ,ケイト・ウィンスレット キャシー・ベイツ,マイケル・シャノン キャスリン・ハーン,デヴィッド・ハーバー ゾーイ・カザン,ディラン・ベイカー ジェイ・O・サンダース,リチャード・イーストン
脚本:ジャスティン・ヘイス
撮影:ロジャー・ディーキンス
音楽:トーマス・ニューマン

 レンタルDVDのコーナーで、ふと目についた作品。
そういえばいつだか、「タイタニックのコンビの映画」と映画評論で見た記憶。
というわけでレンタルしてみたのだけど・・・

人のこと言えた義理じゃないけど、デカプリオもケイト・ウインスレッドも年を取りましたね。大人になったと言った方がいいのか・・
『タイタニック』から10年以上もの時間が流れてるんだなぁと思うと、心にくるものがありますね。

レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが理想と現実の狭間で苦悩する夫婦に扮したヒューマン・ドラマ。原作はリチャード・イェーツの「家族の終わりに」。1950年代のアメリカ郊外を舞台に、一見理想的な夫婦が虚しい日々から脱却を図ろうともがく姿とその顛末を生々しく描く。監督はケイト・ウィンスレットの夫でもある『アメリカン・ビューティー』のサム・メンデス。ということなのですけど。

うーうん、
私的にはあまり乗れなかったというか、もっと楽しい内容のほういいのかな、でも主演二人の演技の素晴らしさにはうなるものがあったので、それでよしと思ったり。

どんなに長い時間を共有している夫婦だとしても、結局は他人同志なのだから、どれだけお互いのことを理解しあえるかっていうことを考えさせてくれる物語。
ボタンを掛け違えてしまった夫婦の心の溝はそう易々とは埋まるものではないでしょうね。

 結婚すると決めた相手が、同じ夢を共有していたらこんないいことはないだろうが、なかなかそういう夢を抱えたままで生活が出来る夫婦って 世の中では少数なわけで、たいがいの人々は生活をするために、収入を得られる仕事をして生きていかなくてはならないのだ。

レオナルド・デカプリオとケイト・ウインスレッドは、長年共演できる作品を模索していたらしいのだけど、そんな二人が選んだ作品だけあって、一方だけが突起せず、息の合った演技合戦で見応えはありましたね。
二人とも流石ですが、どうしてレオはアカデミー賞から見はなされているのか、そこが私は理解できません。

ま、話は映画に戻りますが、結婚生活にはそれぞれの夫婦の形があり、でもその根底にあるのは、家族の絆や愛であると思う。夫婦だからと言って完全に理解し合えるものではないと割り切るのも必要ですし、曖昧にする部分もあるのではないかな。
そんなこと思いながら観終わりました。

そうそうこの映画には『タイタニック』で共演していたキャシー・ベイツが出てました。
少しスマートになって。

日記@BlogRanking←最初にクリック押し忘れの方もう一度クリックよろしくです。

雲り 8℃

②「ディア・ドクター」をDVDで見る

2010年01月15日 | 映画の事
日記@BlogRanking昨年は大変お世話になりました。
本年もまたお手数おかけしますがクリックお願いいたします。


_______________


監督・原作・脚本:西川美和
撮影:柳島克己
美術:三ツ松けいこ
編集:宮島竜治
音楽:モアリズム
上映時間:2時間7分

出演:笑福亭鶴瓶、八千草薫 、香川照之、瑛太、余貴美子、松重豊、岩松了、笹野高史、井川遥、高橋昌也、中村勘三郎

私が選んだ映画ではなくて、トンボがレンタルしたのを、又貸しして見せてもらった映画。

<ストーリー>
村でただ一人の医師、伊野(笑福亭鶴瓶)が失踪(しっそう)する。村人たちに全幅の信頼を寄せられていた伊野だったが、彼の背景を知るものは誰一人としていなかった。事件前、伊野は一人暮らしの未亡人、かづ子(八千草薫)を診療していた。かづ子は次第に伊野に心を開き始めていたが、そんな折に例の失踪(しっそう)事件が起き……。(シネマトゥディより)

ううーん、きっとこれはいい映画なのでしょうね。昨年度のキネマ旬報日本映画の部の一位なのですから。
私が、邦画を見る目がないのか、それとも、感性が萎えてしまったのか・・・
観終わって、なんか腑に落ちないところが多々あったような気がした。

でも自然描写のカメラワークがとても美しくて、棚田の青い稲穂を揺らす風、田舎の漆黒の闇と蛍のように光る自転車のライト、伊野のペンライト、白衣、緑のあぜ道を駆け抜ける赤いスポーツカーという色合いも美しかったし、
ま、女性監督らしい細かいところの描写は流石だなぁと思わせたてくれたけど。

なぜ彼(鶴瓶演じる贋医者)は突然逃げ出したのか?
井川遥演じる本物の医者との診断についてのやりとりを、クリアしたにもかかわらず・・・・。
また逃げ出した後の関係者の冷ややかな態度、とくに贋医者を心の底から尊敬し始めていた瑛太演じる研修医が手のひらを返したように冷淡になったのはなぜか?
また逃げ出す直接の原因になった八千草薫が、刑事の尋問に答えて「何もしてくれませんでした。」というのは、どういう気持ちからなのか?

と私が言ったら、トンボが「そこが悦ちゃんと俺の映画の見方が違うんだね、あれはすべて鶴瓶演じる贋医者をかばっているんよ。」
「でも医者の免許を持たないで患者を見るのは犯罪よ、年間2000万円ももらっているんだから、犯罪者をかばうなんておかしいよ。」
私は医者の映画なら「赤ひげ」のようであってほしいし、あっさりだますのなら寅さん映画の贋坊主のように、最後は「なーんちゃって!」ととぼけてほしかった。
なんか中途半端な気がしたのですけどね。

でもそういうことは抜きにして、この映画は古き良き時代の過疎地医療を思い起こさせてくれた。医者の往診なんて、いつの時代からなくなったのか、具合が悪くなったらすぐに駆けつけてくれる、少々の病気なら、目だろうが、ねん挫だろうが、すべて見てくれる総合医者だった昔。安心して生活できたような気がする。

日記@BlogRanking←最初にクリック押し忘れの方もう一度クリックよろしくです。

久々の薄晴れ 7℃

①「消されたヘッドライン」をDVDで見る。

2010年01月07日 | 映画の事
日記@BlogRanking昨年は大変お世話になりました。
本年もまたお手数おかけしますがクリックお願いいたします。

  
≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁≁

製作年: 2009年
製作国: アメリカ

監督:ケヴィン・マクドナルド
出演:ラッセル・クロウ/ベン・アフレック/ヘレン・ミレン/レイチェル・マクアダムス/ジェイソン・べイトマン

私の今年第一号


 ラッセル・クロウの映画がが続きますが、いいですね。第一にあのたれた目がいい。
まだ少しメタボっぽいですが、これは「ワールド・オブ・ライズ」の役作りで20キロ強の増量したのがまだ、戻していないからなのでしょうね。

「ワシントンで起きた二つの事件。
黒人の少年がドラック絡みか射殺され巻き添えになったピザ屋の店員が意識不明の重体、もう一つはコリンズ国会議員のスタッフで愛人だったソニアの地下鉄転落事故。
ワシントングローブ紙のやり手記者カルは取材をするうちに、この二つの事件が繋がる手がかりを入手した。
警察に知らせる前にスクープにしようと編集長の指示でチームが組まれ、カルはウェブ版政治ブログ担当のデラと組み調査を開始するが・・」

私的には物語が進むうち、主人公カルの新聞記者と友人である政治家コリンズの関係を横軸に、その政治家と愛人関係にあった人物の死と、全く関係の無いと思われた殺人事件の真相を追っていくうちに、これは綱がっていると、次第に明かされていく意外な事実…という縦軸が絡み合ったストーリだと思っていたのに、最後、急速に問題の本質が社会的な事から個人的な事にすり変わってしまい、ちょっと、じゃあれ何だったのい?とどっちらけな感じになってしまった。でも、まぁイイかぁ、ラッセルがカッコいいから許してやろう。と思ってしまったのです。

やはりオスカー俳優ラッセル・クロウのは素晴らしかった。でもヒロイン、デラ役のの女優、レイチェル・マクアダムスもこの映画で初めて観たのでけど、なかなか好感が持てました。
同じ新聞社の先輩後輩として接しているうちあれでも、??と言う関係になるのかな、と思ったのですが、いやらしい私の詮索にすぎませんでした。
ちゃんと一人前の新聞記者に育てていくのです。

このデラがなかなか良いんですね。カルの言ったことを忠実に守り、機敏な行動力に機転が利き、会話にユーモアがありそして、トドメは表情がとってもチャーミングでした。
以前見た映画、「アンカーウーマン」を思い出したりして。

ヘレン・ミレンふんする編集長が、社名をかけた記事を他社にすっぱ抜かれたということで、ヒステリックになっていましたが、あの映画以来エリザベスにますます似てきましたね。

そんなわけで、最初にふれたように この映画は・・・
国の中枢を担う議員と軍需産業の癒着にメスを入れるというような社会派的なドラマ、すなわち暗躍する政治家や戦争ビジネスを糾弾するものではなく、結局は個人のスキャンダラスなゴシップネタの顛末で終わってしまっていたので、なーんかがっくりきたのだけど、でもジャーナリストとして一生に1度あるかないかの国を揺るがす大スクープを紙面に飾れるとしたら、それは何としてでも追求したいに違いない。
そんなジャーナリスト カルの真実を探求する精神に敬意を捧ぐと共に、危ない目にも遭っているジャーナリストに同情する様な作りになっている。最後は記事が完成し、工場で新聞が作られ、日々どんな凄いネタが載っているのか楽しみにしている人々の手に届くまでの工程を淡々と映す。

これを調べて書き終えたカルは送信をデラに任せて、仕事を終えるのだけど・・・

日記@BlogRanking←最初にクリック押し忘れの方もう一度クリックよろしくです。

雲り時々雨、時々雪  4℃